北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2023年7月号の感想

 あまりに『ティアキン』やりたいんだけど、やると余暇時間が終わるので代わりに『ブレワイ』を再びやろうかと悩んでます。結局時間がなくなる。
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『せんせえマッチング』どじろー

 巻頭カラー。冒頭4ページがカラー。モノクロ本編におけるセックスで描かれなかった場面ですかね。後日譚かとも思ったけど「一発10万」の割引がない。しかし、このカラーページめっちゃ良いですね。褐色ヒロインでカラー映えするというのもあるけど、吹き出し、セリフ、描き文字などなど、カラー漫画としての満足度が高い。多めのテキストがページのド迫力に繋がってて好き。
 モノクロ本編。女子校教師3年目、日々のストレスの発散にJKで童貞喪失しようとマッチングしたら、教え子。ただし、向こうは以前からそのことに気づいていて、脅しの材料も揃えられてるので詰み。テキスト上で仲良く会話してたが、それが証拠となって終わる、とマジどうすることもできない。ただ、そこで主人公が言ってきたことがあまりに欲望剥き出しすぎるので、適度に主人公への同情心が薄れる。ギャグっぽい語りもそうですが、悲劇として重くなりすぎず、それでいてヒロインの計画が進めば進むほど画面上はエロくなるので読者的には最高、という図式。完全にしてやられてるのに、エロを進むにつれ、主人公がちょくちょく調子に乗るのが微笑ましいんですよね。それどころじゃないのにエロに満足してハッピーになってしまう感じがあまりにチョロいw
 クズ主人公が別種のクズヒロインに懲らしめられる話を明るく楽しいノリで描かれてるのが個人的にとても良かった。ただし、エロ描写はかなりねちっこい。金とは別にヒロインがエロを心底楽しんでそうなのも良かった……というか本作で一番好きなのココかもしれない。意図的にメスガキ的な煽りを繰り返して、そこからの逆転っぽい攻守交代はあるんですが、快楽は堪能するが快楽堕ちという感じではなく、彼女は得たかったものをすべて得て、さらには予想外に気持ちよかったセックスも得る、という感じ。この彼女の強さが魅力的なんですが、上の立場のまま主人公のことを気に入る、というバランス。水と油のような2人だし、搾取の構造は変わらないのに、どこか仲良し(隠語ではない)になったみたいな印象もある。印象としては結構なハッピーエンドにも思えちゃうんですよね。100万消失してるんですがw

『スキモノ果実』Reco

 こちらも30ページ。ただし、こちらはドラマパートもしっかり描くことでキャラの感情を積み重ねていき、それがエロパートで爆発する、という盛り上がり。セックスが常態化してるところから始まった物語なんですが、2人の関係性が大きく変わったところで最後に一発、という構成が熱い。クライマックスが車内で着衣のまま、という変化球がめちゃくちゃハマる。セックスすること自体に驚きはなくなった関係性だけど、最後は我慢できなくなって始めちゃうんですよね。日常から非日常へと境目なく変わっていくのがめっちゃ盛り上がるし、エロい。
 話としては、カフェの店長がバイトの子とそういう関係。ミステリアスではあるけど、内気で自己肯定感低そうで危うげな、だからこそ面倒見たくなっちゃう魅力と魔力。日常パート、エロパートどちらもそんな彼女のキャラクターを支える表情が絶品。シャイでオドオドしてるもののエロには謎に積極的というギャップ。そこから事後でのダウナーな表情がまた振り幅すごくて引き込まれる……し、主人公がほっとけなくなって(おそらく初めて)主人公の方から彼女を誘う。そのドライブデートで初めて2人は腹割ってはなすようになる、というドラマも良いし、やっと分かり合えた2人が……というクライマックスが熱い。セックスの関係は以前と同じなんだけど、以前のような自堕落感はなく、憑き物が落ちたような晴れやかさがある。ただ、やってることの変態度と危険性は遙かにアップしてる捻れも良いですね。ヒロインが殻を破る物語なんですが、カーセックスからのそのまま屋外へ、という流れはその反映にもなってそうですね。心と閉ざして内にこもっていたヒロインが外の世界を知る、みたいな。

