北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC HOTMILK(コミックホットミルク)2020年9月号の感想

COMIC HOTMILK 2020年9月号
COMIC HOTMILK 2020年9月号

 もうすぐ次号が出てしまう(定番)。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

感冒の体温』ひやしみらの

 フルカラー6ページ。感冒って言葉初めて聞いたんですが、風邪のことらしいです。無知なのがバレる……。
 ということでタイトルの通り、風邪の状態で。体温が高くて全身で触れ合うと気持ちがいいらしい。聞いたことがあります。あと、今の時期はコロナがあるのでよりフィクション度が増してしまうテーマですね。いや、あえてこのネタをぶつけてきた可能性もあるのかな。コロナ対策するならキスはしないでバックのみで済ますのが飛沫対策として良いと思いますw
 プリントを届けに行っただけなのに……と彼女に引きずり込まれていくような感覚が魅力的。気づけば家の中だし、気づけば彼女がおっぱいを出してる。この脳の処理が追いつかない感じ、良い。本来なら風邪の方が弱者であるんだろうけど、主導権は常に彼女の方にある。
 ヒロインはお隣さんで、ギャルとオタクという感じなんですが、ラストに彼女の方の恋心が明らかになるのもちょうどいいバランスだったと思います。最初に明らかになっちゃうとギャルに翻弄される感が薄れちゃうと思いますし。6ページしかないんですが、ゲームがうまいフリになってて見事な構成だったと思います。

「HOT LOVE NOVEL」シノ / ICHICO

 12話目でちょうど1年なんですが、それもあってか原点回帰。初回の子が帰ってきました。ちゃんとシリーズ連載ならではのオモシロが毎回あって面白いですよね。学園の中でヒロインが毎回代わる代わる、だけではない。
 内容も1年目の終わりを総括するような内容。最初の子が「あれからいろいろやってるらしいじゃん」と意地悪なことを聞いてくる。メタ的な部分でも面白いし、彼女キャラクター描写としても魅力的。嫉妬混じりな感じとか可愛いですよね。とはいえ、そこまでデレデレな感じでもないのも良いですし。1年の連載でやりまくってきた主人公だけど、その彼を「気持ちは童貞」と童貞扱いできるのは最初の子ならではの特権。「そういや童貞だったんだっけ」とちょっと笑ってしまいましたw 毎月やりまくりだからなぁ。

『禁忌の出会いじゃねえか!』邪神・爆乳ソードマン

 フルカラー4ページ。すごいペンネームだ……。
 とはいえ、すごい色使いが独特で魅力的。効果線、集中線の出張が強めで不思議な立体感ありました。物語要素は極小で勢いで突っ走る感じなんですが、その話と親和性あったと思います。描き文字の色もグラデーションで変化し続ける感じも独特の味わいあったと思います。このペンネームじゃなくても一目で覚えてしまうようなインパクトありました。

『もっと×2 投げ銭¥交際』ピジャ

 続編。新キャラ投入。エロ漫画だと基本男女1対1の話なので、増築的に新キャラ(ヒロイン)が現れると元の2人の関係性が薄くなってしまうんですが、今回はちゃんとその2+1のキャラ配置を踏まえた内容になってるのが良かった。冒頭の場面では主人公が「1人でいいんだけど」と悩み、最後にはヒロインの方が嫉妬して終わる。エロパートでそんな素振りを見せずビッチとしての強さを見せてただけに、あのラストのインパクトは強かったですね。
 んで、新キャラ。エロ系ASMRの配信者。出会ってみたら想像以上にエロくてヤバいという話なんですが、面白いのはプレイに音声作品、オーディオポルノ的なエッセンスが入るんですよね。おそらく彼女は意図的にやってる。最初は普通にフェラして、普通に挿入するんですが、彼女の本領はむしろその後で、セックスはもう1人のヒロインに譲った状態での耳責め。このASMR責めしてる最中は彼女は通常のエロ的なプレイは一切ない。徹底して耳だけ。3Pだと女性2人(もしくは男性2人)が競い合うような構図になるのが一般的だと思うんですが、本作だと彼女はASMRというまったく別の基準で楽しんでるので競い合わず、2種類のエロが同居する。ASMRの再現というコンセプト自体も面白いんですが、3P作品としてとても良いバランスだったと思います。

