表紙、刺さりすぎて「今週がゴールで良くない?」ってなりました。
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『例の6時間』ミナギリ
クリスマスイブ、バイト明けで飲んでる3人。1年で最も時季外れな週に掲載されたことに逆に運命を感じる……(ただのスケジュール的な都合だろうけど)。
男男女の非モテ連合的な飲み会がとにかく楽しそう。あまりに楽しそうなので「恋人とそこそこのデートするくらいなら君らの方が幸せかもよ?」とか思ってしまう。修羅場を乗り越えた者同士で、おまけに便宜上の共通の敵もいて最強の状態。あと、パイセンのゴムシャンパン芸はマジで笑ってしまった。めちゃくちゃ汚いけど、やり慣れてると一滴もこぼさずに処理できたりするものだろうか……。
そんなパイセンの裏切りにより男女で2人きり。冒頭4ページがひたすらバカ騒ぎで、5ページ目でパイセン逃亡、からの6ページ目、2人は一気に冷めるんだけど依然として再生中のエロ動画が完全に切り替えさせてくれない。この変な空気の説得力、生々しさが超良い。ここで動画が停止中だったら(電話に出るなら止めろよw)、2人はパイセンへの恨み言みたいな話で盛り上がって、そのまま普通に終わってたかもしれない。そのくらい絶妙な、ギリギリのところで決定づけられる空気、に流される2人。超良い。もちろん空気に流されたのがすべてではなく、土台として互いに超好感を抱いてるのはあるでしょうね。その最後の一押しとして機能する「ファックミー」で笑う。大味なのに繊細。
その後ずるずるとエロ開始。だが、開始しばらくは互いにダベりのノリが継続してるというか、空気を壊すようなことを言ってしまうし、逆に雰囲気を盛り上げるようなことは言わない。互いに照れ隠しもあるんでしょうが、「別にマジじゃないから」と保険をかけるような姿勢がリアルですよね。からのエロが盛り上がっていくと何も喋れなくなるが、その件を茶化してしまうのでいつまで経っても良い雰囲気にはならない。ロマンチックなことを考えても決して口に出せない感じがダサくもあり、その小市民感が最高。フィニッシュ前後の2人も互いにツンデレってくらいに本音を伝えられないんですが、事前の空気が丁寧に描かれてるのでやむなし、という印象に落ち着いてしまう。最終的にめちゃくちゃラブコメっぽい関係性に至るんですが、そのギャップが良かったですね。それこそ空気のビフォーアフターを見せるのは劇中で言及されてたスポーツライクな洋モノAVとは対極。
てか、クリスマスデートで、事前にラーメン食べる関係ってどういうことなんだろうか。にんにく臭さとか気にしないくらい親しい関係性なのか。だとしたら、それはそれでエロいですね。
『エロッチぃ日常』エロッチ
#43。「盗賊キツネはあきらめない③」。ゴブリンの集団から盗品を盗む、はずが。シリーズが3本目にもなるともはや前段の部分は半ページにも満たない。罠にはまるとか捕まるみたいな場面は一切省略して本番開始なので潔い。ゴブリンは人型だけど言葉は交わせない、というのも過去2作から似た流れでありつつパワーアップ感がある。ファンタジー設定で遊ぶ要素がほとんどなく、とにかく相手がデカい。それだけ。そして小さいのもいる。不条理劇とこのシンプルさの相性が良かったと思います。まどろっこしい理屈みたいな部分がそぎ落とされてるというか。
「エロマンガアカデミー」
#70。35まち先生による「上達する心構え」。本コーナーも回数を重ねたせいか、かなりテーマ取りが特殊になってて面白い。個人的には過去に似たテーマをやってても繰り返していいと思うんですが、どんどん細かく、変則的な切り口のテーマになってる最近の傾向も好きです。
とにかく自作の「よくできた!」を意識する。シンプルなマインドセットの話なんですが、それ故に漫画家以外にも当てはまる大事なことだと思います。特に漫画、創作に関しては自分の好きや得意を追求することの比重は大きいと思うので、意外と見落としがちな真理かもしれませんね。
てか、テキスト越しに伝わってくる35まち先生の天真爛漫なキャラクターが作品を読んでるときに感じる印象とかなり近くて、いちファン目線としてうれしくなってしまう。一貫性と感じるというか、「やっぱこういう人が描いてるんだよなぁ」みたいな納得。もちろんインタビュー用の外面ってのは多少なりともあるでしょうが、作品と似通ってた外面を持ってるというのが創作の神秘って感じで好き。
終わり。最近はブログ進行にかなり余裕があって最高なんですが、今週はもう快楽天本誌なんですよね。はっやぁ。次号はラインナップが異様に豪華なのでなぜか戦々恐々としてます。
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