北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#86 の感想

COMIC X-EROS (コミックゼロス) #86 [雑誌] (コミック ゼロス)
COMIC X-EROS (コミックゼロス) #86 [雑誌] (コミック ゼロス)

 またしても遅くなりました。毎回「今月はもう時間ないかなぁ」「いやけど意外ともうすぐ終わりそうかなぁ」という狭間で書いてます。書けば終わる(真理)。

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『ムラムラしたらおねーさんがすぐ駆けつけてくれる島』森島コン

 #2。フルカラー2ページ。ちゃんとコマ割った2ページで連載とはどういうことなのかと疑問に思ってたんですが、シリーズの雰囲気が掴めた。コマ割って新ヒロイン登場させて、決め絵がドン。ヒロインが代わる代わる出てくる魅力もあるし、大きめのカラーイラストの魅力もバッチリ。なるほど……。
 ムラムラしたショタを抜いてくれるという話なんですが、実際の描写はナシ。そう来たか。あくまでもアクションを見せる絵というよりは1枚絵としての魅力。それを盛り上げるために前半にコマ割って話を進める、みたいな完治ですね。もちろん何が行われたか気になるし、見れればそれに越したことないんですが、想像を刺激されるのも非常に良いです。構造上ショタの出番は意外と少ないんですが、ヒロイン単体としておねショタ的な魅力が充分あるのがさすがですね。

『もっと早く気付いてよ』nohito

 フルカラー12ページ。12ページってもはやショートと言えるのか怪しいボリュームですね。物語的な展開も充分だし、本番もアナルもやるし、前の穴でもやるし、体位も場所も変えるし、満足度がすごい。
 タイトル、恋心に気付いてよ的な意味かと思ったんですが、裏垢女子。仲良くなってエロ自撮りとかをもらってた裏垢女子が実は幼馴染だった。
 カラー漫画らしく髪色についての話も出てくるし、幼馴染がトイレに行ってる間に裏垢女子のDMをチェック。実はトイレでアナル洗浄していた、と続く構成も見事でしたね。カラー漫画なのに「やるだけ」になってないからすごい。アカウント名からしてアナルの予感が漂ってるのも利いてるし、対面で挿入するので、挿入しつつ前の穴が見えるという構図もエロ漫画的に大変おいしい。SNSだから自分の変態趣味を多少誇張していたら相手が真に受けてしまって、というすれ違いの妙もありますね。前の穴に移行しても、バックで突く構図があるのでちゃんとアナルが見える構図になってるのも周到です。しかも無修正。さっき入れてた穴が無修正で見れる、という状況がエロ漫画的にはかなりイレギュラーなのでドキドキします。なるほど、これがアナルの魅力なのかもしれない……。

『内緒のままで…』いづれ

 厳しい女上司に酒が入ると途端に……。ヤバい、ちょっと好きすぎる。個人的な好みドンズバすぎてヤバい。いづれ先生の可愛らしいヒロインで、キリッとしたスーツの女上司で、酒飲むとギャップで、というすべての要素が一分の無駄なく私の好みにフィットしてくる。モノクロ漫画だと1作目ですけど、ゼロス今号における優勝を確信しました。コミカルながら強引に誘ってくるくだりもマジ最高だし、ギャグっぽくデフォルメが入るのも大好物。私の好きで形成されてる作品。
 雑誌で読むのはいろんな作品を幅広く摂取できるのが魅力で、自分の好みをピンポイントで探求するつもりはそれほどなかったんですが、ちょっとここまでグサグサ刺さる作品に出会うとは思ってませんでした。好きすぎて感想の語彙が逆に減ってしまうから少し困るレベル。好きしか言葉が出てこないw
 強引にされるがままの魅力もあるし、SM的に一方的な責めもある、あるんだけど、ヒロインが好意ダダ漏れなのでイチャイチャとしても楽しめる。はぁぁ、最高かよ……。
 まだ続ける? まだ? また!? みたいな終わりの見えない繰り返し感も素晴らしかったです。いつまでも醒めたくない夢みたいな感覚。ほとんどやってる話なんですが、ヒロインの真意についてはエピローグで語られて、それを踏まえて読むと途中からヒロインの酔いが醒めてるというか、剥き出しになってる感もありましたね。ゲロあま最高。

