北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC HOTMILK(コミックホットミルク)2021年1月号の感想

COMIC HOTMILK 2021年1月号
COMIC HOTMILK 2021年1月号

 年内に終わって本当に良かった……(おせぇよ)。

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『お客の前ではヤバいですッ!』みうらっは

 フルカラー4ページ。今号は表紙からメガネが続くので嬉しい。
 カウンターの店で目の前に客がいる状態で店長にイタズラされる話。設定上、脱ぎは最小限だし、上半身がメインなんだけど、その限定感が逆に良いというタイプの作品。「そんなに透けたらバレるでしょうがw」と思っちゃうんですが、あれは客にバレちゃうかもしれないというヒロインの心理を反映した表現……と言うと何か説得力ありそうだけど、まぁ深く考えても仕方ないタイプのものだとも思いますw 個人的に女性のシャツ姿が大好物なので脱がないコンセプトが非常に刺さりました。

「HOT MILKY NOVEL」シノ ICHICO

 「恋とパティシエと聖なる夜♡」。連載が終わっての単話シリーズに戻ってからの3回目。今月のイラストは連載のときにお馴染みのシノ先生。連載のときは学園縛りだったので、それから解放されたシチュエーションが豊富で面白いですね。前回のおねショタとか連載時にはどうやっても不可能なコンセプトだったと思いますw
 んで、今月はクリスマスケーキ。季節ネタですね。漫画の方だと全然ないので意外でした(巻末ギャグ群はあるけどw)。本作があって良かったですね。
 クリスマスケーキを作る方の話で、恋人たちのクリスマスに対してある種ツッコミ的な視点を持つ話。いわゆる「爆発しろ」的な考えの人でも安心の設計w ただ、2人が客の恋人にストレスを溜めるだけではなく、パティシエとしての一面に惚れたみたいな話になるので意外な角度から感動的。一方、この手のシチュエーションでは定番のクリームを使ったプレイもあったりして隙がない。ちゃんとした店のちゃんとしたパティシエの使用してるクリームだからさぞクリームもおいしいんだろうな、と変なところで羨ましくなりましたw
 イラストの方は、女性器の修正回避が巧妙すぎて「大丈夫これ!?」と一瞬ビビりました。この精度の修正回避は実写では不可能ですわ。

『部族にイコうッ!!』邪神・爆乳ソードマン

 フルカラー4ページ。相変わらずすごいペンネームだ……。
 謎の原住民と遭遇し、歓迎されたはいいけど扱いがどうやら怪しい。こちらの常識が通じない相手ではあるんですが、人間である以上セックスだけは成立する、というアンバランスさが良い、というか怖いですねw ワケも分からず、言葉も分からずに犯されるんですが、全体を通じて妙にコミカルで、オチでも悲壮感溢れる場面ではあるんだけど、ヒロインの顔がデフォルメされてたり、と妙に明るいというか抜けた印象なのが楽しい。ただ、最後に無事保護されたはいいけど、孕まされたのかどうかが謎なので、そこが後引きますね。

『ハーレム・カルト』宇場義行

 第5話。3、4話が大局的な話だったんですが、今回はちょっと変則的。2話の依頼人のその後。仕置人によって復讐がなされるもさらなる悲劇が彼女を襲う……と単純な話ではなく、元々彼女の中にあった変態性に目を付けられたという感じか。そんな彼女の内に秘めたる変態性の象徴としてアナルが出てきたのが面白い。まさに秘密の穴ですね。てか、今号のホットミルク、妙にアナルネタが多いんだよなぁ。男の被虐とアナルが二大トレンドという感じでしょうか。偶然だとは思いますが「そこ被る??」という驚きがあって面白いですw
 悪役サイドに捕まり犯されるんですが、彼女が完全に堕ちる、というタイミングで主人公チームの手が回り事件が解決。ハッピーエンド……では済まない。という感じで後半戦。二部構成が面白いし、彼女が開花する様として端的であり、二部構成に2つの穴がそのまま当てはまるw
 アナルセックス完遂でハッピーエンドかと思ったら、エピローグでちゃんとクソ教師に一撃かまして終わるので良かったです。痛快と同時に、目覚めてしまった日前ちゃんのヤバさが不気味でもありますね。その怪しげな雰囲気がまた別の魅力だったりして。

