北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.25の感想

 順調に食欲減退してます。もうダメ。
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「表紙」すずきとと

 ドM上司。緊縛はおそまつ先生のときにもありましたが、今回は1週目から縛られてるので景気が良い。期待しつつ抵抗する表情に見えるので、緊縛の度合いが進行するというよりも、ヒロインの落ち具合、受け入れ具合が進行していく感じでしょうか。本編の内容を考えるとスーツ姿で緊縛されてる時点で落ちたあとなので、無理矢理要素はゼロですねw

『恋は盲目とは言えど!』角煮煮

 告白しフられることで相手の常識を改変する主人公、にガチ恋する女子が現れる。プロットでいうとこんな感じだと思うんですが、本作で最も重要なのは語り手である本鞠さんだと思う。彼女の解説で始まり、その後も基本的に彼女の語りで進行する。なので、最初は彼女は安全圏にいる存在、幼馴染とかで性的に興味がない存在とかかと思ったんですが、しっかり改変済みなので笑った。その情報もものすごく淡泊に明かされ、その後場面転換の繋ぎみたいな場面で彼女と当たり前に行われるセックスが描かれる。セックスしてるのにただの作戦会議になってるのが最高ですね。ものすごく背徳的かつ、狂った世界。要するに彼女は信頼できない語り手なんですが、同時に相棒ポジションなのが面白すぎる。常識改変を描き続けてきた角煮煮先生だからこそ到達した捻りに捻りに加えた先の世界、という感じ。
 そんな本鞠さん。本編では語られないけど、彼女の背景が気になりすぎる。常識改変セフレの中でも特別のお気に入りというのも考えましたが、それにしてはクチが悪い。元々仲が良かったけど「恋人は無理」と告白を断ったのが運の尽き、みたいな関係だったりするのでしょうか。もちろん、そうじゃなくて好感ゼロで能力でのみ付き合わされてるというのも良さそうですが。
 話としては、告白が成功してしまい逆に困る。わざとフられようとデートする場面とか普通に良く出来たコメディなんですが、その前段として主人公の「常識改変した相手じゃないと怖い」という心理が面白い。能力者がたどり着いてしまった苦悩ですね。何なら能力者漫画としても面白い……。
 ダメなデート大喜利の連打で笑ったんですが、すべて好意的に受け取られ、仕方ないので最終手段としてラブホへ直行。嫌われたら能力でセックス、嫌われなくてもそのままセックスという理にかなった案なので普通に納得してたんですが、そのラブホで待っていたのが本鞠さん。このサプライズが素晴らしい。寝取られとは違うけど、それにも似た驚きとダークな雰囲気が広がるめちゃくちゃ良い場面。たしかに読み返してみるとデートの途中から2人を尾けてる本鞠さんの姿が消えてるんですね。良く出来てるわ……。
 いよいよエロパート。酔狂な桔梗ちゃんはラブホに行っても幻滅せず、そのままセックス突入。彼女はピュアなまますることになるのが背徳的ですし、クールなままセックスに付き合う本鞠さんとの対比も最高。予想外の展開のみが続く作品でしたが、エロパートに入っても常に新鮮な驚きがあって、それでいて3Pという「見たいもの見れた」感もあって圧巻。
 エピローグ。能力が通じなくても何でも受け入れる桔梗ちゃんは怖くない、という主人公の結論に納得してたら、「主人公のことは好きなまま怖くなる」という完璧に理屈の通ったオチになるので笑いました。ロジックの気持ちよさ。

