北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2023年1月号の感想

 2時までワールドカップ観て、1時間ほどブログ書いて寝ようかな~、からの延長! PK戦! 興奮して寝れない!! という日。
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『寄り道』きい

 タイトルの通り、エロが目的ではない状態でのエロが超エロい。日常のダラダラ感からセックスへの変遷がシームレスというか、「キッカケありました?」というタイミングでヒロインが一方的に始めてくる感じが最高。あまりの不意打ちで最初のキスにカメラが追いつかない感じですね。そんで直後のキスでは丁寧に描いてくれてそれがまたねちっこい。
 キスだけですぐ挿入に至るのも身も蓋もない即物的な印象。特別なことは何もない、という日常感が良いのだが、2人ともやってるうちに沸々と気持ちが盛り上がっていく。会話は少ないのに漫画として伝わる情報量はめちゃくちゃ多い。この段階では全然脱がないのもすごいし、ヒロインの着てるニットの質感がすごいので「脱いだ方が絶対楽だって!(作者が)」という気持ちになってしまうw
 からのエピローグかと思ったらインターバル。ここでタイトルの「寄り道」についての直接的な言及がされる。主人公が、自分は目的地ではなく寄り道だったのではないか、となってしまい、それを払拭するかのように後半戦突入。エピローグで優しいオチがついて安心なんですが、だとするとこの誤解があった時点でヒロインは説明することもできたわけじゃないですか。それなのにしない。誤解させたままというのが良いよね。その手玉に取ってる感でもあるし、しょうもない嫉妬をしてる相手に対してちょっと可愛いとか思ってしまったのではないか。互いに違った方向ではあるがエロへの気持ちが盛り上がってた、と分かるのでもっかい読みたくなる。
 後半戦では挿入中に脱ぐんですが、そのシーンの迫力もヤバかったです。さらに、エピローグでのラフな格好も最高。髪型変えてくるとかたまらんものがある。

『きっとステキなお姉さん!』オクモト悠太

 本屋にいるお姉さんに憧れて通ってしまう。雰囲気のある本屋におけるちょっとミステリアスな感じもある素敵なお姉さんの素敵さったらない。話してみたら意外とフランクでその良さもあるし、さらには大人の立場からからかってくる感じも最高。そのままグイグイと一方的にエロの世界へと誘われるんですが、特別ハードではなく優しい感じでもないんだけど、とにかく彼女が一方的で、それでいて彼女がひたすら楽しそう。素敵なお姉さんとしての大人感、余裕も感じつつ、彼女が心から楽しんでるのが何となく伝わってくるので、ミステリアスの向こうから彼女の本音が漏れ伝わってくる。対等な関係とは到底言えないけど、彼女の心に触れた(触られた)のかもしれない、という距離感。
 ノースリーブニットをたくしあげたまま、そしてブラを下げたまま行為に至るんですが、おっぱいを上下から挟む形になるので巨乳がひたすら強調されててこれがまた良い。飛び出してくるような迫力。

『お鍋の花』藤丸

 『お鍋がゆく』の後日譚ショート。本編で結ばれた先のアフターストーリーとかがよくあるけど、本作の場合は前作のラストで包丁持って追いかけ回されてたので、まったく別w いわゆる快楽堕ちに時間差でなった感じなんですが、肝心の彼はおそらく人間同士でカップル成立して幸せに暮らしてると思うので、狸の付け入る隙があるのかは少し謎。彼女が出かけてる隙に、彼女に化けてやりたいことやる、とかならあるかも。そういう続編も面白そうだが、実際にあるかは分からんw