『さすねぇ!』変熊

 幼馴染の年下男子と。ショタ的雰囲気のある彼と、自己評価バカ高なヒロインのすれ違いっぷりが楽しい冒頭なんですが、ラブコメかと思うとエロが始まるとめちゃくちゃハードなので面食らうw このギャップが魅力ですね。コメディ的な雰囲気がハードプレイが始まっても維持されるのでそこも楽しい。可愛いと思ってた幼馴染が凶悪チンコ持ってた、とめちゃくちゃにされる話なんですが、これが基本ヒロインのツッコミ目線で進む。もちろん被虐的なハードプレイなんですが、明らかにツッコミ的。エロ漫画ってプレイがハードになれば作品のトーンが陰鬱になる傾向にあると思うんですが、本作は逆にカラッとして、とにかく明るい。やられてることは「可哀想」でもおかしくないんですが、正直そんな印象には全然ならないw あれだけやられて受け止められてるヒロインすげぇ、みたいな不思議な印象にもなりました。最後まで彼のことを好きでいるし、年上としての関係性を保ちながら、最後は “この後めちゃくちゃ失神した” なので爆笑しました。

『Calico cat』桐原湧

 タイトル、三毛猫の意味だそうです。勉強になっちまったぜぇ……
 オタク先輩とゼミの後輩。ヒロインはオタクって感じではないけど、主人公及び主人公のすすめる漫画に興味を持ってくれて……と接近してくる冒頭が良いですね。2人の距離の詰め方がそれぞれ違っていて、ヒロインに翻弄されつつ気づくとエロいことになっている、という流れがとても良い。ヒロインの好意は明らかで(端から見るとw)、エロへの発展もかなり強引ではあるんですが、急にエロのギアが入った状況に対応できずに振り回される主人公ってのが作品の良いスパイスになってたと思います。ヒロインがエロいアプローチを仕掛けてきた際にもっと気の利いた返しをしてたら普通に良い雰囲気になってたと思うんですよ。けど、それが出来ないからなぜか水着のヒロインに手コキされる展開になる。主人公がイエスもノーも言えずにもごもごしてるのでそうなる。
 そのままセックスに至るんですが、ヒロインの方からゴムを取り出すのも良かったですね。2人の関係性、パワーバランスとして象徴的だったと思います。彼女がやり慣れてるとも取れるし、彼女は最初からこうなることを期待してゴムを準備していたとも取れる(正解は後者)。挿入の直前にゴムを見る(アップのコマが入る)のが引き返せないとこまで来てしまった感として非常に良かったと思います。やはりゴムにはドラマが宿る。好き。演出アイテムとして便利というか。
 挿入すると破瓜。ここでヒロインの本性がバレるというか、絶対的に優位に立っていた彼女の心の底が見えてしまう。そこで主人公がようやく主体的に動き出す(キスする)という流れが感動的。ドラマの果てにセックスがあるのではなく、セックスが始まってからドラマが本格的に動き出す。このバランスが実にエロ漫画的で素晴らしかったと思います。そして、2人が対等になってから少し余裕が出たのか水着を堪能するようなプレイに発展していくのも最高。忘れてたけど、ただ着てるだけで済ますのはもったいないですよね。

『おねえちゃんをこらしめ隊!』麻冬HEMP

 主人公がセックスに参加せずに後悔しながら勃起するだけで終わるので寝取られとかBSSに近いとは思うんですが、ヒロインに対して恋心はない。姉弟でまた色恋に目覚める前の年齢なんですが、そんなショタが大人の暴力の世界に足を踏み入れてしまう、という恐ろしさがヤバかった。私が子供が酷い目に遭う話に弱いってのもあるんでしょうが、下手な寝取られとか、ダーク路線の作品よりも全然心がざわつきました。絵柄も可愛いのもありますが、とにかく姉弟のキャラクターが可愛いんですよね。なので、最初の数ページだけ見たら「ぐへへ どんなおねショタが見れるんでしょうね……」とか思いかねないオープニングだったと思います。そうか、私はおねショタを期待したから余計に衝撃を受けたのかw 可愛い絵柄ってのは元からだと思いますが、あのキャラ付けは間違いなく意図的だよなぁ。意地悪なことしやがるw
 単なる寝取られとかと違うのは、一応主人公にも罪があって、彼も加害者なんですよね。だから罪悪感を背負ったまま、それでいてエロには参加しない子供のままの日常を過ごす、というものすっごい後味の悪いラストになる。これがマジ最高に最悪だったと思います。それこそ今年ベスト級に「やめてぇぇ!!」ってなった作品だったかもしれない。とにかく可愛いのが余計にインパクトあるんですよねぇ。