『いつかまた』みずゆき

 後編。後編だけど、前回「前編」とも「続く」とも言ってないので続編もしくは後日譚的な感じかもしれません。ただ、前編が続きを予感させるような終わり方だったので普通に後編を期待してた人も多いでしょうね。強い余韻を残す終わり方と続編を意識した終わり方の区別は難しいですw(前者も好きだから困る)
 大事な部分として、前編の中で描かれたセックスはすべて回想の中の出来事なんですよね。そこが変則的でオシャレだったんですが、今回はついに現在としてのセックス。その内容が前編(過去)と合わせ鏡になるような構成になっているので本当に良く出来た前後編だと思います。是非ともセットで読みたい。
 そんな中、「あのときと違う」の象徴として出てくるのが、アナル。今号は本当にアナルが多いw ただの変態趣味としてのアナルではなく、過去と現在と対比する構成だからこその新たな選択肢という味わいがあって素晴らしいです。とにもかくにも前後編としての試みが面白い作品でした。

『シェアラブる』宮部キウイ

 前編。こっちは最初から前編と明かされてるタイプ。まぁ完全に「続く」と終わるので当然ですが。
 てか宮部先生、表紙での扱いがどんどん良くなっていくのでその上り調子が既に雑誌でのリアルタイム性あって面白いです。さらには、評価が上がり始めたキッカケがフェラ描写凝るようになってから、と誰の目から見ても明らかなのも興味深いですね。最初は1作もしくは数作限りの実験なのかとも思ったけど、今ではすっかり作家名を見ると期待してしまう信頼と実績を感じます。そして、本作もまたすごかったですねw 本作は2人の彼女と同時に付き合うんですが(双方同意のハッピーな形なのが大事)、そうなると当然3Pになってくるんですが、本番を迎える前のフェラがやっぱりすごい。前後編構成の宮部作品って物語的な意味で続きが気になったり、驚きの展開的な仕掛けがある印象があるんですが、本作は正直後編で描かれるものは3Pの本番でしかないという確信があるw じゃあ前後編に分ける意味がないのかと言うとそんなことはなくて、前編は挿入がないんですよね。つまり、1話におけるクライマックスがフェラになる。そして、3Pですよ。このダブルフェラ描写が圧巻。想像はつくし、期待もしながら読みましたけど、それでも初読時には驚きがありました。
 そんなダブルフェラに向けて盛り上げるような構成も見事だったと思います。最初にいきなり2人と同時にキスをして、その次は1人ずつのフェラ。そっからの満を持してのダブルフェラ。あえて単調なコマ割りにすることでとにかくすべての動作を丁寧に見せることに専念するような迫力を感じました。映画でいうとここぞというアクションシーンで「まだ続くの!?」という長回しになるみたいな感じですかね。もちろん後編が楽しみになるんですが、前編の段階で正直かなり満足してしまったくらいの充実度だったと思います。

『ニンニンパニック!』みぃとばん

 委員長が忍者で迫ってくる。とにかく勢いで突き進むので笑うんですが、そのギャグ的なノリがヒロイン(2人)の可愛さの強調になってて魅力的でした。ギャグ単体としても満足感あるし、二度おいしい。
 細やかな機微とか完全に放棄してるんですが、ギャグに見えるまでデフォルメされた作品なので、逆に言うとラブコメ的な味わいは濃縮されてて、ギャグ的なノリだからとバカに出来ない魅力が詰まってると思います。てか、良いですよね。ドラマ凝るような作品も好きですけど、ギャグ的なノリでキャラクターの魅力を強く打ち出してくるのもドラマ性と同じくらい重要だと思います。普通に可愛いし、普通にエロいと思います。ギャグとエロは水と油じゃないんだなぁ、と感じさせれた作品。とにかくエロ、ギャグ、キャラ、この3つの味が濃くて最高。せっかく忍者で可愛い格好してるんだから脱ぐワケないだろ、という全編着衣のコンセプトもありがたかったです。初々しさを考えると脱ぐのも理屈としては分かるんですが、可愛いんだから脱いだらもったいないよね、というノリだったと思います。最後に “オレも一緒にコスプレするか…” と衣装について言及されるのもちょっとメタ的な印象あって笑いました。