『オフライン』Hamao

 ゲームがカセットだった時代、公園でゲームを介して仲良くなった少年2人と少女1人。序盤パートの3人がピュア&無垢すぎて超可愛いんですが、エロパートに入ってもその印象が変わらないから良い。勝手な予想としては「超絶ダークな奴が来るのでは?」と少し身構えてしまったんですが、可愛いキャラが可愛い関係性のままエロに至るという奇跡のバランス。まぁもちろん小さい子たちの話なんで、そういう行為に至ることに対する後ろ暗さもあるし、ラストの別れはひたすらビター。あんなに楽しそうだった公園でのゲームがエピローグの場面ではどうしようもなくつまらなそうで切ない。ひょっとしたらこのままゲームという娯楽を卒業してしまうのかもしれない、と感じてしまったレベル。子供たちが一線を越えてしまった歪みが、ああいう形で描かれるのは見事だったと思います。何かバレて罰を受けるとか、誰かに酷いことが起きるわけではないんだけど、かつての日常は大きく狂ってしまった、という後味。
 インモラルなんだけどピュア。この捻れたようなバランスが絶品なんですが、特に面白かったのが本番パート。3人いるんだけど、本番に至るのは1対1のみ。賢者モードというのもあったんでしょうが、バンのあの無垢さったらない。必要以上に欲がないというか。そして、バンにはエロに対する興味はあるけどエリカに対する恋心のようなものはなく、逆にアキとエリカの間にはそれがある、と前半から丁寧に描かれてるんですよね。ここらへんのキャラクター表現の豊かさ、3人がそれぞれに対する思い、関係性、それらがエロによって大きく展開してしまうドラマが絶品。いろんな方面でレベルが高いというか、味わい深い。

『おこのみごのみ』柚十扇

 エロを期待して彼の家に行ったら汚部屋で萎える。序盤から感情表情全快なヒロインの表情が可愛いんですが、彼女の考えとは反対に彼氏は気にせずエロを期待し出すギャップがおかしい。エロを期待するという部分は似た者同士なんだけど、部屋の惨状によって気持ちの相違が生まれ、それによって心理的な攻防というドラマが生まれる。家に入るまでは彼女もエロを期待していたというのが大事で、単にクズな彼氏が一方的に求められる話とはひと味違う。彼の攻めに屈してしまう話という意味では同じなんだけど、元々期待していたという彼女の弱みが敗因であり、最低限の合意というのも感じる(実際には違うよ)。ホレた弱みではなく期待した弱み。嫌がるヒロインを無理矢理やって快楽堕ちという形ではあるけど、その中でも恋人同士のイチャイチャ感のようなものがうっすら通底してるように思うし、ヒロインの嫌がってたけど最終的には満足、という一見すると矛盾したようなバランスが成立してる。一旦は期待したエロが心の奥に残っていて、それを刺激され続けることで籠絡されてしまう、という説得力。

『シークレットパラダイス』さくま司

 可愛い系男子と高身長かっこいい系ギャル。1ページ目から「大好物すぎるんですが!?」と鼻息荒くなったんですが、モブ生徒として出てきた「ふせっち」の存在に気づいて爆笑してしまった。そうか、これ前作『ロマンチックゴースト』の前日譚か。前日譚といっても(文字通り)一世代前の話、という壮大なスケールに笑う。状況を整理してようやく思い出したけど、前作の感想で「親世代のカップルも気になる」的なこと書いてたわ。夢が叶ってしまったw てか、わざわざガラケーだと断定できる場面を入れて時代感を表現してて芸が細けぇ……。
 告白から始まるので終始カップル状態なんですが、長瀬くん側に自信がなさすぎてなかなか進展しない、ピュアピュアなままいきなりエロに至るというのも良い。「あそこまでイチャイチャして罰ゲームで告白疑惑はないだろ!」と読者視点では思ってしまうんですが、たぶん日頃周囲の人たちに可愛い可愛い言われすぎてそういう自信がなくなってしまったのでしょうね。
 ヒロイン攻めによってエロへとガンガン突き進む。ヒロインが頑張るけど、彼女は彼女はめっちゃ照れてるのでひたすらに甘い。甘々で2人とも可愛くて最高の極みなんですが、たまに冷静になると「この裏では不破くんの失恋が……」と脳裏をよぎるw
 対等な関係のイチャイチャなんだけど、エロパートの前半は明らかにヒロインが上位で、文字通りヒロインが上から迫ってくるアングルが最高。そこから長瀬くんが頑張る形で攻守逆転で正常位。なんだけど、正常位で互いに密着する体勢になったことで2人の体格差が強調される構図になる。あの腰へこへこさせながら体を目一杯伸ばして何とかキスが届く。言われてみれば、騎乗位の場面ではヒロインの体のみにフォーカスするショットが多かったけど、正常位では2人のイチャイチャ感がより増しててドラマチックですね。それと同時に意識させられる体格差の魅力。正常位で男が上にいるはずなんだけど、ヒロインが見下ろしてるようにも見える “思い切って告白して良かった…” のコマとか激エモ。そして胸が大きい。長瀬くんの体が挟まれるというか、埋もれるような印象で最高。