『雨が止むまで』サバイバル刃

 おねショタ。こっちは幸せなまま終わるおねショタで助かりますw サバイバル刃先生、直近で暴力的な作品やってたので「どっちだ?」と身構えもしたんですが、これは平和なおねショタ。
 雨宿りに駆け込んだ小屋の中でなんですが、外は暗いし、小屋の中なので余計に暗い。とにかく暗さが印象的な作品でしたね。雨とか雨宿りをテーマにした作品は割とあると思いますが、暗さにフォーカスしたのが新鮮で、それが作家の資質とドンバマリしたような印象です。気持ちよすぎて背景が歪む演出ありましたけど、ちょっと「これは現実なのか?」みたいな怪しい雰囲気もあってそれがめちゃくちゃ魅力的なんですよね。狐に化かされたような話だし、そう解釈する余地もなくはないんですが、誰かが枕を作ってくれた……というラストがそれこそ晴れやかな余韻になってて素敵でした。

『さいみんクエスト』背徳漢

 #3。いよいよラスボス戦で最終回……かと思ったら本編前のあらすじ紹介のページに「集団催眠編・クライマックス!!」と書かれてて驚きましたw
 とはいえ、一旦のクライマックス。つまり、本作で一番気になってた主人公の貞操問題。主人公には勝利してほしいけど、エロ漫画的にセックスしないまま終わるのも問題あるだろう、というジレンマを抱えたシリーズでその謎が作品の大きな魅力になってたと思うんですが、今回ちゃんと結論が出る。セックスはするけど、勝利する。それでいて悲壮感もない。矛盾も感じるんですが、ちゃんと納得の行くオチなので見事でした。このロジックが本当に見事で、前から感じてた少年漫画っぽさ(超能力バトルものっぽさ)も感じる痛快さでしたね。主人公が身を挺して勝利をつかむ、というのはまぁ想像もできるんですが、それでも彼女が精神的に無事でいられるのは催眠のおかげ。敵の武器であった催眠によって逆転する、というロジックが秀逸。ちゃんとそのオチが納得できるように、催眠は超能力ではなく、道具に由来するもの、と事前に提示したのがうまいんですよね。
 道具だから味方サイドも使える、という逆転の発想だったんですが、ラストにはさらに「道具だから1つとは限らない」とさらに次章に引っ張って終わる。これまたうまい。催眠ってエロ漫画だととにかく便利なモチーフなので雑に扱われてもおかしくないイメージもあったんですが、その催眠の細かい設定によって話がどんどん広がっていく。今度の敵は催眠ボールを3個も持ってるんですが、複数個あったらどうなるのか、みたいなワクワクもありますね。少年漫画でいうところの戦闘力のインフレw

『混血サキュバスの日常2』ちゅーりっふ。

 2作目。本人が望まないのに周囲の男を催淫してしまって、という悲劇。徹底的に受けというか、運命に翻弄されてる感の強いヒロインが魅力ですね。流されやすい、けどめちゃくちゃエロいというのが男の願望を煮詰めたような存在だと思います。ただ、彼女が可哀想なだけで終わるかと思ったら、サキュバスの血が覚醒するような場面もあって、という盛り上がりも見事だと思います。男が支配的でひたすら彼女を犯す話かと思ってると、要所要所で本当に支配してるのは彼女の方では……みたいな底知れなさが見えるバランスが秀逸。そのミステリアスな雰囲気がまた魅力的なんですよね。ただ、可愛い、可哀想なだけではない魅力。そんな可哀想から覚醒へとスイッチする場面で象徴的だったのが鼻血。イラマチオで鼻血を出すのはかなりショッキングで、可哀想の極みでもあるんですが、タイトルにもあるように「混血」こそが彼女の強みであって……と意識させられる。ここで分かりやすく逆転して、男側が動揺する、みたいな分かりやすさはないんですが、表情の細かい変化で彼女の底知れなさにちょっと恐ろしくなる、みたいな雰囲気が最高。
 最後のグラビアページの修正マジックも超楽しかったです。これは漫画ならではの仕掛けでしたね。思わず見比べたくなるんですが、ちょうど1ページめくった位置に来るのでビフォーアフターを見比べやすい、という仕掛けも見事でした。

