北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.59の感想

 komifloの仕様またちょっと変わりましたね。作品後のページ。普通に良くなったと思うんだけど、その影響か通常ページのズームが出来なくなってしまったので困惑しちょります。というかマウスのスクロールホイールが反応しない。まぁ、ウチの環境に原因がなければそのうち直ると思うので大丈夫。

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『オーバーブッキング』西沢みずき

 西沢先生再び……どころじゃないか。すごい数、すごい頻度で登場してるし、失楽天でも普通に載り続けてるので驚きます。特にweeklyの方だと最近は女性責めのSM作品に傾倒してるイメージだったんですが、今回はその前の『あかるい家族性活』路線って感じですかね。複数ヒロインによる長めのシリーズ展開。エロ漫画でヒロインが複数となるとクライマックスには乱交を期待してしまうんですが、本作だと女性同士にライバル関係みたいなものが発生していてそこが『あかるい家族性活』との違いですかね。あの作品だと母が圧倒的な強キャラだったので(そこが好きw)。
 komifloのコメ欄ウォッチャーとして本作のコメ欄かなり好きです。メガネ、ダブルヒロイン、竿がクズ、とそれぞれ違った話題で盛り上がりつつ、西沢先生がノリノリで降臨してる感じが非常に微笑ましい。かなり理想的な状況だと思います。こういうのがあるからいちいちコメ欄開いちゃうんだよなぁ。
 コメ欄でも話題の、竿がクズ。全員が竿へのヘイトを高めてるわけじゃないのが特徴だと思うんですが、本作の竿、クズはクズだけど、「そこまでクズか?」みたいな印象も個人的にはあります。胸糞系とか寝取られ作品だともっと酷いのあるじゃないですか。罪の重さでいったらそっちのが方が大きいのは満場一致だと思うんですが、それでも本作の岳くんを許せない人が現れるというのが興味深い。モテ要素が感じられない、みたいな部分が一番大きな要因なんですかね。「なんでアイツが」みたいな。本作はたぶんそこのドラマ性は掘り下げずにインスタントにエロ展開に持って行くことに重きを置いてると思うんですが(今後違ったら恥ずかしいw)、まぁ気持ちは分かります。学園でもトップの美女2人を同時に、ですので。あと、意地悪な見方をすると、彼が割とナメられやすい(ナメやすい)キャラってのもあるんですかね。寝取られ作品の屈強な寝取り役とは印象が大きく違うと思います。
 まぁ、竿は置いておいて、本作の二股設定、大事なのは “でも絶対” “アタシが岳くんの彼女(正)になるんだから” の部分にあると思います。要するにヒロインが互いにライバル意識を持って、より過激に岳くんを満足させようと奮闘する。その健気な姿勢が可愛いし、加速していくエロにワクワクを禁じ得ません。思えば冒頭の場面で岳くんが渡した精子入りのゴムを一度は断ってから “やっぱり…” “欲しいかも” と受け取る場面がそれを象徴していたように思います。本心としてはいらないんだけど、彼を振り向かせるために彼が求めることを全力で応える。この時点ではまた二股とは明らかになってないんですが、読み返すとそういう意味だったのかなと感じられる良い場面だったと思います。彼女の献身ぶりにグッときます。ゴムで始まった初回がゴムを捨てる展開で終わるのもキレイだったと思います。ゴムの扱いで自分が一歩リードしよう、という心理が一貫してますね。
 12ページなんですが、やることはガッツリやって、そのままナマへとなだれ込みそうな場面で、続く。次回もメガネなので嬉しいです。
 てか、細かいですが、最後のページに出てきたコンドームが「0.001mm」なので笑いました。薄すぎィィ!!

