北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.22の感想

 暑くて外出たくないです。てか、家の中も不快。
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「表紙」南北

 なるほど、南北先生だったか。新刊発売のタイミングを考えたら予想できたかもしれない……(別に予想を楽しむコーナーではない)。
 キャラは『指先から好色』より。大好きなので超嬉しい。傑作だと思うので新刊の表紙じゃなかったのが意外なくらいなんですが、今回カラーで見れたので感謝です。ギャルらしくギャルピースなんですが、少しだけネイルも見えるぞ~、と勝手に本編への連想もしてしまう。

『サバサバビッチと陰キュバス』ONAKA

 陰キュバスという名詞を思いついたの天才だろ……。ビジュアルやキャラクターも良かったですが、正直このタイトルの時点でいろいろドラマを感じさせられてもう好き。
 一方サバサバビッチ。陽キャじゃなくてサバサバと称したのが良いですよね。別に陽キャでもいいんだけど、話の内容的にはサバサバの方がしっくりくる。距離の詰め方が特徴的で、それは対人関係においてもそうだし、目的に対する行動や決断の早さもそう。トラウマを抱えた陰キュバスの近くにグイグイ入ってくる感じが、2人の関係性として魅力的。デートもナシでラブホ直行なんですが、それでも大学に行くときとは服装が違って、ちゃんとデート用に可愛い格好になってるのが嬉しい。常に自分の目的への最短距離に詰めていくような人だけど、このデート服でちょっとだけ違った一面が見える。まぁ、これで「脱ぎやすいから」とかだったら笑ってしまう。
 オタクに優しいギャルにも近い関係性なんですが、やはり彼女は「サバサバ」が一番似合う。セックス中に、不慣れな陰キュバスに話しかけながらリードしてくれる感じとか正直たまらんものがあるんですが、それも「優しい」というよりは彼女の目的に向かって導いてる感じなんですよね。 “まあまあかな” の寸評が冷酷で笑ったんですが、それも一旦終わってから言うのも非常識すぎない感じで好きでした。キャラとしては濃いが、変人すぎてリアリティがない、というほどではない。絶妙。
 ゴムが切れたので終了……かと思いきや自宅に移動して延長戦。ラブホから自宅に移動することなんてあるの!? 超意外で面白かったんですが、セックスに一区切りがついて一旦冷静になっても理性的に続けることを考えてるのが逆にえっちでした。目から鱗の展開だったなぁ。コンビニでゴム買うの自体は定番なんですが、ラブホで使い切ってからの移動途中で一緒に買う、というのが粛々とこなしてる感じで最高。
 そして陰キュバスの自宅。というか巣窟。使用済みティッシュの山のせいで精液の臭いが充満していた、というインキュバス設定を踏まえた展開になってるのも見事でした。正直ラブホから自宅へ移動するだけで満足してたんですが、そこで自宅ならではのイベントが発生し、ヒロインのタガが外れるのが熱い。あくまでも陰キュバスは言われたとおりに頑張ってただけなんですが、それがいつの間にか逆転してる……ことにすら気づいてないw 朝チュンで陰キュバスがエモく語ってる横でヒロインが余韻で腰ガクガクさせてるの超面白かったし、「どんだけ激しかったんだ……」と想像させられて良かったです。
 エピローグ。 “あたしに言うことあるよね?” というヒロインの単刀直入ぶりが良かった。序盤の食堂での場面でも “だって答えになってないし” と同じ展開がありましたが、彼女の「サバサバ」としての本質を感じる。ウジウジ考え込んでしまう陰キュバスと対照的で、だからこそ彼を悩みから脱却させることができる。