『ズルくてごめんね』亜美寿真

 倦怠期の妻がスマホゲームのオフ会で出会った若者と。ゲームという題材はお馴染みなんですが、まさか不倫とは……。2作前は『新婚初夜』で激甘作品だったというのにw
 完全にヒロインの心理に寄り添った語りになってるんですが、そんな彼女が心の内を誰にも明かさない。魔が差して不倫してしまうヒロインの心理の説得力もハンパないですし、気持ちよさの表現としてもド迫力。相手が目の前にいるのに大量のモノローグで進行するのが特徴なんですが、最後の最後ではモノローグがなくなって、まともな文章言えなくなるのとか最高。エピローグもモノローグがないことでヤバい一線を越えてしまったヒロインの心理と今後に想像が膨らむようになってて良い後味でした。
 竿役。オフ会で出会ってすぐにあんなチンポ剥き出しの発言するのとか個人的に「無理!」と拒絶感がすごいんですが、そんな彼の軽薄さと愚直さが今のヒロインにはめちゃくちゃ刺さるのであった……というドラマが良すぎる。戦略的なチャラさではないのが分かるし、彼がある種の子供っぽさを持ち合わせてるからこそヒロインは揺れてしまった、という組み合わせの悪さ(良さ)。途中から「たしかにこういう人がモテるのも分かるな」となるし、何なら最終的には「ひょっとして彼は可哀想なのでは……」と同情心すら湧いてしまうw まさにタイトルなんですが、「ごめんね」はこの竿役に向けられた言葉だったのですね。劇中の彼の認識としてはおそらく超絶ハッピーエンドなんだけど、読者としてはそう単純でもない。
 そんな竿役がヒロインに惹かれるようになったのは彼女の大人の色気。大人の余裕と言えば聞こえはいいが、彼女が抱えるある種の諦念から生まれた一瞬の本音混じりのため息。この2人の(精神的な)年齢差の描写が絶品でしたね。年齢差があるからこそ惹かれ合ったけど、ヒロインとしては最後まで彼に対して心の壁が残ったまま、というリアルさ。過去作でもこういう年齢差のある2人の格差が印象的に描かれてきた印象なんですが、本作はそれ故のロマンチックさと残酷さが表裏一体になってて最高。
 初読時は気づかなかったんですが、結婚指輪と、指輪跡の描写がこれまた良くて、意識して読むと大事な場面で左手の薬指が印象的に描かれていることに気づく。彼女の罪悪感の象徴でもあり、同時にバレるかもしれないサスペンス。めちゃくちゃ面白いけど、2作前は『新婚初夜』だったのに……と改めて驚くw 本作と表裏一体の二部作みたいな感じですかね。

『お義兄ちゃんは許さんぞ!!!』オクモト悠太

 義妹が黒ギャルでチア。おまけにダウナーでジト目だ。ダウナーギャル、良いよね……。全体を通じてローテンションだけどエロには積極的で黙々と加速していく感じには何物にも代え難い魅力がある。めちゃくちゃ明るいラブコメなんだけど、基本的には主人公であるお兄ちゃんが勝手に暴走してる形。ヒロインはそこに静かにガソリンぶっかけて煽ってくる。2人のコントラスト、精神的な主従と攻めと受け、すべてが絶妙なバランス。
 見所としてはやはり黒ギャルによるチア衣装。健康的な日焼けというよりは完全に黒ギャルなので、ものすごく違和感のある組み合わせなのですが、そこにこそ本作の一目で分かる魅力がある。衣装の徹底ぶりが素晴らしく、ボンボンまで出てくる。プレイ中のアクセントとしてボンボンが出てきて「これは良いですな……」とか冷静ぶってたらボンボンが最後までキープされるのでビビった。クライマックスではY字バランスのような体勢になってどんどん実現難度が高まっていくんですが、要するにチアっぽい体勢をセックスによって再現してるわけですね。挿入以降はオール立ち、というコンセプトも何気にすげぇ……。

