北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.57の感想

 weeklyの電子単行本、セレクションが発売開始になったそうです。早いもんで3冊目。

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『牡丹ちゃん危機一髪!!』北原エイジ

 忍者。悪徳豪商から電動コケシ職人を奪還する任務。電動コケシそのものは悪ではない、という扱いなのが意外でした。良い意味で軽薄なのが魅力になってる作品だと思うんですが、この冒頭の設定の部分だけ少し情報がゴテゴテしてる。悪徳豪商が電動コケシを直接作ってれば話は早いと思うんですが、コケシ職人を監禁してて、それを助ける話。エロ漫画的にそこを否定するわけにはいかない、みたいなことなんでしょうか。
 もちろん電動コケシによる責めも出てくるんですが、それよりもまず最初に出てきて、間違いなく本作のメインテーマであるのが壁尻。ポップででライトな雰囲気が本作の魅力なんですが、この壁尻シチュエーションにいくまでの流れも鮮やかでした。何でもアリ的な勢い任せっぽくもあるんですが、任務中に飲食してたからハマってしまう(後に放尿)、相方の女の子にグラマー自慢をしたから置いてかれてしまう、爆破による強行突破なので敵に気付かれるのは仕方ない、ととにかく最初の展開がスピーディーかつ無駄がない。さらにはキャラクターの魅力の説明にもなってる。この手際の良さは圧巻だったと思います。気付けばエロパートが始まってる。曲者ならぬ「曲尻」というのも笑いました。
 壁尻のまま電動コケシで責められるんですが、まずは尻サイドのみ。頭サイドも見つかるので両側から責められると思ったんですが、その前に尻だけで達する。というか、おしっこ。ヒロインがおしっこを漏らすと、そのおしっこが彼女の胸にぶっかけられるような構図になってるのが見事。エロ漫画ならではの一度で二度おいしい見せ方ですね。
 からの頭サイド。おっぱいからのフェラ。男側は自分勝手にヒロインの体を堪能してるだけだけど、彼女としては両側の攻めが一度に押し寄せる、という男女のギャップもあって良かったです。壁尻ものの良さ。
 ヒロインのキャラクターと、男女が敵対する設定のため、割と可哀想的な雰囲気もあるんですが、それでも作品全体の印象としては非常にポップなまま終わる。このバランスは見事でしたね。ラスト、黒い穴がヒロインの顔を包んで終わる。子供向けアニメでも今やってるのは珍しいと思いますw 確信犯的にノリを軽くしてる。結構壮絶な目に遭ったはずなんですが「それで終わりでいいのかよ」みたいな軽い決着ですよね。このノリがすごい魅力的なので、何らかの形で続編とかシリーズ化するといいなぁ、とか思いました。このメンツで続きをやってもいいし、キャラを変えてもいいので、この設定、この世界。
 忘れかけてた任務は至って順調にクリア。最後に出てきたコケシ職人が可愛い女の子で意外という話なんですが、北原先生的に男という可能性もあるのでは……と淡い期待w