『いもーとワーク』森シンリスク

 タイトルでもう笑ってしまった。こんなシンプルなダジャレなのに考えたことなかったw 笑ったんだけど、最後まで読むと本作で行われたことがすべて「妹の仕事」だったと明らかになるので普通にうまい。ただのダジャレじゃなかった……。
 新刊発売記念のショート読切なんだけど、キャラもシチュエーションもシンプルに絞ってあるのでむしろ良いというか、ショートならではの良さを感じる。妹と兄がちょっとふざけて軽口叩く場面とか2人の仲の良さが出てるし、そこでのヒロインのポップな可愛さが絶品。エロとのギャップも映えるし、エピローグで再び軽すぎるノリに戻ってオチがつく感じも最高。

『ちょろいお金の稼ぎ方』葉科たまき

 食事止まりのパパ活をしてたが、食事で終わるはずもなく……。学校での制服の場面で始まり、待ち合わせ現場では私服なんですが「こんな高校生イヤだよ」というか、金持ってそうな感じで、その金の出所がつまり……。彼女は戦利品を身につけてるわけで、このビジュアルそのものが彼女のキャラクター表現となってる。すごい面白かったし、それが開幕2ページ目なのですごくスムーズ。単に制服のまま話が進まないのが意外だったんですが、それ故の味わいがしっかりある。おそらくヒロインは年齢を隠してるってのもあるんでしょうが、入るべきでない大人の世界に入ってしまったということなんでしょうね。
 盛られてしまうんだけど、直接エロが始まるキッカケはあくまでもヒロインの了承。盛られた影響で判断能力が怪しいというマジレスもありますが、あくまでもヒロインが金に目がくらんだため、という入りが面白い。快楽堕ち的な話ではあるんだけど、快楽堕ちは今回の件についての満足と次回の約束に繋がるに過ぎない。お金とリスクを天秤に掛けた結果としてのエロ。盛られた件がなかったら普通に健全(じゃねぇよ)なパパ活だったと言えるバランス。快楽堕ちだけど、分からせられるというよりは、「こういうプランもあるよ」と教えられる感じ。今回のおじさんはプレゼンに近い。実際は全然対等じゃないんだけど、まともに判断した結果OKを出す、とヒロインは自覚してるという捻れ。ここも冒頭の制服からの派手な私服という印象の変化がうまいこと効いてると思います。