『サブクエスト』星井情

 先日のweekly快楽天でのインタビューでは星井先生のオタク愛が語られてたんですが、新作ではまさにオタクくんが出てくるので笑った。しかもエンディングがまさに「オタクくん」コールで終わるw ギャルとオタクくんではない関係性の魅力が新鮮でした。
 話としては、大学時代のゲームサークルの先輩が社会人になったあと、オタクくんの家に転がり込んでくる。都合のいい扱いにイラつきつつも先輩に会える喜びにもあらがえないオタクくん。持続性のない関係と思いながらもメイク落としを準備しちゃうのがいじらしい。「せめてこのメイク落としがなくなるまでは……」とか思ってたんですかね。
 全然メインテーマではないんですが、個人的に超刺さったのはオープニングのヒロイン登場シーン、におけるヒロインのスーツ姿。自立した女性としての強さも感じつつ、その大人感に主人公は大きな距離を感じてしまう。あと単純にビジュアルが良い。登場シーンで死にました。
 翻弄されつつ、下手を打つ(オナホバレ)主人公の受け視点で進む。オナホコキからのフェラが動揺混じりに描かれてもう大満足。なんですが、そこから挿入するとまさかの主人公暴走で逆転。オタクくんのクソデカ感情が爆発してしまった……。このクライマックスで視点がヒロインにスイッチし、今度はヒロインの受けが描かれてこれまた最高。単純にプレイのおいしいとこ取りでもあるんですが、2人の関係の双方向性みたいなものが感じられる。好きとか全然言わないんですが(言えよw)、それでも2人の関係性の良さは十二分に伝わってくる。なのにプレイはやたら激しいというエロ漫画的な欲張りセット。

『バニラアイス』Hamao

 姉がタレントでその彼氏が有名俳優、そしてクズ。純度100%のクズでもはや清々しいレベルなんですが、大人としての優位性や余裕も混じってるのが絶妙。ヒロインとの年齢差やパワーバランスを感じる。竿役の顔が描かれないんですが、2人の関係性、クズ男のキャラクター表現としての演出なんでしょうね。向こうの腹の底が見えてる感じは一切しないし、向こうも終始ヘラヘラしたテンション。役者なので表面だけ取り繕うのがうまいのでしょう……偏見ですが。
 竿の顔がないのと通じるんですが、本作はとにかくヒロインが目をそらす場面が多い。一度目と違って二度目(本編)は無理矢理される形ではないんですが、ヒロインはとにかく拒絶の仕草を繰り返す。そもそも会わなければいいのに……という前提が本作を味わい深くしてますね。竿役はマジのクズだけど、用意周到にヒロインをハメる話では全然ない。
 また、序盤に説明としてのナレーションがあっただけで、他にヒロインが心の内を語るような場面は一切ない。竿のことは基本拒絶してるので口数も多くなく、彼女の内面が分かりにくいんですが、だからこそそこに意識が向いてしまう。前述の目をそらす仕草もそうなんですが、表情が本作絶品ですよね。おそらくヒロインの心情が最も露見してるのが表情。幼く、弱々しくて心配になるんだけど、確実に気持ちよさそう、というバランス。そして、エピローグで(本作にしては)分かりやすく、ヒロインが今回会った体裁を忘れる、というイベントが描かれて終わるのも素晴らしかったですね。余韻の残るエンディングであり、答え合わせのようでもある。

『あくまでメイドですから!』りんごくらぶ

 悪魔に取り付かれたメイド。メイドの恋が成就するとその愛を悪魔が食べるのですが、あまりに進展がないのでイライラした悪魔が “引き伸ばししてる恋愛漫画かっつーの…” と言うのには爆笑してしまった。その点エロ読切に死角はないw
 悪魔に体を乗っ取られることで話が進むんですが、そもそもこのメイド服の黒を悪魔の黒と重ねるデザインが良いですよね。萌え袖も可愛いですし、何と言ってもパイズリの場面における服の脱ぎ方(残し方)が最高。本作の衣装及びキャラデザはこの場面のためにある、と思ってしまうほどの収まりの良さを感じる。
 1つの体に2つの人格があるのでいろんな表情が見れるのも大きな魅力なんですが、ややこしくもありチョロくてシンプルなのが悪魔モードの段階でもご主人様に恋しちゃう点。あまりに直球の愛の告白にチキって逃げてしまう場面とか可愛かったですよね。エロ漫画なので、こういう引き伸ばし恋愛漫画みたいな「照れて逃げる」場面は作れないかと思いきや、本作の悪魔設定のおかげでそれも実現し、同時にセックスも実現する。照れて逃げるのも可愛いけど、やってるところも見たい、という両得。人格のスイッチがセックスの攻守交代になってるんですが、最終的には受けだったメイド(人間)が告白返ししてハッピーエンド。
 あと、細かいところではありますが、メイドの体から追い出された方の魂(?)みたいな描写もめちゃくちゃ可愛かったですね。最後の7割復活悪魔も可愛かったですし、女性キャラが2人しかいないとは思えないほど多様な可愛さがあってありがてぇ……。