『サキュバっクス☆悪魔な身体のお姉ちゃん』ナスムスビム

 おねショタ。おねショタはいいぞ。とりあえずおねショタの時点で勝ちだ(偏向)。
 ガチの姉弟関係なんですが、そんな2人が一線を越える理由として、サキュバス。元々姉→弟の好意はあるんですが、弟が思春期なので反発される。そんな悩みの中、ひょんなことから手にした本でサキュバスを降臨させてしまう。サキュバスに乗っ取られるんですが、姉の欲望を解放させる存在という感じではなく、乗っ取りの側面が強いんですよね。なのでちょっと寝取られ的なニュアンスもあったのかなと思います。最初は姉視点で、サキュバス降臨を境にそれに翻弄される弟視点に移るんですが、その視点交代のおかげで弟を誘惑するようになった姉の中身がどうなってるのかが曖昧にされる。そして、再び姉視点のモノローグが入ってくる。自分の身体だけど寝取られ的な視点でもある、という独特な作品になってたと思います。中身としては享楽的なんだけど、姉と弟の背徳的な関係というのも強調して、そこに姉の敗北感というか喪失感のようなものもスパイスとして利いてくる。ラストの弟の快楽堕ちっぷりが可愛くもあるんですが、姉の寝取られ視点としてはアンハッピーエンドでもある……という複合的な味わいの作品。サキュバスというファンタジーがただのセックスする口実では終わってなく、面白い試みだったと思います。

『本当の僕』似せ

 再び姉弟のおねショタ。それも影のあるタイプ。おねショタが2作続いてどっちもこの路線っての珍しいんじゃないですかね。おねショタって基本的に「竿役も可愛くしてしまえ」的な思想だと思うんですが、そこからさらに捻ってくるというか、こじれる。
 ショタの被虐なんですが、結構ハード系で、射精管理。それも道具でがっつり管理するタイプ。ロックされた弟の全身ショット良かったですよね。明らかにそっちも武器として用意されてる感。
 姉と弟の1対1のインモラルな関係として面白いし、それだけで見ても充分な作品だと思うんですが、事の発端として弟が彼女作った件がありまして、この話が最後に再び出てきて事態のヤバさ、姉のヤバさ、取り返しのつかなさを感じさせる。イメージとして少しだけ出てくる3Pが普通に楽しそうな雰囲気あるのが面白いですよね。実際のプレイはもっとハードなんですがw あのイメージはおそらく弟のものだと思うんですが、彼の理想が垣間見えますね。

『ご近所不倫倶楽部 ~イツキ編~』シュガーミルク

 奥様方の秘密コミュニティとしての不倫倶楽部なんですが、本作は男性視点なのがシリーズとして少し変則的。奥様たちの欲望を満たす目的なので女性が主体的なのは当然なんですが、その延長線上に男性の被虐視点があるということなんでしょうね。しかし、今月のホットミルクはこっち系の作品が多いですね。そして、当然のようにアナルも責められるし、女性側のアナルも出てくる。異様な充実度だw
 複数人にめちゃくちゃにされる話だけでも充分なのに、そこに主人公の奥さんが同席する、さらなるイレギュラー。抑圧されてた欲望が解放されるドラマもあるし、ちょっと女性側の寝取られというのもあるのかな。そこで解放された彼女が選択するのが「いつもと違う」という意味のアナルだったのも見事だったと思います。要素が多い!! ここらへんの足し算的なインフレはシリーズものならではの良さだったと思います。読切でいきなりこの混沌とした情報密度をやるのもいいけど、シリーズものだと今までの作品が助走として機能するというか。

『瀬戸さんはサボりたい!』みずやん

 サボるギャルにお仕置き……ではなく叱ろうとしてたら童貞と指摘されて逆に。からかわれ系の話になるかと思ったら、先生が思ってたよりもプライドを捨てるのが早いw 「もうそういう関係!?」と驚きつつ笑っちゃいました。SM的な関係になるのかと思いきや、先生が自発的に甘えに行くのでイチャイチャ的な良さも発生してましたよね。ギャグ的な飛躍によって猛スピードで展開していくんですが、2人のキャラと独特の関係性の魅力がよく出てて面白かったです。先生が真面目かと思ったら……みたいな捻りが良いですよね。快楽に弱いのがウケるんですが、基本は真面目でそういう側面が後半になっても見える感じがとても良かったと思います。ヒロイン優位なんだけど、対等に見える瞬間もあるし、先生の下克上的な雰囲気もクライマックスにはあって。それでもトータルでは対等もしくはヒロイン優位な関係性。それがヒロインのギャル的な魅力と相まってとても良かったです。

『たえちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第20話。本作は毎回そうなんですが、エロが始まるまでの緊張感というか、感情の曲線がものすごく丁寧でそっちが本番に負けないほどにエロい。本話だと1ページ目にかなり軽めのガールズトークが描かれて、そこから1人きりになり、2人きりになり、徐々に緊張感が高まっていって「これは……やるぞ……」という予感、確信になってのスタート。最高です。女女だからこそ男女の2人きりよりも「このまま何もないまま終わってもいい」感があって良いんですよね。体裁としては何もなくていいんだけど、2人の中には明らかにこの後の展開を意識してるようなドキドキがあって……という気持ちの静かな高鳴りが非常にエロい。
 名前も知らない関係からの「女王様/お姫様」呼びがプレイ感あって良いんですが、そんな2人が一通り終えた後に初めて名前を交わす、というのが1話としてのパッケージとして見事だったと思います。

ダイマ道満晴明

 その名の通り『オッドマン11』のダイマ。4ページのショートで宣伝漫画なので漫画的にかなり省エネというか、ワンシチュエーションで絵的に大きな変化があるわけではないんですが、それ故にかえって漫才のような会話劇が楽しいです。そんな動きはないけど、リズムよく展開する会話というのがコタツという場所とバッチリで、それが季節感あって素晴らしいと思います。前半に出たチャンネル登録者数がオチで再び出てくる構成も見事でした。

『泥酔アナルは姉の味』一弘

 またアナルだ。本当に今号多いですね。急なアナルキャンペーンで笑う。てか、タイトル、「泥酔姉は~」じゃないのも独特の魅力だったと思います。アナルは酔っぱらってねぇよ、的な部分がセンスですわ。
 タイトルで全部説明してしまう系の作品で、おかげで全ページエロと言っても過言ではないレベル。最初からヒロインが下着というスタート。じゃあ展開がないのかというと、展開として機能するのがアナルだったと思います。タイトルでバレてるんですが、「そっちに行くのか!」という驚きと楽しさがありました。泥酔して寝てる姉に挿入しちゃうんですが、挿入から射精までがわずか3コマで終了するので笑いました。味も素っ気もないw そっからのアナルですよ。アナルの良さというか、アナル作品の良さはこの「第二の選択肢」としての側面が大きいと思います。わざわざそっちに手を出さなくてもいいのに、という部分。未知なる選択肢なので、こっちはもっと良いかも……という好奇心もありますね。エロと好奇心は相性いいというか、親和性高いと思うので、そこの心理の説得力というか、その迫力、魅力がバッチリですよね。
 んで、本作は開発の魅力も丁寧に描かれてて、そこから寝てた姉が実は寝たフリだったという展開に繋がっていくのも面白い。いつの間にか開発が進んでいて、未知なる快感が発生してるので「現行犯逮捕」のあともエロに没頭する理由になるんですよね。もちろんこういう寝たフリ展開からの普通のセックスになる作品もありますけど、本作は間違いなくアナルだからこそのドラマになってたと思います。

『文学を貪るモノタチ』夏庵

 3章。合宿の続き。いよいよ1日目の夜。男女で部屋を分けるという部屋割りというシチュエーションで寝取られを描いたのが面白かったです。男子の大部屋から1人ずつ交代で「便所」に退場するんですが実は……という地獄。これは意地悪なこと考えたなぁw その交代の際に感想を言い合うんですが、何も知らないとトイレの感想だけど読者的にはその真意が理解できる。女性のモノ扱いを描くにあたって、女性が不在の場面でそれを強く感じさせる描写として秀逸だったと思います。直接のエロシーンもそうなんだけど、このすげぇ汚い話をしてる場面が負けじと精神的に来るw
 からの激動のラスト。ついに物語が大きく動く。感動的な展開ではあるんですが、時既に遅し感がハンパないので嫌な予感しかしないw

『約束よりも大切な』アスヒロ

 幼馴染。女性のが大きい体格差カップル。体格のせいで過剰に子供扱い、という子供時代のことを引きずった智くんが……という序盤が甘酸っぱくて良いんですが、そんな姿にヒロインがキュンときた結果、彼への子供扱いが再発するジレンマ。「なんでだよ」的な展開でおかしいんですが、彼のことを愛でると対等な感じがなくなってしまう気持ちもとても分かるw
 エロパート突入すると割と2人の対等感が増してくるんですが(ヒロインも初々しいから)、とはいえ背伸びしてるからこその甘酸っぱさの魅力はしっかり残ってるバランスが良い。ヒロインの体を単体で映すか、2人の体を同時に映すかで体格差を意識させない、させるのスイッチになってるのも面白かったです。ここらへんエロ漫画ならではの魅力ですよね。ヒロイン単体で映るとかなり対等感が増すんですが、エロが盛り上がって2人の心の接近とともに肉体の密着度が増すと当然体格差が強調されることになるので……というコントラストが良い。ヒロインの体に埋もれるような体勢で必死に腰を振り、そのまま果てる、というのは体格差カップルものの良さですよねぇ。顔が胸に完全に埋もれたまま果てるのとか2人の優劣関係として決定的すぎるとも思うんですが、ちゃんとその後思い出したようにキスをするので再び甘酸っぱい。逆に言うと、入れたままだとキスできないのか? みたいな不安もちょっとあるんですがw