『試していい?』トウ

 破局したヒロインとそんな話を気さくに出来る男友達。どうやら破局の原因は性生活にあるようで……と徐々に話が色っぽい雰囲気になっていく序盤の飲み屋での場面が最高。ヒロインの言動と表情によって彼女のキャラクターの魅力に早くも引き込まれるし、彼女が何かを隠し、何かを強烈に求めてるという謎が物語的な推進力にもなる。飲み屋で一旦引きの画になって過去作のキャラが出てくるコマがあって、ファンサービスではあるんですが、こんな公衆の場でエロの約束を取り付けてしまう、という飛躍が非常にドラマチック。日常から非日常へのジャンプでぶち上がる。
 謎と言ったら大げさだけど、彼女の言ってたことを確かめるようにエロパートが進行していくので、プレイの一つ一つについて意識が高まるというか、より相手のことを知ろうとする姿勢、コミュニケーションとしての強度が高まってる印象。キャラと物語があるからこそエロシーンの魅力が増してる。
 要するにMの疑いがあってそれを確かめていくんですが、男側が “やりすぎた…” と後悔すると彼女は笑顔で……と事故的にずるずるとエロが制御不能なほど加速していくドキドキ感。ヒロインがめっちゃ逸材で、どこまでも楽しめるクチだったと明らかになる話で、絵的な描写としては当然そこがメインなんですが、話的には同時に男側のSとしての才能が開花していく話でもありますよね。ヒロインの予想外なまでの変態度に感化される形で沼に引きずり込まれていくというか。ヒロインはひたすら満足する(ちょっと物足りないレベルw)のに対し、迷いや葛藤、そして成長(変化)といったドラマ的な要素は男側。Sの才能がない身としては「そんなこと思いつきもしないよ!」となるプレイが繰り広げられるんですが、それらがどれもその場で思いついたもの、というロジックというか前振りがしっかりあるのが良かったです。自然とそういうプレイに行き着いてしまったという流れがすごい。ポップな印象もあったタイトルが本編読んだあとだと味わいが増しますね。
 序盤から少しミステリアスな雰囲気もあるヒロインで、それがちょっと闇的な印象にも繋がってたんですが、エピローグで一気に超可愛い乙女(ただし変態)の顔を見せるのがずるい。セリフが違ったら普通に可愛いラブコメとして成立してしまいそうw

『おためし彼女ちゃん』雛原えみ

 「ためし」タイトルが連続。珍しいですが、『試していい?』はプレイ内容で、本作は恋人関係。
 大学で授業が同じだった子に好かれる。地雷系とかぴえん系という類だと思うんですが、依存度高そうでちょっと不安になる。そういう第一印象だったんですが、そうではない奥行き。属性として強烈だからステレオタイプに描いても全然面白い作品にはなると思うんですが、キャラクター造形の精密さ、解像度の高さがめちゃくちゃすごい。「これ読切でいいんですか?」とか思ってしまうレベル(どの作品もそうではあるんだけど)。
 イメージ通りな面もあるんですが、彼女にアホみたいに詰め寄られる生活に主人公がツッコミのような反論をすると、はつゆちゃんから理屈で返ってくる。話せば分かる子である以上に、話したらめっちゃ頭良い子。「おためし」と称して彼女は迫ってくるんですが、要するにプレゼンなんですよね。そのプレゼンが単なるエロスキルとかそういう話ではなく、それ以前の話し合いの部分でもう主人公は負けてるというか。ちょっと納得してしまい、そのままエロに至る。主張のぶつけ合いの果てにセックスがあり、その主張対決の勝敗がそのままセックスの勝敗とイコールである、というのはバトル漫画と同じ図式だったりするのかな。いや、セックスの勝敗って何だよ。体の快感だけでなく頭で彼女のことを受け入れちゃってるのに、その上セックスがその理想通りのものなのでもう拒絶できるはずもなく……というズルズル引きずり込まれていく(が不快じゃない)感覚が絶品。キャラクターと物語と、その土台の上にあるエロというバランスが最高。
 エピローグ。はつゆちゃんが意外と社会性もしっかりしてて強いw 入るサークルが違ったらオタサーの姫になってたかもしれない……とか妄想が広がるんですが、その彼女の自分以外との人付き合いを見て主人公が思わず嫉妬、というのが微笑ましい。ホレた弱みじゃないけど、普通に良い話なんだけど、どこか「負けた」感があるw