いたずらごころ2』えーすけ

 続編。どうやら次作もあるらしい。前作は男2女2ながら挿入後は完全に交代制だったんですが、本作は男2女1で、男2が交代もしつつも後半は同時攻撃。攻撃どころか同時に……とまで至る。もうやることやり尽くしちゃった気もするんですが、次作は一体どうなるというか。改めて2対2のパワーアップ版……?
 前回にも増して激しいんですが、序盤に「ヒロインが楽しみにしてる」描写を入れたので思いの外ダークにはなりすぎてない印象。完全に男側が支配する形なんですが、あくまでも享楽的な方向に振り切ったという感じ。
 女性キャラの絶頂表現とかが相変わらず絶品なんですが、本作はやはり男2による波状攻撃。展開やプレイのアイディア、連携、そいて男2女1ならではの構図とか圧巻でした。ちょっと前の『夢見るアプリ』は男1女2で素晴らしかったんですが、本作はまた別の方向に突き抜けていく。脳味噌チンポな2人が心行くままに攻めてるような話なんですが、漫画として見るとちょっとプレイの振り付けとか構成がすごい、みたいな変なところにも意識が向いてしまう。続編なこともあって本当にひたすらやってるだけで、オチとかも意識が飛んで終わるので、本当にエロ純度が高いんですよね。無限絶頂編。終わらなさの絶望感と期待感みたいなものが本当に良い。2回くらいマジで「これで終わったか……」とか満足感得ちゃいましたからね。ページめくったらまた激しいことになって続くので驚くw

『就活ボーナスチャレンジ!』雛原えみ

 就職浪人の彼氏と、応援する彼女。彼氏の方が隙あらばすぐにバッド入ってしまうので、メンタルコントロールとして彼女が禁欲とご褒美を設定する。要するに事故的に成立してしまったポリネシアンセックス。当然ながら我慢してるのは彼女の方も同じで……と溜まりに溜まったものが解放されるクライマックスの高揚感とか読んでて最高でしたし、就活の応援という体裁がぶっ壊れて本番を決意するのには爆笑しました。ダメ男に振り回される健気なヒロインという面もあるし、彼をコントロールするたくましい印象もあって、奥深くもあり生き生きとしたキャラクターはマジ最高でしたね。
 あと、本作はとにかくヒロインが可愛い(直球感想)。キャラクターも良いんですが、キャラデザが良すぎて即死してしまった。髪型、ファッションも本当に最高でしてね。正直もう1ページ目の時点で好きすぎるというか、「100点が出てしまったのではないか……?」と困惑しつつ読み進めたら良さが加速していくので得点基準がバグる。ポリネシアンセックスということで劇中で日数が経過するため、ヒロインの、衣装が、何度も変わる。ありがてぇ~!! 彼氏の方は限界就活浪人ということでいつもスーツ一辺倒で闇堕ち寸前の表情をしてることもあり、ヒロインの華やかさが際立つ。衣装はどれも可愛いし、下着も可愛い、そして何より、何度も脱ぐ。ありがてぇ、ありがてぇよ……。エロ漫画における一つの「正解」を見てしまったような思いがある。

『Garden of EDEN』さくま司

 お嬢様と庭師。黒髪パッツンロングの圧倒的お嬢様感が強い……と思ってたらエロパートに入ると黒セーラー(スカート長め)というこれまた強めビジュアルが飛び出るので最高。黒タイツ(自ら破き済み)というのも素晴らしかったですし、本作はとにかく黒の魅力ですね。それがドラマの進行につき2人が結ばれると互いに全裸で風呂場。その後もいろんなシチュエーションでやるんですが、衣装など画面は白の印象が増していく、という作品全体を通じた黒白のグラデーションが素晴らしい。前半の全身黒は彼女の意志の強さ、固さを感じさせるような印象だったんですが、結ばれることでそれが徐々に軟化、という感じでしょうか。白ブラウスのボタンを外して中から黒下着が出てくる場面も最高でしたし、お嬢様の王道とも言える白ワンピース&クソデカ麦藁帽も出てきてマジで贅沢な作品。全身真っ白に変わったことでドキッともするし、さらには素肌に木漏れ日が射し込む、というこれまたすごい場面まで飛び出る。どれか一つをメインにしても全然成立するような場面が次々とあって本当にありがたいですね……。
 ヒロインは常にテンション低めで表情が動かないタイプに思えたんですが、実際は意志つよつよなため揺れが少ないだけ、というキャラクターも最高。そんな彼女の恋が実るドラマとしても味わい深く、あんだけ多種多様なエロシーンを連発したのにエピローグは3ページと長めに用意されてて緩急が利いてて読み終わる頃には驚きの満足感でしたね。数作にわたるシリーズが終わったかのような余韻。