『幼なじみLove Contorol』野良黒ネロ

 後編。前、中、後の後編。いよいよ完落ち。1話丸々使って落ちたことを認めるまでのグラデーションを描いていくんですが、単純に快楽落ちとかそういう話ではないんですよね。頭では嫌いだけどセックスしたら気持ちよすぎて好き、ではない。セックス始める前から楽しみにしてしまうし、これが最後と思うと切なくなってしまう。この頭まで落ちきってしまうまでの経緯がすごい丁寧で面白い。言ってしまえば、最初から落ちきっていて、そのことを彼女が自覚するまでの話という見方もできるのかな。この最初から落ちてる話というのは読切ではまず不可能な設定ですので、続き物の最終話ならではの魅力ですね。
 あくまで踏み台として先輩の出番があるようなもんなんですが、彼の出番だけ注目するとちゃんと寝取られ的な味わいもしっかりあるのも良い。電話の場面とか寝取られ作品として王道的な絵ヂカラを感じました。そんな繋がらないスマホ、からの最後に彼女から渡されるスマホ、という同じアイテムを使って展開も普通にうまかったと思います。あの電話の返事がアレかよ……という意地悪さw

『コスカツ!』雨宮ミズキ

 男2女1のカメラ研究部(研究会かも)の話。コスプレROMに挑戦するも失敗のヒロインに男2人がプロデュースを申し出る。この構成だけ見たらオタサーの姫なんですが、オタクを弄ぶ姫とか、オタク2人が姫を支配するみたいな暴力性がまったくないのが新鮮。ものすごく幸せなオタサーの姫構図を完成させてる。雨宮先生、前作は双子ヒロインものだったんですが、同じ3Pでも全然違う関係性の作品になってて面白い。正直(ヒロインを愛でるのが主目的の)エロ漫画なのでキャラの立った男キャラが複数いても邪魔になりかねない危険性もあると思うんですが、これが絶妙なんですよね。冒頭のヒロイン自作のコスプレROMにダメ出しする場面があるんですが、ここでの指摘がエロと直接関係なくてカメラ研究部としてのスキルを感じるし、そこからプロデュースが始まって2人がノリノリになっていく過程が良いんですよ。 “これは… 好きになってしまう…” とか微笑ましかったです。スケベ心全開なんだけど、そこに暴力性がなく、2人の間で争わない感じも意外でした。そんな2人を見たヒロインの “なんか二人とも仲いいなー…” とか3人の関係性として象徴的でとても良かったです。あのノリのままエロに突入していくのが本当に魅力的。
 やりまくった果てにヒロインが言うセリフが “これで私も売れるかな…?” だったのも最高。彼女は彼女でそれなりに乗り気なんですよね。この男2の支配的な構図にならないギリギリのバランス感覚がマジすごかったと思います。こういうのめっちゃ好きだわ……と自分の性癖を自覚したというか、気づかされました。

『無表情の裏側』雪咲みあれ

 家庭教師として勉強を見てあげてる子と。タイトルにもあるように、何考えてるか分からない、けど明らかに好意を寄せてきている、という序盤のくだりがとても良かったです。ちょっとだけ不気味な感じもあるんだけど、それが魅力に繋がっていて、疑問に感じながらも彼女の魅力にずるずると落ちていってしまう感。やっぱエロ漫画の醍醐味の一つとしてこのずるずる感ってあると思うんですよ。日常が脆くも崩れ、未知の世界に足を踏み入れてしまう感覚。 “この扉を開いたら彼女はどんな顔で待っているんだろう” の場面が象徴的でしたよね。扉の中へ入るという行為がとても象徴的。
 完全に先生の主観で進行するのかと思ったら、意外とエロパートが始まったらヒロイン視点の描写が増えるのも新鮮。ここすごい特徴的でしたよね。まぁ、そのヒロインの心理というのがタイトルそのものってことなんでしょうが。無自覚な彼女の魅力に落ちていく魅力もあるけど、ヒロイン側の初々しい感じも描かれていて、それが交差するのがとても良い。ブルマ披露の場面とか互いの本音と建て前が同時に描かれていて面白かったです。よく考えたらタイトルの「無表情」は先生のことも指していたのかもしれません。

