北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.65の感想

 火曜が休みなの忘れてました。
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「表紙」翁賀馬乃助

 weekly名物になってる表紙の差分イラストなんですが、最近はすっかり大喜利的な方向に振れてるというか、「そういうのもアリだったのか」みたいな可能性が開いたと思います。昔は表情が変わるだけでも「やったな」みたいな感じだったんですが、最近は小道具を持ち込む始末。差分大喜利のインフレ、とても良い傾向だと思いますw
 脱ぐだけではない衣装の変化ってのは前にもあったんですが、今回はバスタオル。衣装の一種として考えるのもいいですが、今回発明だったのは時間経過じゃないでしょうか。オフィスルックにビール、からのバスタオルに牛乳。飲み会の後にどこかに行き、そこで風呂に入った後のワンシーンみたいな感じありますよね。差分イラストによってある一晩の様子を観てるような感覚になる。差分大喜利がまた一歩先に進んだ感。

『オーバーブッキング』西沢みずき

 第3話。今回は幼馴染にしてギャルの千夏のターン。ヒロイン2人が互いに対抗心を燃やしながらセックスに至るので本来の希望以上にエロが暴走するのが本シリーズの魅力だと思うんですが、本話はそこに無理して頑張ってる感が加わったのが白眉だと思います。ギャルなのにウブ。幼馴染設定と相まった魅力。本シリーズの互いに嫉妬して加速していく、というコンセプトを考えると後攻が有利というか、エロがインフレしていくので常に「前回よりも今回の方が激しい」になるもんだと思ってたんですが、本話はそう単純ではない。競争構造のセックスに本当は付いていけてない幼馴染の心理、という新たな魅力が加わる。バトル漫画でもそうだけど、インフレの回避は大事w 一応回数としてはインフレしてるんですが、明らかにエロのポテンシャルや実行できるプレイのレベルに関してはインフレ回避。それでいて、北風と太陽における太陽みたいな魅力が新たに生まれてるから見事ですね。強引に激しいプレイをすればいいってもんではない。「頑張るけど出来ない」という姿にグッとくることもある。単純にキャラクターが魅力的ってのもありますが、シリーズ展開としてのオモシロもバッチリだったと思います。西沢先生weeklyでの仕事が多いせいか、weeklyでの戦い方(短めのページ数で数話こなす)を熟知しているのではw

『雷の神』カラスちゃん

 後編。前編でもそうでしたが、圧倒的にヒロイン優位。というか神という設定らしく明らかに上位の存在として描かれてるのが魅力だと思います。逆転がないってだけではなく、そもそも対等になる要素がまったくない、と突き放される感覚。『邪の神』のポンコツヒロインぶりと比べると対照的ですね。終盤にはホラー的な演出までされて、畏敬の対象として描かれてるのも良かったと思います。ただの人外ではなく神としての側面を感じるというか。主人公が本気出す場面でちょっと逆転っぽい雰囲気も感じたんですが、その直後に背後から忍び寄る触手、というホラー演出がなされてるのが効果的でしたね。まんまと揺さぶられてしまったw
 瞳のぐるぐるとかハートマークとかが中盤までは片目にしか発生しなかったんですが、主人公が本気を出して中出し決めるとついに両目になって、と思ったらホラーw 最後の最後に怖くもかっこいい一面を見せてくれたのが嬉しかったです。可愛いの中のアクセントというか。てか、思えば『邪の神』でもラストページはやたらかっこよかったんですよね。なぜか竿役もかっこよかったんですがw

エロマンガアカデミー」

 11時限目。翁賀馬乃助先生による「絡みシーンの演出・作画」。すげぇどうでもいい話ですが、漫画作品より先にエロマンガアカデミーに登場するパターンって今回が初めてなんじゃないかしら。快楽天に載ってた広告によると翁賀先生は『元カノ失格』のアフターストーリーをweeklyに載せる予定らしいんですが。
 このコーナー毎回面白くて好きなんですが、今回はまた特に面白いというか、翁賀先生が想像以上に理論派。めちゃくちゃ語る。具体的に、明瞭に、漫画を作る実務行程、思考行程を語りまくる。本コーナー史上最大のボリュームというか、情報密度だった気がします。翁賀先生が饒舌なのか、担当さんが今回気合い入ってたのか分かりませんが、とにかく驚きました。
 ファン的には作者自身が過去の作品の「あの演出」というのを具体的に(ページまで指定w)語ってるのが最高でした。「分かるぅ~!」となったり「言われてみれば!」となったり。『ひとりぼっち×2』のセーラー服のサプライズ演出に関してはブログにその感想書いたんですが、あれは正しかったようで安心しましたw(考えすぎなことも多々あります)
 あと、最も感動したというか、翁賀作品の本質(というか私が好きな本質)を感じたのは下着の質問と苦労した思い出の話の際に出てきた、 “「そのキャラが持ってそうか」” と、 “こんな危ない女を家に上げてヤろうと思う男は共感できない” のくだり。こういう作内のリアリティというか、「これはある」「これはない」の境がバッチリあるのが魅力だと思います。 “二人をセックスに導くのが難しい” ってありましたが、その部分が丁寧なエロ漫画が私は好きです。納得できるドラマがある方がエロいと思うタチなので。
 これは別の作家でも当てはまる話なんですが、セックスの際にコンドームを使うか使わないかって1つ大きなテーマじゃないですか。「俺の世界では常にナマ!」みたいなこだわりも作家性としてアリなんですが、「このカップルがこのドラマでやるときはゴム使う(使わない)」という部分が明確な作品、作家って好きなんですよ。今回のインタビューの回答はまさにそんな話だったと思います。翁賀作品論としてもかなり突っ込んだ話になってたのではないでしょうか。


 終わり。月刊の方の快楽天感想は半分くらい終わりました。
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