『きょうのふろく』れゐぢ

 #7。続きましたねぇ。すっかりweekly名物みたいな風格出てきたと思います。
 「露出狂の詩」。続き。前回はちょっと良い話のような感じもあったんですが、今回は露出狂ならではの悲哀というか、ある種「露出狂あるある」みたいな話。いや、そんなわけはないんだけど、あったらイヤだな……と同情を禁じ得ないw フリの段階で体を美しく見せるケアを怠らないとあったので、その後で遭遇する男の露出狂がちょっと汚い体してるのでその部分のイラつきもちょっと感じそうですね。というか、露出狂としての方向性の違いか。奥が深いw
 「にににの忍!」。その3。このシリーズすごい好き。本作の中でもたぶん一番好きなヒロインだと思う。ヒロインも好きだし、ラブコメ的な展開になるのも良いですよね。すれ違い的なオチを迎えるんですが、「はよ結婚してしまえ」みたいな印象。ヒロインのポンコツ的な魅力に拍車がかかり、 “ひもじいでごじゃるぅ” の場面とかマジ最高だったと思います。ラブコメ的でもあるけど、ちょっと父娘の「ほっとけない」という関係性でもあるのかな。久しぶりに新作読めて嬉しかったです。
 「その日帰って結婚まで妄想した」。タイトルがすべてなんですが、超あるあるなので共感しかない。分かる、分かってしまうw おそらくクラスの中ではそれほど美女として扱われてないヒロインなんだけど、何気ない些細な交流で男側には心に大きな爪痕が残るw あの肩の感触が残ってる描写が超リアルでしたね。「女子に触られちゃった……」とその部分だけ感覚が鋭敏になったまま余韻が残る感じ、すげぇ分かるw
 「恩返ししたい猫」。浦島太郎的というか、エロ漫画では割とお馴染み感ある展開……からの興奮できないオチ。猫は可愛いし、女の子も可愛いんだけど、その2つが混ざるとなぜか可愛くない……というデザインの妙。猫らしさが100で残ってしまうと台無し、と難しいw “誰が猫と結婚すんねん!!” という正論すぎるツッコミも笑いました。エロ漫画だと無邪気にエロい関係になりがちですが、その通りだわ……。

エロマンガアカデミー」

 9限目。ヨシラギ先生による「キャラデザ」。小太郎くんのイラストまであるので感謝しかない。可愛いよね。てか、今週のweekly、3本すべてに忍者が出てきますね。みんな可愛いから困ります(困らない)。
 ヨシラギ先生のキャラデザ論がめちゃくちゃ具体的かつ、話が深い。前職からのノウハウが生きてる話らしく、とにかくスペシャリストという印象。理論立てて作られてるのがよく分かります。ここまで知性的に、理性的に漫画作ってるのか……と驚きました。感覚派の作家のインタビューも面白いんですが、理論派の先生もめちゃくちゃ面白いです。漫画描く人、キャラデザする人だったら役に立ちまくりでしょうね。私はまったく描かないのが申し訳なくなってくるんですが、興味深いです。


 終わり。なんですが、先週行った翁賀馬乃助先生のサイン会の話をこのあと少し書きます。weekly今号の感想とは無関係なので読まなくていいです。ただ、weeklyとは関係がある。

余談

 翁賀馬乃助先生のサイン会がありました。ほんとは新刊が発売された4月に行われる予定だったんだけど、コロナで中止。サイン本は送付(おかげでイラストがガチ)。
 んで、先週、また別のサイン会が行われたのですね。勝手にリベンジと燃えていて、見事抽選に当選。ワクワクしながら当日を迎えました。
 現地。係の人に「並んでお待ちください」と言われ、待ってると、先生と思われる人物が見える。正確には先生ともう1人、おそらく担当、もしくはサイン会の担当。待ちながら「あっちが翁賀先生だよな……?」とソワソワするのがあの日の参加者の「あるある」だったと思います。
 私の番が来てサインとイラストを書く準備をしてる方を確認すると、正解。サインに書く名前を事前にアンケートで聞かれてて、「キタク」とリクエストしたんですが、そのアンケート用紙を渡したら何と先生が認知&記憶してくださってて大感動。担当とおぼしき人物も知ってくださってたようで途端に嬉しいやら恥ずかしいやら。こっちのブログを認識してる人とリアルで会うの初めてだなぁ……とか感慨に浸ってると、翁賀先生が「この人weekly快楽天の編集長なんですよ」。ただの担当じゃなかった!!
 「書くの大変でしょう」と漫画家と編集長に言われて「そんなことないですよー」とニヤニヤ&ヘラヘラしてたんですが、今思うと「あんたらの方が!! どう考えても大変でしょうが!!!」ですね。おだてられて喜んでる場合じゃなかった。サイン会はむしろファンが作家をおだてるのが本筋だと思う。混乱して脳味噌が正常に働いてなかったんです。
 漫画家のサイン会で漫画家じゃない方に「まっ毎週楽しみにしてます……!」と伝える不思議な体験でした。本当にありがとうございました。
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