『トラブル』fu-ta

 続編。ヒロインも可愛いけどロボットのワニくんも可愛いから困った。シリーズの顔はもはや彼なんじゃないか、という気もしてくるレベルw オモシロ発明ものってエロに限らず割とあるジャンルだと思うんですが、本作はそこにワニくんというキャラクターを生んだのが見事だと思います。彼が可愛いし、彼を応援すると自ずと話がエロに向かっていくので無駄がないw
 ヒロインである先生もポンコツ可愛いし、竿役の助手も普通に良い奴。エロに積極的なのはワニくんの役割なのでこっちが紳士的なキャラに出来る。ただ、先生に紳士的であるのと同じくらいワニくんに対しても友情のようなものを感じているので彼も流されるようにエロに向かっていく。3人の掛け合い、それぞれ個性の立ったキャラクターが絡み合うことで本作でしかない楽しさ、エロさが生まれてる。
 本作の見所としては何といってもワニくんのセンサー(ほぼコンドーム)を装着してのセックス。ワニくんのセンサーをチンコにセットする。もうこれワニくんとセックスしてると言っても過言ではないのではないかw 3人が同時にセックスに至るというアイディアなんですが、ワニくんとのセックスという要素がどうしても気になる。さすがにワニくんが気持ちよさそうに喘いだりする描写はなく、実況というのが近かったと思うんですが、必死な2人とそれを冷静に観察するワニくんというコントラストが利いて面白かったですよね。ただ、射精の瞬間は、やはりワニくん(のセンサー)にぶちまけることになるので、そこはやっぱ気になるw

『僕のワイフワーク』ひさぎ

 お嬢様校に勤める教師の目的は実は……。悪役目線で進行し、問題なく目的が遂行される、というある意味まっすぐな話なんですが、ポイントとしては序盤にある “この夏はこの子で決まりだな” 、そして最後の “今年の夏も沢山楽しめそうだ” 。彼にとっては至って日常の犯行というわけですよね。順調にコトが進むことが逆に意味深いというか。彼の周到さ、抜け目なさ、去年もやったし、来年もやるであろう、という作品の奥行き。この学校に来て3年目らしいんですが、ひょっとしたら初年度からやってるし、何なら夏以外にもいろいろやってそうw
 文字通り黒いモノローグで進行するんですが、その毒牙にかかるヒロインがまた可愛いんですよね。可愛ければ可愛いほど彼女は何も知らずにまんまと好きなようにされてしまう、という事態のあくどさとのギャップが生まれる。主人公の優位が1ミリも揺らがないまま終わるんですが、それはつまりヒロインは被害に遭ってる自覚もないまま終わるって話ですね。その背徳感であり、ヒロインの無垢な印象が魅力的でした。

『おとなのじかん』川島よしお

 第4回。序盤は部活ネタで8コマ漫画が3本。干物女部のネタは特に分かりやすいオチがあるタイプではないんですが、独自設定の部活の日常風景に説得力あって「ちょっと楽しそうだな」とか思っちゃう良さがありました。学園の中心ではないけど、彼女たちなりの青春を謳歌してる感あってすげぇ良い。マウント取り合うのかと思ったら仲良く食べてたりして微笑ましい。
 文芸部は逆に溜めて溜めて最後にドンとオチが来るんですが、絵がパズルのようになってオチに向かう展開も楽しいし、何より最後のコマの職人のサムズアップがかっこよすぎて笑った。
 最終ページの「眠れない夜」は4コマが2つなんですが、最初何のことだか分からなくて困惑しました。よく見たら……と気づいて爆笑。あまりに突然のナンセンスギャグというか、ほとんど化け狸。いちいち感動してくれる友人も素直すぎて可愛いです。てか、あれだったら修正いらないんですねw

『女教師が堕ちた理由 ~釜谷尚子の場合~』よこはまインカ

 単行本発売にあわせた4ページのショート後日談って感じでしょうか。セックスは描かれないものの濃厚なオナニー。良識ある先生が性の魅力に抗えずに葛藤しつつ堕落していくみたいな話なんですが、オープニングで別の先生にバレてるのでかなりヤバいですよね。事態が明るみに出るのはもはや不可避というか、破滅は近い気がしてそういうハラハラもありました。男性教師だから彼も客として取り込むってのは無理だろうし。残り時間は少ないんですが、止めるよう説得するとか、少年たちを助けるのではなく、最後の駆け込み客として彼女は再び利用してしまう……みたいな余韻で終わる。短い話なんですが、破滅の予感がかなり確定的というか濃厚に漂っててすごい面白かったです。セックスがないのも、出来ないからこそ求めてしまうって話で非常にマッチしてましたね。

『町の園芸店で、おばさんと』けろりん

 長期シリーズの完結編であり、エピローグ的な感じでもあるのかな。何か物語が大きく動くわけではなく、淡々と、日常の光景としてエロに至る。そして、最後にファンタジー設定がドカンと飛び出るのも良かったです。ずるずると誘われるがままにエロに突入すると、感情の高まりと共に最後に静かに不思議設定が広がっていき、2人のセックスを文字通り包んでいく。それに対して特にリアクションするでもないって温度も独特で良い。
 直接エロとは関係ないんですが、オナニーしてるところを犬猫に覗かれる場面が妙に好きです。単に犬猫が絵的に可愛いってのもあるんですが、知能があって見透かされてるような不思議な感覚もあってすごい好きです。遠くから見てるだけで、近づいてじゃれついてくるわけでもない、という距離感も可愛い。