『素顔の帰郷』日吉ハナ

 田舎の役場にVtuberから取材申し込みがあり、快諾したら元カノ登場。Vtuber(もしくは配信者)って題材、エロ漫画だと定番になりつつあって、「大体こういうの」と型が固まりつつあると思うんだけど、まさかすぎるアプローチで感動しちゃった。設定が面白すぎる。元カノだけど、昔は一緒に動画作ってた仲間であり、そのスキルに対するリスペクトもあるが、主人公は動画の道を捨てて地元(たぶん)の役場へ就職、とめちゃくちゃドラマを感じさせる設定。今も動画の道を続けてるヒロインとの再会で、性的以外のドラマも動き出す。いやホント良すぎる。ドラマチックなんだけど、エロとしては元カノ(元カレ)再会モノという定番の趣もあって、そちらの良さもバッチリ。
 当たり前のようにセックスを始めて、そこで会話が一切途切れない……どころか会話が途切れると気まずくてエロい気持ちが萎える、というのも2人の長い付き合いが感じられて好き。初めてのドキドキ感もそりゃ好きですけど、こういう特別なことじゃないし、特別なことという雰囲気になると逆に気まずくなっちゃうのもリアル。ひたすら喋り続けるけど、そのほとんどに世間話のようであり、本心を隠すために喋り続けてるようでもある。だったはずがセックスの盛り上がりとともに徐々に本音が漏れるようになってしまって……という流れも良い。セックスを通じて2人が気まずさから解放されて本音をさらけ出し合うようになる、という感じか。セックスが一つのコミュニケーションツールになってるのが大人としての魅力。

『初イキ!!』鳥茶丸

 薄い本を作る参考にヤリチンの幼馴染に協力を求める。マン研(漫研w)内で見栄を張ったために引っ込みがつかなくなる、というのは全然分かるんだけど、次ページに出てくるヤリチン幼馴染が強烈すぎるので笑った。ギャップがギャグ的なんだけど、ここまで住む世界が違うのに未だに仲良いのは素敵ですね。ヤリチンとして接せられて普通に嫌がってるのとか妙にリアルというか、誰でも手を出すわけじゃないところにキャラクターとしての説得力を感じてしまう。
 引かないヒロインに対して折れる形でエロが始まるんですが、ここからはしっかり「友達だった2人が男女の関係になってしまう」という定番の良さがバッチリ描かれてて最高。照れ隠しのようにふざけるくだりとか、このジャンルでしか感じられない魅力がある。ただ、いざ本番が始まってしまうとそんな余裕もなくなって、どんどん緊張感のある描写が増えていき、最終的にはセリフもモノローグもなくなっていく。2人のギャップも良かったけど、この作品に雰囲気のギャップがマジ最高でしたね。挿入後はヒロイン視点の描写が増して、おかげで快楽に溺れる迫力が凄まじいんですが、幼馴染くんの方は自分勝手で乱暴な真似とかせずに、処女の友達に対する優しさとか誠実さみたいなものも感じられる気がする。正常位にしたくだりはひょっとしたら彼自身がやりたかっただけかもしれませんが。照れ隠しもあって顔の隠れるバックで始まったけど、正常位になってそれも隠せなくなる、という流れも最高でしたね。

『したごころ』トウ

 下着がエロい。普段はボーイッシュでラフな格好を好む大学の友人が実は……というギャップが熱い。てか、タイトルが下着とかかってるのが見事ですね。内に秘めたる彼女の本性(本音)のメタファーとしてエロ下着がある。
 以前に酒の勢いで一線を越えてしまった2人、という前提も面白い。心休まる友人関係だったはずが気まずくなってしまい、今でも意識してしまい……という心理の機微も最高だったし、そこの追い打ちとしてエロ下着が出てくるのも主人公への死体蹴りのような無慈悲さがあって好き。
 下着ファッションショーしてくれるのとか夢すぎてその後の本番シーンに匹敵するくらい本作のハイライトだったっと思います。可愛いデザインから徐々にエロのニュアンスが増してくる感じも「試されてんのか!?」という感じで最高。ヒロインの女としてバリバリ現役というのが感じられるのも好きだし、同時にエロ下着(可愛い下着)が決して男のためだけではなく、自分が好きだからなのかな、って感じもするのも良い。彼女の芯の強さも感じられて好きってのもあるし、対照的に主人公が乙女な悩みを抱えてるのも微笑ましい。微笑ましいけど、「あんな関係になったらそりゃ悩むわ!」という説得力w
 気持ちを打ち明けてからの本番。友人から改めて男女の関係になる緊張感と初々しさも感じるんですが、同時にセックス自体は過去に何度もやって(主に主人公側が)最適化されてるので、プレイというかヒロインを襲う快感が激しい。ドラマチックな流れや整合性(納得度)もありつつ、エロ漫画としての迫力もバッチリで一挙両得。
 肝心のエロ下着が完全にセックス用という機能性を有してるのも最高でしたね。あの1着のみは「可愛いから買っちゃった」という言い訳が1ミリも成立しない本格エロ下着の世界。