『シークレット』宮部キウイ

 目隠しからの耳責め始まり。意図的な掲載順いいぞw
 宮部先生は最近フェラ描写が凝りに凝ってて最高なんですが、その流れからの耳責め。フェラは控えめなのかと思ったら、フェラ描写も非常にねっとり。大充実でしたね。どうやらカップルがいつもより踏み込んだプレイに興じてるらしい、というだけで物語要素は小さめで、ひたすらエロ描写で押し切る……のかと思ったら物語要素は最後にエピローグとして語る。セックスが完全に終了してからのエピローグ3ページで今回のプレイに至る経緯が語られる。この構成すげぇ良かった。賢者タイム的に物語が描かれるのも面白いし、「堂に入ってたけど頼まれてやってたの!?」と明らかになるのも衝撃w
 物語要素は最後にあるのもそうですが、エロパート、かなりセリフが少ないんですよね。セリフとしての情報量はかなり限定的で、擬音と、そして何よりアクションですね。最近の宮部作品に顕著な細かい動き(主にフェラ)をじっくり、ねっとり見せていくのが相変わらず魅力的。目隠しをすることで感覚が鋭敏になる、というのはこの手のジャンルでは定番ですが、本作はそのことを説明ではなく、実際の描写で見せている。擬音が過剰なまでに多いのは目隠し演出の一環ですね。描き文字多すぎィィ!! と言いたくなる感じなんですが、それこそが彼の目隠しによって鋭敏になった耳に入ってきてる情報の波ということなのでしょう。漫画は当然「見る」だけのメディアなんですが、「聞く」を想像させる内容なのが面白いですね。

『ハーレム・カルト3』宇場義行

 3作目。今回の相手は先生。1話完結で『水戸黄門』的な進むシリーズだと思ってたんですが、急に物語が進行する。進行というか語り口が大きく変わる。冒頭で “真城先生は他生徒との淫行がばれて失職する” とオチのようなものが語られ、最後はクリフハンガー的な引きで終了する。もっとゆっくり進むと思ってたので衝撃でした。
 さらに言うと、冒頭の “失職する” の件、最初は「今回の仕置き相手は先生なのかー」程度だったんですが、先生普通に良い人じゃん! それも仕置人への情報提供者。生徒会が悪役として強調されたのもあり、善玉サイドの大ボスみたいな感じありますよね。それだけに冒頭のナレーションで彼女の敗北が決定づけられるのですごい不穏。エロが始まると、覚悟はあるけど不慣れで可愛い印象も湧くんですが、それだけに冒頭のあのナレーションがw シリーズの中でも最も負の側面がない純粋な人なので、彼女とのエロは今までになくハッピーな感じなんですが、それを作品が許してくれないw 彼女とのエロは明るくなりすぎてしまうので、作品のトーンをダークにするために、冒頭にあのナレーションを入れたのかもしれませんね。

『雌吹 -メブキ- 2』えいとまん

 配信のオフ会で堕とされてしまったヒロインの続き。単にエロに染められるのではなく、世界に溢れる悪意に直面させられるのがすごい面白かったんですが、今回は善なるオタクが出てくる。お前がヒーローだ……と淡い期待も抱くんですが当然そんなことにはならないw 要するにこれ、前作と男女の配置が逆になってるんですよね。前回はオフ会で出会った男にヒロインが責められたけど、本作ではそのヒロインが無垢なオタクを責める。憧れの人とエロいことになるんだけど、カイトくんが可哀想で可哀想で。前作もそうでしたが、単にエロ的に堕ちるのではなく、心の中に悪の感情が広がっていくのが丁寧に描かれるから救いがないんですよね。泣きながら腰振ってるだけだったら「カイトお前は悪くないぞ」みたいな気持ちにもなるんですが、彼が明確に悪に堕ちる描写があるからつらい。つらさが面白い。彼の純なるオタク的な発想が悪に染まり、めちゃくちゃ怖い結論に至るのが秀逸でした。あと、そこで風俗通いを辞めて(性経験は豊富)、体を鍛えた(体力に自信)という情報が入ることで彼のエロ的な強さが裏付けされるのも面白かったです。ただのキモオタクではなく性豪。

