北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.60の感想

 komiflo、マウスホイールによるページめくり復活しましたね。ホイールが一番便利だと思うんですが、意外と他の漫画サイトだとあまりないですよね。なんでや。

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『北條家の淫靡なる日常』ヨシラギ

 シリーズ3作目。当然三女が出てくるのだろうと思ったら、まさかの長男w 末っ子長男って奴ですね。いや、三女もしくは次男が出てくる続編も期待してしまうんですが、とりあえず本作が完結編らしいです。
 長男も意外だったんですが、もっと意外だったのは小太郎くん。タイトルは『北條家』ですが、個人的には小太郎くんが主役でもおかしくない認識だったので、今回彼がエロに参加しないのが衝撃でした。今回も彼が見たかった気持ちもあるんですが、エロとは無縁の扱いのため本作だとかなりマスコットとしての側面が強くなってて、それはそれで非常においしい。長男をかばおうとする場面とか個人的にグッときましたw
 ショタではない異性装ということで、シリーズとしてのパワーアップ感もあるし、作者がより自由に好きなこと描いてる感がある(気がする)のも嬉しいポイントですね。基本的に本作はライトなノリの作品なんですが、ちょっとだけ成長した後のショタの悲哀、というものも扱っていて興味深かったです。ラストページに出てくる “成長しつづけたらいつかは登紀子お姉さまにも見捨てられるんだ…” 。このテーマすごい良かっ。軽い扱いではありますが、そこにしっかり決着をつけることで真のハッピーエンドを迎える、というオチが良い。本シリーズの主役は小太郎くんかも、みたいな話をしましたが、要するに小太郎くんの未来の姿、未来の可能性の1つでもありますよね。モデルケースというか。
 ありがたいことに1作目のkomiflo配信が延長されてるらしいので、それでも小太郎くんを愛でたいって人はそっちを読みましょう。そっちも読みます。

『オーバーブッキング』西沢みずき

 第2話。今回は夏美オンリー。次回が千夏で、次次回が3Pとかそんな感じかしら。期待が膨らみます。
 前回はもうちょっと岳くんの描写が多かったと思うんですが、今回は完全に夏美に振り切ってる印象。いや、一応視点としては岳なので、彼のモノローグを通じて進行するんですが、主体的に物語を動かすのは夏美の方だと思います。前回は岳がクズかどうかでkomifloコメ欄が盛り上がってて面白かったんですが、今回は竿に徹してるのでその側面は弱めかな。ただ、今後物語に決着をつけるとなるとその件はもう一度盛り上がるのではないかと思います。『あかるい家族性活』とはそこらへんがちょっと違いますね。
 メガネで大人しい印象の夏美と、ギャルっぽい印象の千夏、と前回の段階では思ってたんですが、蓋を開けてみれば夏美の方がエロ的な暴走は強そうな感じでしたね。対抗心をスパイスに彼女がどんどん暴走していき、岳はむしろ受け身にならざるを得ない……というのが今回の魅力だと思います。生で2回戦突入のくだりとかちょっと話の通じない感じまで出てきて少しだけ怖くもあったように思います。とりあえず「エロくて最高!!」と流されるんですが、事態がこじれるというか、不安になるような不穏さもありました。
 生の件は2人だけの秘密。秘密ということに夏美が満足してるかと思ったら迷いなくカムアウトしてるオチも笑いました。嫉妬深いというか、千夏に対するマウントですよね。それに対する千夏の対抗心で生宣言が飛び出して終了。暴走という意味では同じなんですが、千夏の方がムキになってる感があって、純情な印象あります。
 てか、最後のページの3人のポップな会話シーン、めっちゃ好きです。めちゃくちゃただれた話をしてるはずなのに軽いラブコメみたいなノリなのがとても良いw

『ソメハジメ』ドラムス

 まさかの続編。というかサイドストーリーか。寝取られもしくはBSSだった『ヒトリジメ』からの、間男視点。間男って英語だと adulterer っって言うのか……などと勉強になりましたw
 寝取り視点なので胸糞度が増すのかと思いきや、そう単純でもない。『ヒトリジメ』みたいに寝取られる絶望はないんですよね。当たり前ですが。なので、そういう意味では読んでてつらくなる感じは弱まってるのかなと思います。ただ、本作は達也の心理、達也のドラマになるので、『ヒトリジメ』のとき以上に「彼をクズと断言していいのか」みたいな揺さぶりをかけられる。komifloのコメ欄がちょっとした議論の場になってて最高なんですが、本作はもはや思考実験みたいな味わいすらある気がします。達也の悪行ってのがギリギリの匙加減なんですよね。決定的に外道な悪行が描かれるようで、描かれない。ただ、今回明らかになった元カノの件があるので、完全にシロの存在ではないんですが、その件すらも「過去の過ち精算しようとしているを」と見えなくもない。とにかく彼が悪そうに描かれまくるんだけど、よく考えてみると「いやそこまでじゃないかも……」ってなる。タイトルにもなってる “徹底的に俺好みに染めようと思ってよ” なんですが、「染める」の行為で象徴的だったのがへそピアス。これも人体改造的な印象で「この野郎!!」とか思うんですが、まぁ世の中には自らの意志でへそピアスを付ける人もいるわけで、へそピアスを全否定するわけにもいかない。別に悪いことじゃないですからね。これがドラッグ的な話だったら完全にアウトで分かりやすいんですが、そう単純な話にしてくれないw
 絵と演出のチカラでとにかく悪そうに描かれるんですが、男2人のビジュアルが逆だったら……とか考えると頭抱えちゃいます。幼馴染に嫉妬してるだけの話かもしれないw
 演出という意味では、今回嫉妬を象徴するアイテムとして出てきた子供の頃の写真。2人が映ってるんですが、その康太の部分に使用済みコンドームをかける。そして、その写真は鏡に固定されていて、その鏡には現在セックスしてる2人が大映し、というクライマックスの1ページが圧巻でした。ド外道が!! と言いたくなるけど、直接犯罪をしてるわけでもないw
 んで、達也編は完結で、次回はヒロイン視点。マジか。ノリノリでシリーズが増築されてるようで最高です。11月頃らしくちょっと待つことになるんですが、「好評なので今から描きます」感あって生々しいです。単に続編やるよりも面白いシリーズ展開だと思います。ここまで盛り上がるとはなぁw


 終わり。すぐにゼロス感想も更新します。
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