北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.20の感想

 快楽天本誌の早売り? フラゲ? みたいな情報がもう既に出回ってて、あまりの早さに驚愕してます。
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『よくできました!』橙織ゆぶね

 友人のお兄ちゃんに勉強を見てもらってるヒロインが、テストの結果を報告に行く。年下だ、ロリだ! ちょっと意外でした。絵柄の親和性は疑いようもないんですが、何となく同い年、年齢差があるにしても年上ヒロインの印象が強かったので(お隣OLさんの作品が好きすぎるせい)。
 ゆぶね作品の真骨頂とも言えそうな日常パートの楽しげな日常感、あの生き生きとした感じが本作ではかなり幼いヒロインなので、元気いっぱいの感情表現全開の子になっててめちゃくちゃ可愛い。こういうヒロインがハマるのも当然だよな……とさっきまで驚いてた自分と整合性が取れなくなる。その圧倒的日常感からシームレスにエロへと繋がっていく、2人が揃ってからの流れが圧巻。テスト明けでご褒美っぽい雰囲気もあるエロなんですが、特別な一日という感じではなく、2人にとっては極々日常的な流れでエロが始まっていく。雑談しながら過剰にボディタッチをしていく感じとかエロすぎて驚きますし、何度もやめるタイミングがあったのに改めて再開してるのが最高。恋人が同じ部屋にいて暇を持て余してたら自然と……みたいなナチュラル感。本作のハイライトと言ってもいいんじゃないですかね。
 エロが本格化していくと雑談する余裕がなくなっていくグラデーションも素晴らしい。そのまま挿入に至るんですが、その後攻守逆転することでヒロイン側の喋る余裕が生まれてくる、という展開のメリハリも良い。単にそれぞれが攻めててイチャイチャ感が強いってのもあるんですが、ヒロインが元気いっぱいでいろいろ語りかけてくる、という魅力は捨てがたいので後半のヒロイン攻めが嬉しい。ただ、セックスが佳境に入ると当然そんな余裕もなくなって……というクライマックスも熱い。ヒロイン攻めの騎乗位からの密着対面座位でフィニッシュという体位の変遷がドラマチック。
 これは私の考えすぎな感想になるんですが、ヒロインの幼さ描写が的確でリアルだからこそ、逆説的に「妹の友人に手を出す竿役って……」とちょっと疑ってしまう。ゆぶね先生の前作『巣立ち』がそういうお約束に冷や水ぶっかける内容だったから余計に身構えすぎてしまったのかもしれない。本作は特濃あまあま作品で間違いないんですが。ヒロイン側の視点が徹底された作品なので、恋に浮かれたヒロインの心理が全体に反映されてるけど……という疑念。おそらくだけど、ヒロインはKじゃなくてCじゃん。竿役はおそらく大学生(もしくは大学入学直前)なので、結構思い切った年の差設定であり、しかも妹の友人という関係性なので背徳感を感じてしまう。まぁ、ハリーポッターも友人の妹に手出したのでセーフですかね。