『リグレット・ママ』赤セイリュウ

 快楽天本誌で掲載された『リターン・ママ』の続編。前作は、未亡人で子育てに苦労してる元AV女優が職場復帰する、という話で最悪の監督に気に入られ快楽堕ちしてエンド。本作では愛息子ゆうちゃんの運動会に行くが、その学校で撮影が行われる。前作の段階でもイヤな予感はしてましたが、息子バレという考え得る限り最悪の展開が……。
 運動会やってる横の校舎のトイレで撮影。それも運動会に来た父親を誘う素人参加モノ。「撮影許可どうなってるんだ」とか真面目なことを考えてしまった私は愚か。前作は言うてプレイがハードってだけでしたが、今回は明確にヒロインの日常を浸食するのが目的。たしかに前作の段階で「泣ける理由で復帰したAV女優」という背景込みで売り出す方針だったっぽいので、その延長線上に本作があるのは納得できる。
 実際やろうとしてる撮影は無茶苦茶なんですが、抵抗するヒロインに対する監督の説得が面白い。「良い作品を作るため」という彼の主張が、一応それ自体は理にかなってるというか、一応筋は通ってるんですよね。よわよわのヒロインはその説得を受けて見る見るうちに流されてしまう。無茶苦茶な内容を漫画だからと開き直らず、しっかり劇中で無茶苦茶なことに理屈を通してるのが好き。ヒロインがそれを呑んでしまったので詰みである。
 撮影パート。実際には父兄じゃない人もいるのかもしれないけど、基本的に全員誰かの生徒の父親ってのが良いですね。前作はヒロインだけが非日常の世界に戻る話だったけど、本作は日常から非日常へと踏み越える男性がめちゃくちゃ多いw
 それだけで終わらず、監督も参戦。「ただやりたいだけじゃねぇか」という話だけど、たしかに企画色の強いAVの最後に企画と関係ないただのセックスが入ってるってことありがちですね。特に昔はそういう作品多かった印象がある……。長丁場の撮影で理性どころか記憶が飛びつつあるヒロインも大概なんですが、本作の白眉はヒロインがちょうど元の目的を忘れたタイミングで監督が彼女を窓に押しつける。そして彼女は思い出す。あくまでも「息子の運動会の最中なのに」という体裁がキモなので、監督がそれをしっかり「演出」してるんですよね。ただやりたいだけかと思ったけど、しっかり監督としての職務を忘れてないのですごいぜ……。ただ、そのおかげで地獄度はどんどん増していく。
 んで、監督だけ中出しして、エピローグ。かけっこで転んでしまった(おそらく母親を見たせい)ゆうちゃんの元へ駆けつけるが、ゆうちゃんが撮影の余韻に気づいてしまう。救いのなさすぎるエンディングなんですが、私が小学生の頃は性の知識とか全然ないので使用済みのゴム(外せよ)を見ても具体的に真相にたどり着くことはなかったと思います。まぁ、だからセーフという話ではなく、ワケは分からないけどひたすら得体の知れない何かに気づいてしまった、という時点で完全におしまいなんですが……。

エロマンガアカデミー」

 #71。すずきとと先生による「可愛いヒロインの描き方」。めちゃくちゃストレートなお題ですが、すずきとと先生だと納得してしまう。強い。
 ちなみに本コーナーの扉イラストは今週からの表紙とは違って地雷ちゃん。weeklyのすずきとと作品オールスターって感じで熱いですね。双子メイドもちゃんとイラストスペースにいます。各竿役も揃っててちょっと感慨深くもなってしまうレベル。
 インタビュー。表情、それも表情の変化が大事。デフォルメも使ってとにかく表情の幅を描く。わ、わかる……。漫画を読んでて好きな要素、魅力的に感じる要素をキレイに言語化されたような気分。デフォルメ絵の話とか顕著ですが、漫画ならではの魅力ですよね。エロ漫画のヒロインの魅力だとどうしても「絵がうまい」的なことを考えがちですが、読者が受け取ってる気持ちよさはただ絵がうまいだけでは発生しない、漫画というフォーマットならではの魅力も多いのですね。イラストじゃなくて漫画が好きなんだと痛感させられたというか、より具体的に意識するようになりました。4コマ漫画の話とかも最高でしたね。漫画っておもしれぇ、ってなる回。


 終わり。快楽天本誌のすずきとと先生の新作マジ最高なのでみんな見てくれ……と思ったけどweekly読者で、しかもうちのブログを読むような人の中に快楽天本誌を読んでない人は完全にゼロだと思うので無意味な文章。
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