『ごめんなさいの世界から』アサオミ志群

 仕事に忙殺されたOLがトラックにひかれてしまうが、それは天使の手違いで、生き返った代わりにバグった世界で1ヶ月過ごす。要するに主人公が謝ると相手にエロいことをされる。催眠とか常識改変に近いノリではあるんですが、世界が丸ごと狂ってる中で主人公はまともなまま過ごさないといけない、という舞台設定が面白い。不条理にエロが発生する便利設定でもあるけど、彼女の不幸の根源は「すみません」にある、というテーマ(?)は結構深いというか、これでエロがなかったら普通に優れたショートショートになってた気もします。
 ……というのは考えすぎで、第一には「謝ってる女性ってエロいよね」という感じなのだと思います。こんなんいくらでも暴力的な話にできるのに、こんだけ突き抜けたギャグみたいな話になってるのが不思議なバランス。「謝る」がエロへのトリガーとなってるので異様にテンポが良いし、日常の中に突発的に生じるエロ(=謝罪)、というバリエーションも面白い。
 物語的には主人公のことを「センパイ」と慕う後輩の杉本が出番は少ないながら良い味出してるんですが、彼は唯一主人公に対して謝る存在なので、彼とエロに至ることはないんだろうなぁw

『Hの後にはIがある』京のごはん

 彼氏の家で期待してたら彼氏が塾に行ってしまったので彼の兄貴にちょっかいを出す。兄貴が良い感じに舐められやすいタイプで、それ故に主人公の中でスイッチが入ってしまう、という助走パート好き。最初からそういうつもりで近づいたのではなく、話してるうちに彼女の中で魔が差し、 “……ふーん” となる。兄貴が意外とまともというか、兄貴と主人公の会話がすごい生き生きとしててそれだけで面白いし、その流れの中でヒロインの中(だけ)でエロの発想が生まれてしまう。
 ヒロインは逆転負けフラグ立ちまくりなんですが、兄貴との会話が妙に楽しいので、意外とダークな雰囲気にはならない、なりきらないのも好き。本作はたぶん「分からせ」の括りでいいと思うんですが、こんな読み味になるとは意外でした。
 兄貴が逆転するので、言葉責め的なことにもなるんですが、その内容が終始マジレスというか、妙に理屈っぽい攻め筋で、それがヒロインを堕とすことになる。もちろん兄貴の言い分にもおかしいところはあるんですが、そもそもの出発がヒロイン側の調子こきにあるので、帳尻はとれてる気もする。エロの相性もあるけど、兄貴との会話が息ぴったりすぎるので、「弟よりもこっちの方が……」的な印象を読者としても持ってしまう。

『マスクに隠れて』ちょりもっき

 アイドル(感染症蔓延で休業状態)の幼馴染と。ちょりもっき先生の作品は前もそうだったんですが、とにかく顔が良い。顔が強い。目が強い。こちら(主人公)を見つめる瞳に宿る意志の強さが感じられて圧倒されるし、「あっはい 好きです……」と屈服させられる感覚。今回は特に、お忍びアイドルという話なのでマスクが重要なアイテムとして出てくるので、自ずと目がフォーカスされる。多くの場面でそうなんですが、やや下から上目遣いで、つよつよ目力で見つめてくる、というキラーショットの連発。初々しくイチャイチャ度の高い話にふさわしく挿入は正常位のみなんですが、そこでも下から見上げる形でしたね。下からなんだけど、どう考えても彼女の方が強い。強いけど別に支配的という感じではないバランス。基本的には激甘なんですが、とにかくヒロイン(の意志)が強い。見つめられると吸い込まれるような、それでいて心を見透かされるような印象。そんな立場の主人公が振り回されるんだけど、それでも対等な関係性というのをヒロイン側が意図的にコントロールしてるというか、そこにこだわってるような気もしました。