『噂を追って…』桐野いつき

 後編。『オーバーブッキング』の終わりがゴムを捨てる展開だったんですが、本作はゴムを着ける場面から始まるのでちょっと笑いました。掲載順マジック。もちろん本作のゴム着用は「いざ本番」の意味なのでこれはこれでエロい。
 てか、ゴムの着用をヒロインの方から言い出す(そもそもゴムの所有も彼女)のが2人のパワーバランスとして象徴的ですよね。主導権はヒロインが握る。手取り足取りのまま脱童貞を迎える。すべてをヒロインに任せて、身を委ねて、という状況が個人的には燃えますw
 噂の真相についての話なので、ちょっとしたミステリー的な味わいもあると思うんですが、そんな読み方をしてると本番中のヒロインの言動がいちいち気になってきて楽しいです。「この慣れ方は噂通りのビッチ」「いやいや主人公のことが好きなんだろ」とどっちの印象にも繋がるので面白いです。正解としては後者だったんですが、シュレディンガーの猫じゃないですけど、蓋を開けてみるまでは2つの答えが同時に存在するわけで、その2つの可能性が同居した状態でエロシーンを楽しめるのが本作の魅力だと思います。
 噂は誤解だったというオチなんですが、個人的に意外かつ面白かったのは根も葉もない噂なのではなく、同じ苗字のビッチと間違えてたという点。そのおかげで “お気に入りの後輩くんを取られるくらいならって…” と繋がるのが最高でした。ヒロイン側としても不測の事態で、ただチャンスが転がってきたのではなく、ピンチでもあったのでそれを防ぐために踏ん切った形。この心理が良いですね。
 あと、前編を読み返して感動したんですが、この「同じ苗字」トリックの仕込みがマジ周到。主人公に噂を話す友人は “なあ…お前と同じ部活に中村先輩っていだよな?” と言うんですが、その後主人公は “リカ先輩がそんなことするわけ…” とすべて「リカ先輩」もしくは「先輩」呼び。苗字は最初にだけ出て、あとは隠されてるんですね。そりゃ間違えるわけだわ、と膝を打ちました。ひょっとしたら、同学年に中村が2人いるからヒロインは自分のことを「中村先輩」ではなく「リカ先輩」と呼ばせていた可能性もありますね。ミステリー風な要素が魅力の作品だとは思ってましたが、思ってたよりもフリの部分が丁寧で感動……。

エロマンガアカデミー」

 10時限目、かるま龍狼先生による「特殊なネタの扱い方」。10という節目なのでレジェンド降臨なのでしょうか。先週の『あわせわざ』もすごいインパクトだったが、直後のインタビューなので嬉しいです。
  “のんびりした平凡な日常の中のあるあるなお話を描くのが好きです” という話から始まるので、表層的に読んだらちょっと面食らうんですが、たしかによく考えてみるとかるま先生のSF(少し不思議)ワールドは奇抜な設定はあるものの、その設定が当たり前の日常として根付いた話がほとんどですよね。それに対する「なんでだよ!」みたいなツッコミは劇中に出てこない。これがかるま作品の大きな魅力だと思うので、先生の発言にも納得できます。 “あまり突飛な展開にならないように” という発言はそれだけ読んだらずっこけてしまう感じもあるんですが、あくまでも「突飛な展開」ですね。設定は突飛だけど、その世界における展開は突飛ではない。そこが重要なんだと思います。
 その後も “子供でも読めるように(※読んじゃダメ)” とか出てくるフレーズがいちいち面白くて最高。ますますファンになってしまうというか、頭の良い人というのが伝わってきます。面白い発言だって分かってて言ってるでしょこれw
 近作の集大成感あった『あわせわざ』に対してはかなりアッサリとしたリアクションなのも印象的でした。アイディアをゼロから考えてない分、作者としては省エネだったのかもしれませんね。読者的には『アベンジャーズ』的な豪華さだったんですが。
 面白い作家は話すことも面白い。と改めて感じた回でした。あと、かるま先生左利きっぽいのでちょっと嬉しい(私も左)。


 終わり。4連休なので土曜にジャンプ出てたんですが、これからジャンプ記事(ブログ本館)やります。4連休でブログ3つ書く予定。まぁ、出かけませんし……
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