北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.06の感想

 海外在住のツイッターのフォロイーが今日『リビングデッドの夢』のことツイートしてて驚きました。komifloは読めないよね、たぶん。無修正なのかなぁ。いいなぁ。
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『リビングデッドの夢』モモヤマハ

 予告の段階で「ゾンビ!?」と心底驚きました。さらにはモモヤマ先生でもっかい驚いたんですが、蓋を開けてみたらめちゃくちゃ面白かった。ゾンビ世界における生者同士の恋愛とか、ポップにデフォルメされたゾンビとの恋ではなく、かなり容赦なくゾンビ、死者という設定を打ち出してくる。腐ってるし、冷たい。最初にフェラという「食われる」恐怖に直結するプレイが出てきたのも容赦ない。表面的にゾンビという設定を使ってるんじゃないですよね。それは物語的にもそうで、ラストの衝撃がすごい。ゾンビという設定を活かした仕掛けになってて見事でした。冒頭の “土葬は禁止された” というモノローグは世界設定の説明かと思ったら、ラストの展開に向けた伏線だったとかマジすごすぎでしょ。
 おそらくゾンビ設定は他の雑誌だとさすがに扱いにくい、という事情があったんですかね。weeklyだとサバイバル刃先生の『孤独のカルテ』とか、komifloオリジナルだと平間ひろかず先生の『ちいさなてのひら』とかと並ぶラインだと思います。自由度の高さという個性は武器になるでしょう。
 男側のめんどくさい心理とか、決してキレイなだけじゃない感情の中で没頭するようなセックスとか過去のモモヤマ作品と比較しても通底するものはあると思います。モモヤマ先生の代表作が生まれちゃった、みたいな雰囲気すら感じます。ゾンビの人ってなると語弊があるので少しアレですが。初めはモモヤマ先生がゾンビやるのにピンと来てなかったんですが、文句なしのモモヤマ作品だったと思います。自らの考えの甘さを恥じましたw
 とにかくゾンビ設定じゃないと出来ない物語になったのがすごい。セックスの盛り上がりと、過去の秘密、そして主人公の真意。初読時、前半のパートでゾンビ設定に驚いたばかりにその先入観ですっかり騙されたというか、完全に誤解してました。すぐにもう一度読み返したくなるタイプの作品ですね。一応セックスに発展するのは主人公も想定外だったらしいので、そこは少し微笑ましくもあります。
 てか、たった20ページしかなかったことにも驚いてます。濃密すぎるとういか、情報量が多いというか、驚きとツイストに満ちたすごい作品でした……。

『こじらせクリエイト』ミナギリ

 後編。ラブホに移動していよいよ本番。一応マイクは持ち込みで、収録という体裁は保ったまま。後編の2ページ目に “スタッフの声入ってたら興覚めでしょ” というセリフがあるんですが、この特殊な状況におけるルール説明みたいな役割がありますよね。男側は喋れないというプレイ。逆に言うと、その体裁をかなぐり捨てて男側が喋り出してからが本作のメインイベントというメタな見方も出来るかな。ということで、一発出してから逆襲。言葉責めというには雑すぎる、今まで溜め込んでた気持ち(ストレス)を一気に解放するような内容。 “片手でセックス出来るか” とか、 “まだ撮るのぉ?” とか収録という体裁を守るかどうかの攻防がそのままセックスの内容に反映されてる。気持ちの爆発としてセックスが描かれるんですが、その説明というか、その象徴みたいなところありますよね。だからこそ “まあ使い道はないけど” に対する “後でまたオカズに使おうよぉ♡” という返しが最高なんですよね。どこまで行っても崩れないヒロインのスタンスが強キャラ感でもあるし、主人公が彼女のことを嫌いな理由でもある。
 からのエピローグ。主人公の賢者モードが冷静かつめんどくさい心理になってて最高なんですが、一方ヒロイン側の悩みゼロな姿勢が相変わらず強キャラすぎるw あまりのブレなさに主人公がついに諦めるというか、ちょっと彼女のことを認めちゃうラストが良かったですね。めちゃくちゃ歪んだ形ではあるけど、2人の相互理解(特に主人公→ヒロイン)が深まったような微笑ましさがある。

『はさまれるがママ』西沢みずき

 『リビングデッドの夢』とはまったく別の意味で話題性が高いというか、もはや偉業を達成した感のある西沢先生のワニマガ全雑誌掲載。最初、全部の雑誌に載ったことがあるという意味だと思ってたんですが、どうやら先日のビーストから始まった「○○がママ」というシリーズが全雑誌に載るって認識でいいのかな。ワニマガグランドスラムですね。初単行本記念の企画でめちゃくちゃすごいとは思うんですが、西沢先生は仕事量が多すぎて今更単行本1冊出した程度じゃ収まりきらないのも事実だと思います。weeklyを追っかけるだけでも「この人どんだけ仕事すんだ……」と驚いてたんですが、weeklyだけの話じゃなかったw まぁその貢献が今回の特別企画という形で報われた、という見方も出来るかも。いや、結局ここでもめっちゃ仕事してるんですがw
 んで、シリーズ。父親の再婚相手のカヲリ(30)が迫ってくる。ビースト掲載の『シコられるがママ』とプレイ内容が違うだけで展開は一緒なので、おそらくこのフォーマットで失楽天快楽天、ゼロスに載るんだと思います。ただ、『シコられるがママ』がオナホ手コキ(セーラー服)で、本作『はさまれるがママ』がパイズリ(ギャルJK)なので、おそらく衣装とプレイを変えつつ盛り上がっていくんだと思います。やっぱ最後は本番ですかね。単なるショートシリーズとしても面白いんですが、雑誌の横断という別のオモシロが強すぎるw
 最後、唐突に良い話風のオチがつくのも爆笑。主人公がデレるというか、ちょっとした成長を見せるような雰囲気になるんですが、この調子だと残り3誌で主人公がどこまで真人間になるのかも気になりますね。しかし、面白いこと考えたなぁ……。


 終わり。今週はいろいろと衝撃が多かったです。西沢先生の方はweeklyに限った話じゃないけど、weekly的にお馴染み感の強い作家なので全誌制覇はちょっと嬉しくもあります。
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