『純愛ビッチ』Beなんとか

 ガチビッチ。ギャルに一目惚れされその場で付き合うことになる。とにかくキャラが濃くて、それに振り回される関係が魅力的。言動が突飛で、それでいて超エロいんだけど、純愛であることに疑いはない。まぁ、たしかに純愛だけどドエロな関係に至るカップルがいても理屈上はおかしくないよな……と強引に納得させられるw
 ヒロインのムチムチの肉感が最高で、それを際立たせるのが体格差。身長差ではない体格差ってのが新鮮。主人公は陰キャで細くて小さいんですが、そんな2人が挿入しながら抱きしめ合う場面の肉体的なギャップがすごい。おねショタとかだと割と見かける対比ではあるけど、陰キャとギャルという作品でそれをやってるのが好き。
 Beなんとか先生なのに男がマッチョじゃない、と最初に確認するように驚くんですが、主人公が自分のふがいなさを痛感し、筋トレを始めることを決意するエピローグがつくので笑った。かと思ったら最後になっての続編告知。まさか、続編では筋トレの成果が出るのか!?(そんな先の話になるかは少し怪しいですがw)

『ひとり+α暮らし』みやぜん

 ひとり暮らししてると家出した従妹が泊まりにくる(親公認)。なかなか主人公がペースを握れない関係性が魅力的だし、それがエロが進むにつれ崩れていくのも良い。ヒロイン持参のゴムを主人公が付けようとするが使い方に自信がなく……というくだりとか絶品でしたね。ゴムがエロへの期待の象徴として使われるのは割とよく見ますけど、ヒロインが持ち出したからこそ男側の準備が足りない、という悲喜劇。そこからヒロインが手ほどきするのではなく、互いに初めてだからゆっくり一緒に進めていこうとなる展開も超良い。ここらへんキャラクターと会話の魅力が素晴らしいですね。
 挿入へと近づくにつれ、主人公が暴走モードに突入していくんですが(その気配は前半からあったw)、暴走時の言動がただエロくて暴走してるのではなく、好きという気持ちが暴走してるのが面白い。 “俺はもうダメになってる…っ” のセリフとか本当に素晴らしかったですね。暴走して理性を失ってるのでちょっとおかしい場面ではあるんだけど、暴走しながら言ってることがひたすら「好き」の表現になってるのが微笑ましい。

『充血式カイロ』かるま龍狼

 寒いのでおじさんのチンポ握って手を暖める。「恋人の手を握るならロマンチックだったのにな!」という設定で相変わらず最高。狂った常識の中のちょっと心温まる日常風景、という作品の温度がテーマと一致してるのも良い。バス停で一緒になっただけという他人の2人の距離が徐々に近づいていくくだり、 “直に触ってもいいですか?” のコマとかほっこりする日常であると同時に少しドキッとする感じで最高。そこでもキャラクターも雰囲気もスケベになりすぎない(絵として描かれてることはエロいのに)のが絶妙ですね。手と口でのプレイが「暖めるため」という目的なので何とも愛おしそうに、ヒロインが軽く陶酔してるような印象でエロいし可愛い。
 からのバスに乗ってから。見方によっては寝取られみたいな展開を挟んでからの再開。本番を迎えることになるんですが、バスの揺れで入っちゃいそうになり、そのままゆっくり焦らすように入っていくのがエロいし、ヒロインのキャラクター(初めてで怖いけど興味はある)とマッチしてて最高。狂った世界の日常ではあるんだけど、エロのおいしいところは的確に押さえてる印象。
 エピローグ。ヒロインの彼氏が登場してのしょうもないが、タイトルにも関わるキレイなオチ。ここだけノリとリズムが完全に4コマ漫画でしたね。weekly快楽天での新作も楽しみだぜ(と思ったら最新号に載るよ)。

異世界はこう抜く Extra』F4U

 単行本発売記念の番外編ショート。とはいえ、本編もショートなのでお得感。さすがに客は出てこないけど……と思ったらしっかりオーガズムオチが待ってるので笑う。ここらへんの屁理屈力は本シリーズのすごいところだと思う。
 まくら嬢のちょっとした表情とか超可愛いんですが、私としてはボーイくんの合いの手も推したい。彼のキャラクターはちょっとした発明レベルだったと思う。ホント好き。
forms.gle
 終わり。次号の感想を3日で書けるとは思えないので、快楽天感想のみを読んでる人はもう年越しです。あけおめ!(早い)
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