『スカートの中の時限爆弾』塩おにんこ

 百合だ! ふたなりだ! 最初は女の子が女の子のオナニーを見て興奮するだけかと思ったら、ただのオナニーではなく……とタイトルの場面で明らかになるオープニングからしてもう傑作。もはや勝ち確。
 ポップで明るい、ギャグっぽい描写もあるんですが、本作の魅力は何と言っても百合感だと思います。ふたなりも良いけど、あくまでも2人が一線を越えるキッカケに過ぎない気がします。てか、何ならあの2人だったらチンコがなくてもいつかは結ばれてたのかもしれない。そんな百合感。ある日突然女の子相手でもイケる、と選択肢が生じた際の戸惑い、困惑、緊張感、そんな感情がキャラクターに宿ってるのがマジ魅力的です。さらには、お嬢様校なので基本的に品が良いんですよね。「チンコがあるからセックスできんだよ!」という乱暴な展開にはならない。それに、序盤にお嬢様校の日常というのを見せることで百合的な空気を強調したのも効果的でした。美少女が百合の花のイメージを背負う。そのまんまやんけ! と言いたくなるようなラブレター(ファンレター)の場面最高。もはやチンコなし、セックスなしでもあの日常をもっと見たくなるというか。そのくらい百合的な空気そのものが魅力的。その先にエロがあるから最高と言わざるを得ないのが現状。
 お嬢様とメイドで、メイドの方がふたなり。クールなメイドが常に攻め続けるんですが、立場が逆転というか、攻守逆転の良さもありますよね。下克上というよりは、チンコの存在によって2人のパワーバランスが逆転し、そのことで2人の立場が対等になる。トータルで見ると上下がなくなり、初めて主人と使用人という関係から抜け出す。そんな百合の関係性が良い。マジ良い。尊い……!! ふたなりとか百合とかあまり詳しくないジャンルでしたが、本格的に掘ったらドンバマリする予感しかないですw いや、本作が特別良いという確信もあるんですが。

『ツルツルでもヌプヌプ♡したい』蒼井ミハル

 おねショタであり、おっぱい。蒼井先生の王道にして真骨頂という感じある。
 タイトルにもなってる陰毛ですが、結合部のアップで片方には陰毛があり、片方にはない、というコントラストも見事でしたね。結合部のアップってエロいけど、挿入という事実以外に情報が入りにくいのでマンネリにもなりやすい印象あったんですが、本作は「これはおねショタ」と一発で分かる象徴的な1コマになってたと思います。
 ショタミーツ巨乳、という序盤の展開も圧巻。蒼井先生の作品だとお馴染み感ありますが、ショタがヒロインの体に埋もれるような展開、良いですよね。おねショタの体格差ってのもあるし、本作の場合はおっぱいの持つ圧倒的な母性も印象的でした。そんなおっぱいに対するショタの反応が困惑というか、瞳孔開いてて最高なんですが、厳密に言うと、服の中なのでその表情をヒロインは見てない。ただ、ショタの顔を見てほくそ笑む描写はあって、要するに「どうせこんな顔してるだろう」と彼のことを完全に分かってる。その優位性が2人の関係性として非常に魅力的だったと思います。裸のおっぱいに顔を挟まれるのもいいけど、服の中でというのがまた特別な良さになってました。
 てか、本作、とにかくショタの表情の変化が素晴らしかったです。ヒロインは圧倒的に優位なので表情の変化は少なく、むしろ高みから見下ろしてるような表情が魅力的なんですが、ショタの方は最初から最後までコロコロと表情が変わる。涙目になったり、若干悲壮感も含むような表情にもなるんですが、話の雰囲気としてそこまで重苦しくならないバランスなのも良かったと思います。これは個人的な好みの話ですが。