『フランソワ!』モノリノ

 モノリノ先生復帰めでたい。むしろ感謝の念が湧いてくる。
 お嬢様が元教師を教育係として雇う。ヒロインの衣装が場面によって少し学生服っぽく見えて面白かったです。偶然かもしれないんですが、先生の中の呪縛のようなものを感じ取ってしまいました。
 孤城のようなお屋敷の中で教育係が犬に成り下がっていくのが不気味でありつつ甘美で魅力的だったんですが、最後のオチがひどいw タイトルで笑わせないで……。最後の “よろしくな兄弟!” がちょっと良い人そうというか、頼れる兄貴感あるのも笑いました。まぁ、お嬢様相手だと犬に徹しないといけないので、彼の前では人間として会話ができるかもしれないのでそういう意味では救いでもあったのかもしれません。とはいえ、あくまでも彼女の寵愛は独占できないし、やはり犬に向けた愛情でしかなかったと明らかになるのはある意味でビターな幕引きとも言えるかも……ってそんな雰囲気じゃないんですがw
 ヒロインがS的に支配してきて、犬扱いは揺るがないんですが、 “先生… 私の心の穴を埋めて下さる?” に象徴されるように、彼女は愛情を隠さないし、何ならベタベタしてるとすら言える。その矛盾を成立させるのが人ではなく犬に向けた愛情であり、例のフランソワなんですがw そんなS的支配とストレートな愛情表現が同時に味わえるのが本作に魅力でしたね。怪しげなエロなんだけど、ヒロインの可愛さも文句ナシですごいバランス。

『盛夏の初夜権いづみやおとは

 甘酸っぺぇぇ!!! 夏祭りで幼馴染、最高ですね。暗がりで浴衣を脱がせてのセックス……というのは劇中でイメージとして語られるのが象徴的でした。本作のエロはあくまでも日常の格好(制服)で行われる。浴衣は最後に極めてピュアなものとしてだけ扱われるのが最高。キラッキラかよ!!
 タイトルにもなってる権利を夏祭りにおける抽選券に例えたのも秀逸。単に「券→権」なのかと思ったら、あくまでも抽選券なので当然外れることもある、という最後の逆転劇が熱い。まぁ、正直言って初夜権とか女性をモノ扱いする感じがして暴力的なニュアンスも感じるし、不穏さも感じたんですが、あくまでも権利の話を始めるのはヒロインっていうのがポイントですね。てか、あれは先輩に自分を売るような真似をした草太への腹いせというか、ちょっとした意地悪みたいな感じだったのかもしれませんね。
 草太は自信がないのか、非常に弱腰で、だからこそヒロインが何考えてるのかいまいち分からない。この分からないフィルターで描かれるヒロインがとにかく魅力的でした。たぶん彼女としてはストレートに好意を伝えてたんだと思いますがw そんな分からなかった彼女の気持ちが最後の最後に疑いようもなく分かる、というオチも最高。熱い。

『レスの本懐』蛹虎次郎

 前編。妊活中のヒロインの元に夫の上司の子供が転がり込んでくる。1週間だけとはいえ、憧れのママになれて……と思ったらチンコがでかいw ショタ作品の中でもかなりの低年齢だと思うんですが、とにかくでかい。そして、当然のようにエロの才能がありすぎる。あくまでも、気持ちよくて体が勝手に動いちゃう、という話なんですが、その後の才能の開花っぷりが最高でした。さすが蛹先生、ショタを扱ってもまったくブレない。主導権が逆転するのはまだ分かるんですが、「そこまで!?」と驚いてしまいましたw
 ヒロインが前のめりでバランスボールにもたれ掛かり、それをバックでショタが攻める場面が印象的だったんですが、ここでのショタの馬乗りっぷりが圧巻。体が小さいので完全にヒロインの体に乗っかる、というか引っかかるみたいな。よくこんな体位思いついたな……

『ギャルビッチ!! GO淫ラブホテル♡』ナスムスビム

 ギャルビッチとおチビの優等生くん。チビだけど、当然アレはでかい。掲載順に明確な意図を感じるw
 舐めてたギャルがあまりのチンコのでかさに逆転される話だと思って、実際そんな感じではあるんですが、ギャルの調子こきパートが予想外に長い。そして、そこが非常に良い。最後の陥落に向けた前振りでもあるし、思ってた以上にクチが悪い言葉責めも魅力的でした。責められるショタ(同い年だけど)も可愛いのでおいしいとこ取り。
 んで、ショタが逆転。チンコの大きさで、ではない。ここが意外でした。逆転の理由は異常なまでの体力、それと驚異的な成長速度にあったと思います。もちろんチンコのでかさがあるのであり得ないとこまで突き刺さる描写に説得力あって圧巻でしたが、それだけではないんですよね。 “僕が塚本さんと満足させるからね 頑張るね” と彼は真面目なんですよ。黒い感情があるとか、ギャルにお仕置きしてやるみたいな気持ちは一切ない。彼としてはキレイな感情のままなんでしょうが、やってることとのギャップがすごくて、ギャルが陥落。キャラクターの魅力がばっちりな作品だったと思います。
 童貞がラブホテルに行くと驚くものとしてラブクッションがあげられてるのが笑ったんですが、それが最後の射精のコマでヒロインの頭の横に配置され(当たり前ですがw)、彼女が快楽堕ちしたことの表現になってるのが面白かったです。クッションと一緒にコンドームも発見するんですが、それもちゃんと後の展開に関わってきますよね。フリが丁寧。
 あと、本作どうしても見過ごせないのがヒロインのおっぱい。そして乳首。垂れ下がった胸に、大きく全体的に浮かび上がった乳首。最初におっぱいが現れるコマとか迫力ありすぎてヤバかったです。でかさを追求するにしてももっと丸っこい感じにしそうなもんじゃないですか。あの形状はものすごいリアルというか、こだわりを感じましたね。「だらしない体しやがって」的な印象にもなるし、とにかく存在感がすごかったです。