『淫魔の上手なしつけ方』御魚ありち

 人類と悪魔が共存した世界。ルールを守らない悪魔(淫魔)には対策本部の人間が送られる。タイトルのコマが最高ですね。めちゃくちゃ可愛いし、ライトなノリもあって、2人のコミカルな関係性も描かれてて良い。1ページ丸々扉にしていいレベルだと思うんですが、ヒロインの足が下のコマに跨がってる演出も捨てがたい……。太股の肉感が立体的に感じられて魅力的ですし、生足で視線誘導してるので強いw
 日常パートのコミカルな感じというか、ヒロインのドタバタ感と竿役のクールな温度差が魅力的。人間社会のルールにまったく適応する気のないヒロインの不遜な態度も可愛いんですが、それなのにとことん弱いのが良い。人間社会に順応できてないことを強調するかのように登場する、順応した姉たちも個人的にすごく好きでした。お姉さん属性が素敵ってのもあるんですが、四六時中エロのことを考えて誘惑してるのはヒロインと同じなんですが、「あくまでも合意を取る」を第一に行動してるのが察せられる。そんな姉たちの誘惑を竿役がクールにいなしてるのも良かったですね……ただ、後半の話を考えると彼も内心ではドキドキしてたのかもしれない。可愛いというのもあるし、仕事熱心で偉い。
 んで、更生プログラム。優劣を分からせてからの1週間のお預け。淫魔に我慢を覚えてもらう、というのは理にかなってるのですが、対策本部の仕事にセックスがしっかり組み込まれてるのが何気にエロいですね……。ヒロインにも言われてたけど、対策本部の人間の方にも悪魔というか、淫魔のようなエロさが漂ってる気がする。姉たちに感じた魅力もそうですが、理性でエロを完全にコントロールし、謳歌してる感じも好きです。
 お預けの1週間、2人はほとんど同棲カップルのような生活を過ごし、満を持しての1週間後。非エロパートでキャラクターの魅力、関係性の魅力を掘り下げてから、改めて心の準備万端でエロ本番、という流れエロいですね。ヒロインは冒頭の場面で淫魔服(仮)、間の非エロパートでは部屋着と制服。そこからのエロ本番で再び淫魔服になって……という盛り上がりがヤバかったです。格好としては冒頭と同じなんですが見え方がまるで違う。キャラクターの理解が深まり、2人の関係性も深まった状態ではまるで別物、魅力が倍増して見える。こういう感覚はエロ漫画、てか物語としてエロを楽しむことの醍醐味ですね。キャラデザ、衣装デザインがエロいってのもあるけど、それ以上のマジックを感じる。
 本番。最初は竿役がリードするが、一発出したあとはヒロインが主導的に動くようになる。関係性の魅力、イチャイチャ感もありつつ、淫魔としてのガン攻めなエロさもあって非常においしい。それと、2人がそれぞれ「もう一回」と要求するところに積極性というか、愛を感じてしまう。あくまでも仕事の関係だったんだけど、それだけじゃないとハッキリ感じられる良さ。
 エピローグでのヒロインの私服がちょっとびっくりするくらい可愛い。おそらく彼女の本気が現れた格好ということなんですが、それまで彼女が男に迫るときは淫魔服しかなかったので、あくまでも人間社会と折り合いをつけた上で男を「殺す」格好、って感じですかね。ただ、エピローグに出てきたお姉さまたちのそこまで本気って感じじゃない私服も素敵。

エロマンガアカデミー」

 #68。ぱてくらー先生の「ネタの考え方」。本コーナー、2回連続でギャグエロ論みたいな感じになってますが、2回を通じて、やはりギャグエロにしかない良さはある……みたいな実感を改めて抱きました。逆にギャグのある作品だからこそのエロさもありますよね。エロが台無しになるレベルのギャグも好きですが。
 当たり前ですが、物語をセックスに向かわせないといけないので、そこで頭を捻る苦労が語られてるのが印象的でした。これはエロ漫画家にとっては広く通用する「あるある」なんだろうな。その打破としてぱてくらー先生が「パロディAV」とか「存在しない作品のエロ同人」と言ってるのが面白い。言われてみれば腑に落ちるというか、ギャグの勢いも込みでやや強引にエロへと突き進んでいく感じはたしかにそういう二次創作っぽい読み味に近いのかもしれない。
 ネタを広げてネームを切る際、困ったら一度某ギャグ漫画の絵でネームを想像する、という特殊すぎる方法が出てきたので笑いました。笑ったけど、『ひーちゃん』の最終回はそのまんまでしたね。特殊すぎて同じ作家はいない気もしますが、作家それぞれに心の教科書的な漫画作品があって、それになぞらえて考えていく、くらいだったら案外珍しくないのかもしれない。もちろん完成品も大好きですが、創作過程の作家の頭の中もめちゃくちゃ面白いです。


 終わり。今週はいつもより本記事を書き始める時間が早かったんですが、そのせいか文字数がいつもより多くて「意味ないじゃん……」となってます。
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