『UR☆ビッチガール』里崎

 いわゆるオタクに理解のあるギャル。なんですが、本作は主人公がサラリーマンなのが特殊ですね。ヒロインはコンパニオンで、自前OKということでゲームのコスプレをしてるんですが、主人公だけがそれに気づける。社畜の主人公がオアシスを見つけるみたいな話で、この味わいは学生設定のオタクとギャルではなかなか生まれなかったと思います。2人とも大人で、周りにも人がいることで2人だけの秘密の関係というニュアンスも強まりますし、この設定すごい良かったなぁ。この手のギャル作品、安定して好きですけど、その中でも特別なレベルになってたと思います。一介の社員とコンパニオンという立場の違いも2人のパワーバランスの形成として自然でしたよね。
 そんな中、本作で何よりも好きなのがヒロインのギャル的バイブス。要はキャラクターなんですが、ヒロインのギャル的なキャラが最初から最後まで立ちまくってるのが本当に魅力的でした。エロ漫画はやっぱりキャラの魅力があるから他のエロメディアよりもエロくなり得るんだなぁ、とか考えてしまったレベル。ギャルとしての魅力を引き立てる意味では主人公のキャラも秀逸だったと思います。学生のオタクくんだとこのバランスは少し難しかったんでしょうね。ホントこの設定、このシチュエーション良い。その上でキャラクターが良い。

『先輩が淹れるコーヒーの味』紺菓

 衣装の魅力っとして意識したことなかったけど、コーヒーショップの店員って穴場というか、たしかに独自の魅力ありますね。清楚というか、品の良さがあるというか。自覚してなかったけどこれ好きだわ……と何かのチャンネルが開きましたw
 そんな衣装のヒロインがバイト先の先輩で、というのも完璧でしょ。主人公が彼女の色気に悶々としてると “こらっ” と叱られるとか憧れの塊すぎるw
 からの彼女の家に行ってからが本番なんですが、この自宅での格好がめちゃくちゃ大胆というか直線的にエロい。このギャップは強烈ですわ。店員時のキチッとした印象からのあの緩すぎるセーターは破壊力がありすぎる……。そんな格好してるのに相変わらず先輩として関係性を保って話しかけてくるとか衝撃的にエロい。本編が始まった時点で2人は恋人関係(浮気だけど)にあるんですが、既にそういう関係だからこそのあの緩い格好であり、その格好でも先輩感を出しながらエロい話題を振ってくる。この設定、このシチュエーション、このキャラクターにおける最善手を打ってきたような迫力ありました。
 浮気なのに話がキレイすぎて、そのギャップにも驚くんですが、それもひとえにヒロインの優しい年上ヒロインとしての魅力にあるんじゃないですかね。主人公に後ろめたさ、罪の意識があるんですが、それを丸ごと包み込んでくれるような年上ヒロインの魅力ですよ。

『妊活補習』gonza

 生徒が先生に告白し、それを先生が断る。外には桜が舞っていて……とめちゃくちゃキレイというか、これだけでエモさのある1ページ目なんですが、ページをめくると3ヶ月後で、完全に日常に戻りタメ口で会話してる2人、というギャップが良い。清楚っぽかった先生の椅子の座り方がまるで別人。たった2ページで多面的なキャラクターになり、その多面性を互いに知っているので告白は成功しなかったものの2人がめっちゃ仲良しなのも伝わってくる。清楚も良いけど、感じ悪い先生も魅力的ですし、このオープニングが本当に見事だったと思います。
 そっから本題。かつては告白を断った先生が妊活疲れに陥ってると聞いて、主人公が再起。1ページ目の清楚な先生のショットは印象的でしたが、あのページにはさらに「左薬指に何も付いてない」という情報もあったのですね。周到……。
 春の告白、すっかりタメ口の関係性、童貞イジリ、からの妊活。生徒が先生に告白してそこからセックスに至る作品は多いと思いますが、この本作独自のロジック、土台作りが面白い。2人のキャラクター、関係性、このシチュエーションだからこそ感情と勢いに任せてエロへの一線を越えてしまう、という経緯がめちゃくちゃ良いです。そこに夏期講習なので毎日2人きりの時間が生まれる、という話に繋がるのもうまい。先生が即陥落してセックスに至るのではなく、毎日毎日じっくり攻めて、努力と勉強を積み重ねた先に先生のイエスが待っているという展開が感動的。それに先生の理性がゆっくり崩れていく過程もリアルですね。先生の第一の魅力は清楚にあると思うんですが、段々その雰囲気が守れなくなっていき、ついに彼女の方から受け入れるようになった場面で彼女が自ら脱ぎ、陰毛が露わになる。この陰毛がかなり長めで最高でしたね。清楚なイメージからのギャップも感じるし、下着からはみ出てる絵面のインパクトもばっちり。
 ラスト、2人が絶頂を迎える際に再びおっぱい責めが再開するのも見事だったと思います。射精の間際に冷静に動けてすごいw 先生があまりの気持ちよさに果ててしまう説得力もありました。

