北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.18の感想

 やはり映画サークル的なものには入っておくべきだったかもしれん……と突如とした人生の反省。
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『女友達と』ミナギリ

 同じ映研の女友達と関係を持ってしまった2日後。風邪の見舞いに来てくれた際にそのまま……という感じなんですが、翌日でもなく2日後というのがすごい。やっちゃった翌朝ではなく、やってヒロインはすぐ帰って、翌日は丸々独りで過ごしてからの再会。日常に戻ったという線引きがあるけど、そう簡単に割り切れるはずもなく……という気まずさ。童貞卒業前の、声高に童貞を主張するキャラを当たり前に継続してしまって墓穴、というのもリアルすぎて笑った。ああいう居心地の良かった自分のキャラに振り回されるというか引きずってしまう感じあるよなぁ。そんな童貞主張のペルソナを被り続けた別の人が現れる、というギャグ的なオチも好き。昨日(一昨日)までの自分そのものですよね。その滑稽な姿を直視することで自分が恥ずかしくなる、みたいな羞恥心。セックスは人を変えるなぁ……。
 気まずい雰囲気からエロへとシフトしていくんですが、そのキッカケが主人公の逆ギレみたいな感じなのも妙にリアル。童貞マインドが抜けきってない野郎の悪いところが出てて好き。そんな逆ギレによる挑発に対してヒロインが “別にいいけど” と乗ってくることで決定的に事態が動く。主人公としては動揺とか気まずさの延長線上って認識っぽいし、初読時にもそんな印象ありましたが、冷静になって考えると彼女もめっちゃ意識してたし、何ならアレ以来の再会に対して期待もしていた、ということですよね。童貞発言で主人公は墓穴を掘ったけど、ヒロインも “趣味に恋愛持ち込むなっつーの!” で似たような墓穴を掘っていたとも取れる。男性視点の作品だけど、気まずさと「2度目」の緊張感は男女共に感じているのが伝わってきて非常に良い。
 ヘッドホンをして映画を観たまま……というのも冷静になって考えたら「そうはならんやろ」って感じだと思うんですが、2人ともパニクってどうかしてたんだと思います。照れ隠しとその異様さに気づく余裕のなさ。そもそも映画好きなら映画観ながらセックスすんなよって話ですよね。そんな間違いと欺瞞を抱えたままずるずると……という関係性が魅力的。もっと簡潔に2人の関係を整理&確認してからセックスするのが健全かつあるべき姿なんでしょうが、必ずしもそう理想通りには進まないよなぁ。という生々しさ。人間の情けなさという生々しさはあるんだけど、映画好き同士で、自分の趣味を100%理解してくれる相手との関係ってのはオタク(映画に限らず)にとって夢のような話でもある。そんなリアリティとファンタジーのミックス具合が絶妙。

『むぼーび!+』どじろー

 後日談ショート。奇しくも本作も女友達と関係を持ってしまったその後の話ですね。まぁ、本作は高校かつ幼馴染でもっとラブコメ的な微笑ましさが魅力なので対照的とも言える。
 いざ恋人になり、日常的にセックスをすることになったということでゴムの補充が必要……というオープニングが熱い。計画的にセックスすることの象徴として最高のイベントですよね。それを察しつつ見守るコンビニ店員のモブも良い味出してたと思います。話の本筋と絡むほどの出番ではないけど、「若いっていいわね」的なリアクションが素敵。
 全6ページなんですが、がっつりとしたエロシーン、挿入描写はあえて省略して、その前後を丁寧に描く、というアプローチも面白かった。思い出に残るようなセックスは前作での出来事で、これからは当たり前のようにやりまくるので記憶の詳細度が違う、という意味でのリアリティになってたと思います。単純に想像の余地があって読んでてエロいって側面もありますし。

『常識改変活動記録』角煮煮

 #14「特別ゲストはご主人様」。前回の続きで舞台はテレビ局。今度の相手はアイドルグループなんですが、以前の公園回にも登場した子が再登場するのでシリーズの総括感もほんのりとする。
 今回の特徴であり見所は何と言ってもグループ感でして、同じ衣装の複数の女性がそれぞれポーズを取る場面とか見事でしたね。衣装の見せ方、使い方に個性と工夫があって超好き。多人数プレイという良さもあるけど、衣装という要素でアイドルらしさをこれでもかと強調してくれる。
 そして、エロパートとは別に、冒頭とラストに差し込まれる別の物語。催眠男を追う2人の女性。 “絶対に奴の視界に入らないこと” としっかり戦略を立ててるのがめっちゃ良かった。能力者相手のバトル展開としてかなり全うというか、本格的。
 作戦成功というラストシーンで次回最終回なのかな? という終わり方。作戦に説得力はあったので成功するのも分かるんですが、「もう既に催眠状態」という可能性も捨てきれないよなぁ……。本シリーズはオープニングの日常が崩れる飛躍の場面に工夫があって好きなんですが、今回のエンディングはシリーズ初のクリフハンガーということで、ここにも何か仕掛けがあるんじゃないかしら……と身構えてしまう。


 終わり。次回のweekly記事までにゼロス記事を更新できてたらホメてください。そのつもりで進めてるんですが、どうも進みが悪いw
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