『お礼のできる子』黒川おとぎ

 お礼のできる子であれとバーチャンに教わったギャル。性に奔放なギャルの由来がバーチャンってのが面白い。エロいけど良い子と裏打ちされてる設定が秀逸。
 そして、その「お礼」をする相手である本作の竿役。これがびっくりするくらいのナイスガイ。ぶっちゃけ本作を特別なものにしてるのは彼の方なのではないか、という気すらしてくるレベル。性的な誘いに対してNOと言ったり、自分を大事にしろとか言う竿は少ないけどまぁいないこともないと思います。が、本作の場合はそれで終わらない。誘惑に負けてしまったあとの反省が深いし、その後さらにセックスを終えてからの対応も良い。そして、彼が良い奴であればあるほど、『お礼のできる子』としてはお礼が止まらなくなるわけで、エロの無限ループに突入する、という余韻のラスト。すぐパイズリしちゃうギャルに対して「そんなのダメだよ」と真面目に言ってあげる話なんですが、それが辛気くさくなりすぎず、ギャル特有の明るいバイブスは保ったまま、最後はしっかり良い話として着地する。このバランスが見事でした。矛盾するような要素だから難しいと思うんですけどね。それを支えてるのが2人のキャラクターの魅力なわけで、そうなると当然エロパートの魅力もマシマシになっていく。Mカップとか荒唐無稽な設定なんだけど、ドラマとしてはちゃんと地に足着いたものになっててドラマ的な感動があるからすごいですよね。

『ひと夏のSwimming memory』めーすけ

 褐色とか日焼け跡とか定番のジャンルになって久しいと思いますが、本作はそれをショタでやる。「その手があったか!!」と膝を打ちました。言われてみれば当たり前の発想なのかもしれないけど、盲点でした。女子と違って日焼け跡で強調されるのが股間に集中するので、少し違った味わいになりますね。
 あと、本作の特徴としてはヒロインがショタコンというわけではない。意外とこれはドラマ的に重要なんじゃないでしょうか。読者としては「おねショタあざす」みたいな気持ちになってしまうんですが、劇中の2人にはそういう意識はなくて、割と普通に幼馴染が一線を越えるドラマですよね。2人に上下感があまりなくて(ゼロではないが)、そんな2人が最終的に好き好き言い合うようになるクライマックスが熱い。バックから正常位へと移行する場面で感情を爆発させて、という展開も良いですよね。気持ちを伝え、通じ合ってからの正常位。ドラマとプレイ内容が一致してるのはエロ漫画として重要なポイントだと思います。

『お姉さんは年下愛好家』雪咲みあれ

 2連続ショタいいぞー。同じショタですが、対照的な2本で二度おいしい構成だったと思います。あちらと違って本作のショタはしっかり者で、そして本作のヒロインは明確にショタコン。冒頭のビデオチャットで2人のキャラクター、魅力が遺憾なく発揮されてたのが素晴らしいと思います。ショタ家主がビデオチャットの開幕に失敗するくだりとかもう百点すぎるでしょ。最高かよ。
 そんなショタを誘惑するヒロインがエロい……って話かと思ったらショタの方も普通にエロいのが新鮮。ビデオチャットを終えてヘコヘコと床オナしてるのが可愛かったです。床オナは危険だぞw
 しっかり者のショタを誘惑する話かと思いきや、ショタの方も煩悩まみれ。ショタには恥じらいがあるので主導権は常にヒロインが握っているのもおいしいところだったと思います。ヒロインが変態のおねショタものってどうしてもショタに対する暴力的なニュアンスが含まれてしまうと思うんですが、本作は巧妙にそれを回避してるんですよね。そもそも年齢的にいうとショタではないし、彼もエロを期待してるのでレイプでは決してない。先ほどの『ひと夏のSwimming memory』もそうですが、おねショタもので暴力的、支配的なニュアンスを排して徹底的にハッピーな味わいにしたのはかなり重要なポイントだと思います。