アロエミカリン

 合コンで失敗したのを慰めてくれるサークルの先輩と。これまた年上ヒロインの魅力が最高な作品でしたね。サークルの先輩という仲は良いけど、詳しくは知らない、という距離感がとても良かったです。最初は甘えたら慰めてくれるので “マジか…!!” と喜びつつ調子に乗っていたら、先輩がその期待をさらに越えてくる。徐々に彼女の本性が露わになってくるというか、性的に奔放な側面が見えてくるのが良いですね。甘やかしてくれる先輩を主人公は利用するみたいな意識もあったと思うんですが、先輩の優位性が圧倒的w
 明らかにエロい話題になってからの方が先輩、生き生きとしてるんですよね。それが端から見てると魅力的でもあるんですが、当事者としては「あっヤベッ……」的な焦りもちょっとありそうな感じで面白い。単に「エロいことになってラッキー」なだけではないですよね。先輩の手の上で転がされるのが魅力なので、翻弄と動揺というのは不可欠なファクターだったと思います。
 1週間射精禁止ということでオナ禁的なプレイになるのかと思ったんですが、蓋を開けてみれば即日セックスまでなだれ込むのも意外で良かったです。すべては先輩の気分次第というか。射精禁止の話だったら我慢の末にセックスを向けることに感動のようなものも生まれたと思うんですが、本作は散々責められて何発も出したあとにセックスに至るので、セックスの感動に浸る余裕はなく、むしろ「まだやるの?」みたいな雰囲気ですよね。そこが彼女の手の上感で魅力的でした。なんだけど、すべてが終わった翌日、主人公は調子に乗っていて、というカラッとしたノリも良い。いや、冷静になったらめちゃくちゃおいしい思いをしたワケなので調子乗るのもやむなしだと思いますけどw

『膣モールスとんとん♡とととん!』いつつせ

 植物状態の彼氏と病室でモールス信号でコミュニケーションを取る。伝わらないかもしれないけどモールスを打つ、というのはめっちゃロマンティックでもあるんですが、それに対する彼氏の反応がチンピクなので爆笑してしまった。ずるいw というか、この設定でここまで突き抜けられる思い切り、もしくは度胸がすげぇわ。こんな重い設定でここまでふざけられないw
 これはまったく関係ない連想ですが、映画の『2分の1の魔法』では死んだ父親が下半身だけの姿で復活して、その父親とのコミュニケーションが足先をトントンとタップすることなんですよね。上半身がないため目も耳もないので。映画だとすごい感動的なんですが、それをエロにするなよw
 それはそうと、やっぱりチンピクでモールス信号という発想がぶっ飛びすぎて強い。強すぎる。ただ、実際のセックスにはあるけど、エロ漫画やAVではなかなか表現されないチンピクという部分にフォーカスしたのはかなり革新的な試みだとも思います。愛撫の最中とか挿入中とかもチンピクはするものですが、エロ漫画だとどうしても無視されがちな要素じゃないですか。「セックス=対話」であり、セックス中の対話の手段がチンピク、つまり2人が対話をすればするほどチンコがよく動いて気持ちよさが増す、というロジックも面白いですね。ギャグとしか思えない話なんですが、加速度的に気持ちよさが増していく説得力がしっかりあるのですごいw
 ただ、あまりにぶっ飛んだ話すぎるので、少しだけ「すべては彼女の妄想なのではないか?」みたいな気もしたんですよね。彼女が勝手にフェラしてセックスして、勝手にチンピクで彼が返事してくれてると思い込んでるだけ、みたいな。ホラー的な方向に転がっても面白いとは思いますが、彼氏が喋らないままハッピーエンドを迎えるラストも見事でした。最後まで喋るのはヒロインだけ、と統一したのが秀逸ですね。それを指させるのがPOV演出なんですが、いつつせ先生のPOVといえば某所でやってる連載を思い出してしまう。読んでますよ!

『ぼくたちおんなのこ』隣乃えすいち

 #4。アクの強いキャラのチューバーが続々と出てきて少年漫画的な雰囲気もありつつ、余命の話なのに物語の本質は過去にある、という構成が割と本作のお馴染みになりつつあるんですが、そこからさらに本作はショタの性被害になるので驚きました。いや、本作のテーマ的に不可避だとは思いますが。てか、掘り下げられるキャラが次々に移っているのも面白いですね。ついには主人公がまったく出てこないまま1話終わっちゃったよ。それぞれが過去に傷を抱えながらチューバーとして現在で絡み合ってる、という状況が面白いです。
 正直過去最高にエロかったと思うんですが、まさかショタの魅力でぶん殴られるとはなぁ。完全に悲劇なので単純に喜びにくくはあるんですがw まぁ、現在の強キャラは生まれ持った素質がある、みたいな話でもあるのでそういう意味での面白さも感じます。

