北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.45の感想

 めっちゃ寒いです。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『ドピュドピュ・オブ・ザ・デッド』すずのもく

 前編。全部で3回だそうです。内容としては、タイトルの通りゾンビもの。weeklyでゾンビというと以前に『リビングデッドの夢』という作品がありましたが、タイトルの付け方が1本の映画に集約されてて面白い。あちらはゾンビを用いたストーリーが見事な作品でしたが、本作はむしろジャンル映画としてのゾンビものって感じですね。定型とお約束があって、それにエロ漫画というフィルターを通す。冒頭の場面、委員長だけ名前のクレジットがないのとか、一目で「最初の被害者ですね」と察しが付く。そこにお手本のような死亡フラグセリフを加えてくるから最高。この段階(3ページ目)の時点で本作のノリが何となく把握できる。1ページ目ではまだゾンビものとして怖い雰囲気あったんですけどね。
 全3回らしいこともあり、登場人物が多い。ある程度ボリュームがないと成立しないバランスだと思います。その人名がすべてダジャレになってる徹底ぶりも楽しい。当然「この中で生き残るのは……」みたいなハラハラ(ワクワク)も生じますね。ゾンビとエロ漫画の相性の良さを感じる。
 委員長はルール説明のために犠牲になった感があり、その後、物語的な本話のメインは顔良しとツンデレ。甘酸っぱい恋心がゾンビ化によって崩れていくくだりが切なくもあり、ゾンビ化して行うのがエロなのでそこまで暗くはならないというか、ゾンビ化しなくてもいずれはこうなってかもしれない、みたいな楽観的な印象もちょっとある。
  “ゾンビ化すると射精も際限無くなるのか… 凄いな…” に対して “凄いのか…?” と倫絶くんが返すんですが、名前からしておそらく彼はゾンビ化しなくても際限なく射精できるってことなんじゃないですかね。もちろん一般会話としても成立してるんですが、いかんせん絶倫なので。彼がゾンビ化したらどうなってしまうのかも気になりますが、彼ならゾンビ化しないままゾンビと戦い続けることができるのかも……みたいな期待も膨らみます。戦うってセックスですが。

『筋トレをやめないで』三左わさび

 親の再婚を機に姉との生活が始まる。煩悩を沈めるために筋トレに励むが、彼女は筋肉フェチだった。詰んでるw 筋トレ自体がセックスアピールになってるというのは良い矛盾。互いに弱点みたいな存在になってて面白いんですね。2人は似た者同士なんだけど、我慢するか否かの点が違っていて……と最後まで筋トレが物語の軸として存在してる。単に女性のフェチを表面的に描いただけではない良さ。
 姉さんは我慢してなかったんですが、その象徴として下着をくすねて嗅いでいた件がバレる。ここで “同居した晩からずっと♡” と言うんですが、同居した晩からだと筋トレはまだ始めてない段階ですよね。筋トレ前から彼に好意を抱いてたというか、煩悩を抱いていたと思われる。元々ある程度マッチョだったとも考えられますが。とにかく、そんな彼が筋トレしてフェチも満たすようになったら……と思うとすごいですね。都合が良すぎる義弟だw
 筋トレと我慢というテーマが良くて、シンプルな話ながら “筋トレなんてやらなければよかった!” の場面、そのセリフから一気に次にステージに移る雰囲気の変化がドラマチックで何なら感動的ですらある。フェチを満たす享楽的なノリがもっと前面に出るかと思ったら意外とエモも強い。
 主人公が攻めるようになってからは筋肉を用いた、ヒロインを潰すような体勢が多くなってるのも良いですよね。彼女のフェチが満たされる良さでもあるし、主人公の溜め込んだ煩悩の化身である筋肉を使った彼女のことを全力で抱く、というのにドラマを感じる。甘い話の割には激しすぎるんですが、そのイビツさにも意味があるというか、独自の味わいになってると思います。

『常識改変活動記録』角煮煮

 #10「肉便器のつかいかた」。ついに2桁突入ですね。
 今回は、最近多い前話の続きパターン。フード男が直接何かするわけではなく、前話で改変した世界のその後を覗き見る。催眠によって一変してしまった世界の狂った日常、という感じが面白い。単純に自分がエロい思いをしたいってだけじゃないですよね。世界に悪意をばらまいてるというか。
 今回は特に、直接エロに興じる2人以外の存在も大きくて、どこでもやってしまう2人に対して多少迷惑は感じているものの、通常ではあり得ないほどに受け入れてる。その異様さが面白い。催眠の規模がデカすぎる。短い読切の催眠ものだったらこういう切り口はなかなか難しいと思うので、シリーズものならではの魅力だと思います。


 終わり。来週のweekly記事までには快楽天本誌の方の感想も終わってる……はず。
kitaku2kitaku.hatenablog.com