北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.11の感想

 今日の花粉症(の症状)、鼻水もすごいが、くしゃみもすごい。くしゃみのしすぎで腹筋痛い。
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『先輩彼女はダメかわいい』橙織ゆぶね

 先輩彼女が引きこもりって感じでしょうか。通い旦那みたいな状態なのでヒモとはちょっと違う。
 ヒロインのダメ性が目立つし、その人間臭さを煮詰めたようなキャラクターがタイトルの通り可愛いんだけど、変人なのはヒロインだけではなく彼氏の方も負けてない。 “ダメ人間を僕なしじゃ生きていけなくするのがいいんですよ” という動機は笑った。「頼られると嬉しい」くらいだったら当然の心理だと思うんだけど、度を超してるw
 てか、一応本作の主人公(語り手)はヒロインの方なんですよね。「ヒロインの変人性を愛でる」がエロ漫画的な魅力なのは間違いないんですが、物語的には「こんな私を好いてくれる後輩」という感じ。ここまで女性側に都合が良い作品は結構珍しいかもしれない。まぁ、結局のところ、互いにクセのある男女がイチャイチャしてる、という話なんですけどね。それぞれが変人だからこそ、それぞれ替えの利かない存在、という関係性が際立つ。ラストシーンのまったりしつつドライでもあるんだけど、めちゃくちゃ甘い余韻もある。このバランスが絶妙だったと思います。2人だけの世界というか、2人にとっては完璧な世界。言ってしまえば共依存的なんだけど、それを明るくポップに描いてるのが最高。
 いざセックスが始まって互いに裸になると、ヒロインのダメ人間性がパッと見では分からなくなる、という絵的な効果もあったと思います。そこでヒロインの言う、 “私を女だと自覚させられるのは” “月モノか君くらいのもんだぞ…ッ” というセリフ、めちゃくちゃ良い。超好き。「愛してる」の言い換えとしてめちゃくちゃ気が利いてる。こんなこと言える相手、言われる相手とかもう最高の存在でしょ。良すぎる。

『恋してミッッシングメイド』タコヤキロック

 ビーストでのデビュー作の後日談にしてスピンオフ。新キャラのメイドを通して前作カップルの姿を描きつつ、彼女が旦那様に弄ばれる。最初旦那様も新キャラかと思ったんですが、読み返したら前作にも旦那様出てました(印象が違いすぎるw)。娘との関係性というのも前作で描かれてるからこそ、本作の最後にあのオチがあったんでしょうね。
 とはいえ、続編なのでエロ漫画としてのジャンルが大きく変わるというアプローチが面白い。そして、本作のヒロインが酷い目に遭うようになった原因は前作カップルが結ばれたから、というのも物語の拡張の方向性として面白い。本作ヒロインにとってのBSS的な失恋も混じってるのが良いですよね。前作はかなり甘さ爆発な作品だったんですが、そこに別のメイドを加えるだけでこんなにも毛色の違う物語へと派生するとは。
 あと、続編らしい小ネタ(?)的描写として、お嬢様の指さしポーズが見れたのが嬉しい。印象的というか、作品を象徴するようなカットでしたよね。広告ページとおさらいページでも多用されてたけど、多用されるのも納得。

『ララノア姫の土産話』かぜぱな

 エルフの姫が異世界(埼玉)に転移したら、山の上のラブホテル。そんな『ララノア姫の受難』の後日談。設定の時点で面白いんですが、作品の魅力の本質としては、2人の認識にズレがあり、互いにそのズレに気づかないまま進行していくところにあったと思います。本作では姫が元の世界に戻ってしまうので、そのオモシロは解消されるのかと思ったら、埼玉での体験を報告する姫と、それを聞いて誤解する騎士、とすれ違いの構図が新たに生み出される。最高。本作のキモはここにある、と作り手も意識してくれてた喜び。前作の続きであり、物語の最終的な着地を描きながら、前作の面白かったところを再現してみせる。すごい芸当なのではないかと思います。


 終わり。来週のweekly記事までにはゼロス記事を終わらせたいです。
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