『妄想からはじめましょ』ザシャ

 メガネ!! 図書室でメガネ!! 最高じゃないですか。感謝しかない……。そんなメガネが単なるお飾りではなく、キャラクターと不可分な要素になってるのも嬉しいところです。要は妄想が止まらなくなっちゃう女の子の話なんですが、心に蓋をして自分だけの世界に没入してしまう、そんな彼女の象徴としてメガネが機能してますよね。
 知的で清楚かと思ったら実はエロいことばっかり考えているという二面性も魅力なんですが、ビジュアルとしてそのどっちの側面も似合ってるというか、納得してしまう絵面になってるのが見事でした。これは竿の犬田くんにも当てはまることなんですが、第一印象としては大人しくて可愛い雰囲気のある男の子なんですが、ヒロインの妄想世界では強引にエロいことをしてくる陰湿な雰囲気がこれまた似合って見えてしまう。この「ああ見えて実は○○なんじゃない?」みたいな先入観、偏見こそがヒロインが妄想にふけってしまう原因なのかもしれませんね。しかし、犬田くん可愛かったですね。本作の魅力として決してメインではないけど(当然ヒロインが可愛いので)、無視することも難しい要素だったと思います。2人とも現実の世界では大人しくて、消極的で、勝手に舞い上がっちゃうようなキャラクターなので、2人の交流が微笑ましくて可愛いですよね。2人には幸せになってほしいなぁ、と爽やかな後味でした。あんだけエロいことになってるけど、実際のところはまだプラトニックな関係なので、2人には平和なラブコメ的な関係を築いてほしいなぁ。いつかはセックスするんでしょうが、たぶん本作の妄想世界で描かれたようなハードなものではないと思うw
 プレイ的な要素としてはおしっこがあるのが印象的でした。スカ的なプレイとして放尿に至るんですが、図書室みたいな声を出しちゃいけないシチュエーションでも「もしも」の妄想として割とあるあるなんじゃないですかね。もし急に尿意が来て我慢できなくなったらどうしよう、とか考えて勝手に焦ることありません? エロとは別に。そんな妄想が本作では完全なるエロとして消化されるので、本作のヒロインほどの妄想癖はなくても「ちょっとこの感じ分かるかも」と説得力ありました。まぁ、実際に妄想癖ある人はあんなに可愛いことはなく、ニヤニヤしたり気持ち悪かったりするんでしょうけどw 本作はヒロインの表情が妄想によって感情全開でコロコロ変わる様がめちゃくちゃ可愛かったんですが、そのバランスも秀逸だったと思います。快楽にふける表情の変化も良いし、最後に誘惑するのも超エロかったんですが、やっぱ現実パートでの健全なラブコメ感も最高ですよね。妄想という陰湿なテーマではあるんですが、実際のところはものすごくライトでポップな可愛い作品になってたと思います。

『ガチンコ☆フォーチュン』東雲龍

 再びメガネ。良いぞ良いぞ。本作は占いの館の受付が占い師の衣装に憧れて勝手に着ているところに客が来る話なので一種のコスプレ。メガネも込みでデザインされてるようで素晴らしかったです。フードで頭を包む感じの衣装なんですが、その中で光る個性というのがメガネ。終盤とかプレイが激しくなるんですが、メガネを死守するのも良かったです。ぶっちゃけ「さすがにこれは外れるだろ」みたいな激しさなんですが、作者の意地というか、こだわりを感じる。ありがたい限りです。
 コスプレしながら必要は部位だけは出す露出としても面白いし、あの衣装がヒロインが抱える後ろめたさの象徴でもあるわけで、物語やキャラクターと密接に関わりのあるアイテムになってるのが良い。あれを着てるから断れないし、凶悪なチンコを受け入れるしかない、という流れ。
 占いという体裁で、実質悩み相談みたいな話なんですが、エロパートが進み盛り上がってきたところで “振られ続けた本当の理由ってコレじゃないの!?” と謎が明らかになる構成も見事だったと思います。物語のオチと、エロの盛り上がりが密接に関わり合ってる。あのオチがあるからこそエロがそれまで以上に盛り上がる、というクライマックスが熱い。

「読者コーナー」

 「女流小説家にエロまんが読ませてみた」のコーナーと読者投稿の感想で同じセリフが引用されてて面白かったです。大人気やん……。私も好き。


 終わり。いつものことながら遅くなってしまいました。遅れながらも何とか感想かけていけたら、とは思っております。
forms.gle
 面白かった3作としては、『内緒のままで…』『スカートの中の時限爆弾』『妄想からはじめましょ』になるかな。
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