『着せ替えてキモチ』NTNTGNGN

 テストの点数で勝ったらメイド服着てほしい。カップルの他に友人たちも出てくる冒頭の場面が一般ラブコメって感じですごく良かった。メイド服のお願いを公的な場で言うのもあけすけで魅力的なんですが、彼女の恥じらいを考えたら2人きりのときに言ってあげてw いや、公的な場で言質を取ったのが狙いだったのかもしれないのかな。
 見事メイド服。頭のフワフワはないけど、衣装はかなり凝ったデザインで、主人公の努力を感じる(お手製)。てか、手作りのメイド服を着てもらうって完全に主人公の性癖が100%反映されてて、そして反映されてるのが分かった上で着るのでめちゃくちゃ良いですね。えっちだ。
 そのまま軽いノリでコスプレえっちのお願い。そりゃそうなるでしょ、とエロ漫画的には思うんですが、2人がもう既にセックス済みで、何なら日常的にこなしてるというのが明らかになる。超驚いたんですが、そこがすごく良かった……。一般ラブコメみたいな雰囲気だったのに、裏ではやることやってたと分かるの、良すぎる。2人きりではセックスしてるのにクラスでみんなの前ではあの明るい振る舞いをしてるの、ギャップで脳味噌が焼き切れてしまいそうだ。
 日頃のセックスで感じていた彼女の悩みを打破する目的としてのコスプレえっち。さりげなく幼馴染だと分かるのも良いし、「今はそういうキャラじゃないから」という彼女の悩みも思春期らしいリアリティがあって好き。彼女の悩みの一要素である「キャラ」をしっかり印象づけるためにも冒頭のクラスパートは必要だったのですね。外面じゃないけど、社会的な顔、ペルソナというのはどうしてもあって、それを取っ払うためにコスプレして役を演じる。めちゃくちゃ良い話。コスプレえっち療法として保険が適用されるべき。ラブコメと良い話とエロが完全に不可分なのがエロ漫画として素晴らしいですね。
 甘えん坊のメイドさんでプレイ。メイドさんだと奉仕する側が定石だと思うんですが、ひょっとしたら衣装自体は主人公の趣味だろうか。もちろんメイドさんが甘えてくるのは超魅力的でしたが。
 とにかく彼くんが完璧すぎるんですが、彼の清廉ぶりを象徴する場面として「ゴム無し」の拒絶が描かれるのも面白かった。エロ漫画だと興奮の果てにゴムを捨てるのが定番となってますが、本作はいくら興奮してもダメなとこはダメ、と断固として線を引く。そもそも「着せる」ことで心を裸にする話だったので、ゴムも着用するのがふさわしかったのかもしれませんね。てか、今週のweeklyは両作品とも「ゴムありだよ」と強調する展開があるのが良いですね。それぞれ場面の意味が全然違うのが素晴らしい。

エロマンガアカデミー」

 #69。南北先生による「執筆お役立ちツール」。絵のこと何にも知らんかつ、デジタル作画はもっと知らんので結構驚きなツールでした。住宅の3Dツールの使い方として、南北先生の自画像キャラ(可愛い)がカメラ担いで理想のアングルを模索してるイラストがめちゃくちゃ分かりやすい。絵を描く発想のない人間の考えでお恥ずかしいのですが、話と内容、アクションやポーズが決まったらすべて終わりだと思ったんですが、たしかにその上で構図も考えなきゃいけないのですね。先にセットを電子的に組んでそこから作る、というのは思考の順番として至極全うな気がしてきました。。逆に言うと、感覚でサクサク構図が決まるタイプの漫画家の頭の中どうなってるのか気になってくるな……。
 軽い脱線。『シンエヴァ』を作る際、庵野監督が実写モデルと実写のスタジオ用意して、そこで写真を撮りまくって納得のいくアングルを探したというエピソードがありますが、それをデジタルの世界で行うツールがあるよ、という話。今更ながらそれをわざわざリアルセットで行うという金のかけ方が謎すぎてスゲェ。


 終わり。暑くてたまらんというのに、雨が多くてマジで外出の障壁がすごい。イヤな季節が始まりましたね……。
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