陰キャのくせに』一弘

 ギャルと陰キャ。オタクに優しいギャルにするのではなく(それも好きだけど)、あくまでも最初から最後までギャルが感じ悪いキャラクターにしたのが本作の魅力だと思います。感じ悪いんだけど、そこが可愛い、感じ悪いのも含めて魅力的、というバランスを完成させたのがすごい。2人を繋ぐのがお金払って「やらせてください」なんだけど、これはギャルのギャル性と同時に陰キャ陰キャ性も強いですよね。ギャグっぽく描くこともできたと思いますが、お金で頼み込む彼の姿ちょっと陰湿でもあるので、彼が決して褒められた存在ではないってバランスが良い。オタクに優しいギャル(好きだけど)みたいな都合良さがないんですよね。2人とも社会的にまともな存在ではない、けど偶然出会い、そして相性がめっちゃ良かった、というドラマ。
 さらに言うと、タイトルにもあるように、本作はヒロイン視点で進行するので、陰キャは最後まで他者であり、何考えてるかハッキリとは分からない存在なんですよね。それをギャルが自分の欲望のままに好き勝手やっていく、というのが良い。ギャルに犯される視点の作品も好きですが、本作はギャルの主体性というか、ギャルが好き勝手にやりまくる姿を魅力的に見せる部分にフォーカスしていて、そこが最後まで一貫してるし、成功してると思います。

『いたずら後輩ふゆみちゃん』あび

 あび先生はダークな作品が多い印象で、本作もそういうのが来ると身構えて読み進めてたら、めちゃくちゃポップで可愛いラブコメなので衝撃でした。ちょっとこの振り幅にやられてしまったところある。タイトルから察しろよって話なんですが、本当に女性優位の作品になるとは。
 序盤から表情がコロコロと変わるヒロインに魅了されました。酔ってるのもあるけど、好きの感情をむき出しにして猪突猛進してくるのが可愛すぎるでしょ。酔っててバカなのかと思ったらエロになると丁寧に攻めてきて、確実に主人公から優位性を奪っていく、というのも最高。
 浴衣、布団で終わるかと思ったら、温泉に移動しての第二ラウンドも嬉しいサプライズでした。オチに関わってくる部長の存在もアクセントとして良かったですね。酔いゼロのクールな彼女が現れることでヒロインの酔ったとろんとして魅力が際立ってたと思います。

『青春ネゴシエーション立川ねごろ

 これは寝取られ(BBS)ですわ……と思ったらそこから捻ってくる。序盤のラブホ行くまでの展開がその手のジャンルとしてかなりレベル高いと思うんですよね。そこから一気にラブコメに振り切れるんですが、その転換が完全にギャグなので笑った。笑うけど、彼の勇気は偉いし、オッサンが逃げ出すのも納得できる(ワケ分かんなくて怖いからw)。
 そこからヒロイン主導のラブコメ的なエロになる。なるんだけど、主人公のひたむきな姿勢が彼女の余裕を奪っていく。彼のファーストアクションがキスなのが象徴的ですよね。ヒロインは彼のチンコを完全に掌握した気になってて、彼の下半身ばかり見てたら、彼の顔が近づいてくる。2人のすれ違いとして象徴的。「なんでキスする前にチンコ出すんだよ」という気もしますが、そこは真面目バカの童貞ならではの暴走ですねw
 その後も経験とテクで余裕を見せるヒロインと、真面目な愛情表現のみで猪突猛進する主人公の駆け引きがそのままセックスに現れてて魅力的でした。ヒロインが普通に良い子なんですよね。売りやってるけど、話せば分かる子だし、学校での姿が偽りというわけではない。どっちが本当の姿とかではなく、売り「も」やってる、みたいなバランス。なので、2人が恋人になってイチャイチャし出しても、彼女の性的に奔放な側面は維持される、というおまけエロパートも最高。付き合ったあとのエロにまみれた日常がちょっとでも見れるの、本当に嬉しいです。