『たまには自動販売機で女の子を買おう』エロ井ロエ

 疲れてるので自販機で女の子を買ったら当たりが出てギャルが2人現れる。「何言ってるの!?」という勢いのままアバンが進むので笑ってしまったし、そこから不条理のようなまでの流れでエロが始まるのも最高であった。ちょっと『世にも奇妙な物語』のエロ版って感じもしますかね。頭空っぽにしてバカを楽しむ話かと思ったら意外と設定が練られてて、そのオモシロにも惹かれる。そして、そのルールの運用に裏ワザがある、とヒロインの片方が教えてくれるオチも超良かった。彼女にも人格があるというか、知性が感じられて、この世界に生きる女性としてのたくましさも感じられるし、そんな彼女に気に入られたかも……という嬉しさも強い。不思議設定だからこその享楽に浸りきるような話だと思ったのに、その不思議世界の中で彼女たちは自立して生き抜いている、みたいなのが垣間見えるのが良すぎるんだよなぁ。
 不思議な状況を飲み込めないまま目の前の2人の圧倒的なエロに流されていくような感覚も絶品。不思議設定なんだけど、意外とギャルモノとしての魅力の本質はバッチリ堪能できますね。
 ヒロイン2人のキャラクターの違いもしっかりあって、そんな2人が同時に襲ってくるからこその魅力も強い。2人が仲良いようで意外とドライだったり、出し抜くようなことをしてくるのが最高でしたね。圧倒的に陽性なギャルであるミアちゃんにも惹かれるんだけど、一歩引いたところから冷静さも感じさせるもう1人の子の魅力もヤバい……てか、もう1人の子は名前が明かされないまま終わるのですね。より深く通じ合えた(気がする)のはダウナーな子の方なのに、彼女の名前は分からない。良い余韻。オープニング、エロパート、キャラクター、エンディングとすべてが良かった。エロ井先生が最高傑作を更新してしまった……という印象。

『イイわけ』kanbe

 おねショタだ~っ!! しかも姉と弟。弟が意志つよつよの視線で見つめてくるのも最高だし、それにグラグラ揺れる姉も良い。やはりおねショタは良い。kanbe先生の近親モノの系譜にあるので当然背徳感もマシマシなんだけど、やはりショタの可愛さで圧倒的清涼感が生まれてるというか、流されるヒロイン側の心理もやや軽めで、それ故の深みにハマっていく危うさのようなものも感じさせる。暴力的に快楽を教え込まれるのではなく、彼女自身の選択によって弟の魅力にハマッていくような印象。
 ヒロインの語りで進行するので淡々とした雰囲気もあるんだけど、それ故のもうどうすることもできない手遅れ感。最初は上から語るような内容だったのが、徐々に「やるじゃん」的なものになり、最終的にはヒロインの方がメロメロという流れ。ただ、男の顔を見せる弟の魅力にハマればハマるほど、同時に彼の成長速度に屈服感のようなものを抱くようになる。突如として、1コマだけショタが成長した顔になる演出とかマジヤバかったですね。成長する伸びしろとしての頼もしさ、と同時に今の状況に刹那的な印象、儚さも感じられて極上のおねショタであった……。
forms.gle
 終わり。エロ漫画感想書くようになって、エロ漫画の中の衣装が重要なファクターだと自覚するようになったのですが、現実の世界ではファッションに全然興味がないので基礎教養的なものが圧倒的に足りてない。言葉に詰まることもあるし、理解も浅いのだろうと感じることがあります。髪型とかも名前が全然分からないんだよなぁ……。
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