『みこかつ』まんす

 クラスのマドンナが実は年上好きで、いよいよパパ活デビューする話。学校の場面ではモブ男子視点でフラれる様子が描かれるんですが、夜の街の場面になると徹底的にヒロイン視点。ここがまったくブレないどころか、セックスが終わるまでとにかくヒロインが主体的なんですよね。そのまま理想的なパパ活デビューを終えて……という話。題材的によく考えたら闇も感じるんですが、その闇を除菌したセックスファンタジーになっててとても楽しい作品だと思います。ヒロイン視点の作品だからオッサンの「こんな子と出会えたらいいな」的な感じでもないんですよね。ここが特徴的だったと思います。初めてのパパ活なんだけど、セックスは彼女が主体的。そこに捻れはあるようにも感じるんですが、元々彼女の目的は「パパに甘えたい」なので、そのリクエストに相手があわせてくれたってことなんですよね。初めてなら喜びに溢れているんだけど、初めての側の方が主体的、という一見するとおかしな状況が成立してるのが見事なバランスだったと思います。読んで「こんな良い子に出会えて羨ましいなコノヤロウ」的な感じにはあまりならず、むしろ「理想のパパに出会えて良かったね」となるから面白いです。初めてがあそこまで理想的に成功するってのは見てて気持ちいいものがあると思います。

『慟哭の檻』唄飛鳥

 第4話。今回も徹底的に責められるんですが、特徴的だったのはヒロインが冒頭から口が利けない状況な点。喋れないんですよ。混乱とか抵抗の心理を彼女の言葉では描かない。完全にされるがまま進行していく。そんな彼女が初めてまともなセリフを発するのが、自らの痴態をビデオで見せられたとき。ここまで来てようやく彼女がモノローグで語り出す。 “悦んでる?” という自分に対する驚きから始まるってのが面白い構成だったと思います。シリーズモノで快楽落ちというテーマだと本号に別の作品ありましたけど、アプローチが大分違いますよね。そして、ラスト。拘束を解かれ好きなだけ喋れる状況になり、一旦の自由を感じるのかと思ったら、逆に心が落ちていることを自覚してしまう。それを腕の傷跡に象徴させたのが見事な演出だったと思います。めっちゃバレそうな位置ってのがまたハラハラして良いですよね。奥底の内面に秘められてるのではなく、かなり表面にまで露出してしまっているというハラハラ。

『ゲノム』古賀亮一

 クリスマス番外編ということなんですが、めちゃくちゃ面白かった……。全ページにわたって展開されるチンコギャグがくだらない、けどトリックが悔しいほどにうまい。クリスマストリビアも本作らしくオモシロ実話系、データ系という感じで興味深いし、その知識が例のチンコギャグに直結する絵面も最高すぎる。傑作回なのでは。

コアマガあほすたさんあほすたさん

 娘ちゃんの話がすごすぎる。娘ちゃんの人間完成度が凄まじい。大人にとって都合のいい子供像という感じではなく、子供が子供相手に言うロジックとして説得力があるのがすごい。よい子ちゃん発言というよりは、子供社会のサバイブ術みたいなニュアンスもあってすごい。すごいしか言えないくらいすごい。

『母性天使マザカルカノン』1億年惑星

 第38話。こちらもクリスマス。と思ったら突然バトル漫画になってるので笑った。ていうか、いつにも増して勢いが良すぎる。ギャグの手数と突然のバトル展開のテンションが相乗効果になってて最高。あんだけフルスロットルだったのに最終ページだけ突然しんみりして終わるのもずるいw


 終わり。やっと終わった。すいませんいつものことですが、本当に遅くなってしまった。ここまで遅れると一体何のために書いてるのか分からなくなるんですが、まぁ自分のためなんだよなぁ。
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 アンケート。面白かった、可愛い、ヌけたの3選なんですが、『シェアラブる』『泥酔アナルは姉の味』『コスカツ!』をどう配分しようか非常に悩んでます。保留!!(あとでちゃんと考えます)
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