『シーサイドビッチ!』のこっぱ

 タイトルに偽りなし。開幕早々からセックスおっ始めるので笑いました。最初のセックスでは男の顔が一切映らないのが印象的なんですが、一旦終わってから互いに自己紹介をしたり身の上話をする。順番が逆なんですが、そのおかしな順番こそがシーサイドビッチなのでしょう。完全に「ただやるだけ」に振り切った関係ってのも粗雑なアバンチュールという感じで魅力的なんですが、その後にちゃんとコミュニケーションを取った上で仲良くなりながらの第二ラウンド。この2度おいしい構成が本作とても良かった。やって終わりじゃなくて、やった後のピロートーク的な対話があって、それを踏まえて心が多少は通じ合った状態でもっかいセックス。第二ラウンドはちゃんとセックスの最中にも2人のコミュニケーションという側面が強いのも良いですよね。互いのことを分かり合った上での関係というは味わいが違う。
 そのまま2人が良い関係になるのかと思ったら、彼女のシーサイドビッチぶりは留まることを知らないので学生如くで満足させられるわけもなく……となるオチも良かったです。ちゃんとヒロインのビッチ性が最後まで保たれる。キャラクターの魅力が最後まで強い。

『シュウ♡』飴野千晴

 野球部の女子マネージャーが部員からエロい目で見られてる……というオープニングなので当然野球部の中でエロいことになる話だと思うじゃないですか。柔道部へと話が飛躍していくので驚きました。野球部の完全上位互換としての柔道部という扱いですごい面白い展開。臭い、筋力と明らかに野球部のみんなを踏み台にしてる感ありますよね。
 汗の臭いフェチの女の子が男子部員にめちゃくちゃにされる、という話だったら別に野球部だけでも成立すると思うんですよ。ただ、ひょんなことから知らない世界に足を踏み入れる、というドキドキ感。日常が退屈に感じられてしまうほど刺激に満ちあふれた未知の世界、というのが本作の味噌だと思います。野球部のみんなはそんなことを知らないまま話が終わるのも余韻があって良かった。寝取られとかそういう味わいになっても面白いと思いますが、知ることすらない、というのがより絶望感というか無力感。
 柔道部のみんなは完全にコミュニケーション不可能な他者という感じなんですが、出会いの場面で、ヒロインが目をうるうるさせながら謝るのを見て「きゅぅぅん」としてしまう場面だけ柔道部のみんなが妙に可愛くもある。気持ちは分かるぞw からの柔道部ならではの超ハードプレイというのも良かったです。このプレイは野球部には出来ない……という説得力。

『たえこちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第18話。メイド喫茶!! ちょっと可愛すぎませんか? 冒頭のインパクトに完全にやられてしまったw
 可愛いを煮詰めたような内容で最高……かと思ったら本作には珍しいダークな展開になっていくので驚きました。百合ウイルスが自然と広がっていくようなドキドキ感が本作好きだったんですが、今回は珍しく無理矢理。それも拘束。その予兆としてなのか、女社会のギスギス感を見せてきたのも面白かったです。よく考えたら百合というテーマにおいては不可避な要素だったのかもしれませんね。今までにない不気味な雰囲気のエロが新鮮でした。

コアマガあほすたさんあほすたさん

 (エロ)漫画家の性事情。エロを謳歌してるC先生の話も笑った(作者が完全に否定的なスタンスなのが良いw)んですが、前半の女性作家の性事情……もといセクハラ事情に対する怒りがリアルすぎてビビった。なんだろうね、作品がエロだから作家本人もエロにオープンみたいな勝手すぎる誤解をするバカが多いんですかね……。マジ世知辛ぇ。

『母性天使マザカルカノン』一億年惑星

 第34話。いいねの数だけ腕立て伏せするカノンちゃん。のっけから異様にテンポが良いノリで最後まで突っ走るのでマジ最高でした。超展開みたいな飛躍がたった4ページの中に何回も出てくるw
 クソザコ用の腕立てをする場面でのお尻を突き出したフォームが可愛かったです。お腹が覗き見えるのも妙にフェチい。今回はいつも以上の特濃ギャグ回だと思うんですが、油断ならねぇ……。


 終わり。例によって遅くなってしまいました。ぶっちゃけ実働時間を考えたらもっと早く出来たと思いますので、次回は、次回こそは……と毎回言ってるw
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 アンケート。面白かったが『シークレット』、ヒロイン可愛いが『いたずら後輩ふゆみちゃん』、ヌけたが『お姉さんは年下愛好家』になるかな。
 次号でリニューアル1周年おめでとうございます。
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