北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.53の感想

 10万円もっかい下さい(届きました)。

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『ヒモぐらし』小矢部亮

 夏休みの間泊めてもらってる兄と。実家暮らしは窮屈なので兄の家で堕落した生活を送っていたところを兄に叱られ「堕とすしかない」となる。徹頭徹尾ヒロインの発想がダメ人間なのが微笑ましい。エロに向かう動機も、そのアプローチもいちいち堕落感がすごい。こんだけのダメ人間でも可愛い妹だと愛せてしまうから不思議なもんですね。いや、ダメ人間だから魅力が増してる側面もある。
 基本はヒロイン視点の物語なんですが、エロパートに入る直前に兄の葛藤も語られる。妹にきつく言い過ぎてしまったことの反省。この描写があるおかげで兄貴が完全に良い奴として認識できますよね。「それなのに妹ときたら」というギャップも楽しいし、こんだけ徳を積んだからこそ、みたいな納得も生じるかな。
 んで、妹からのアプローチ。まずは裸で迫り、激しく動揺する兄を見て勝利を確信。からのチンコを取り出したら……でかいw ここで一端兄貴優勢になるんですが、チンコ出した兄貴が “これ以上は良くない” と誠意を見せることで妹が再び優位に立つ。あの状況であのセリフを言える兄貴はほんと尊敬に値するんですが、そんな姿を見て「にまー」と再び勝利を確信する妹がクズすぎて可愛いw 兄貴が誠実であればあるほど妹としては好都合。
 シンプルな話なんだけど、2人のキャラクターがとにかく良いですね。終盤、フェラでの射精に至る場面では再び語りが兄貴に移るのも効果的だったと思います。堕ちてしまう兄貴の心理と、妹の理解不能な他者としての一面に強さを感じる。
 んで、つづく。おそらく前後編なのかな。理性を崩されてもうダメだ、というタイミングでの「つづく」はハマりますね。作家は変わってるから偶然かもしれませんが、weeklyの前後編の切れ目、初期よりうまくなってる印象があります。ノウハウでも蓄積してるのかしら。

『合コンへイこう♪』秋白秋乃

 仲良しのヒロイン2人が合コンに行く。片方が地味でコミュニケーション苦手なタイプなので、合コンに行くことで彼女が開花する……のかと思ったら違った。そう単純じゃないし、何なら合コンという場がそれほど重要ではない。「2人」が合コンに行く話だったのですね。まぁ、2人の名前がユリな時点で気づくべきなんでしょうが、圧倒的に百合。いけ好かない男と残りの女子たちに酷いことされるのかと身構えたりもしたんですが、ヒロイン2人の友情があまりに強固すぎてそんな隙が一切なかった。読み進めるうちに何度か「思ってたよりも百合!!」と驚かされる展開が楽しい。
 合コンに参加した童貞くんが友里(暗い方)に好意があると分かったので、2人が彼を調達。からのエロパート。女子トイレに引きずり込む際の手際の良さ、チームワークの良さで笑いました。思ってたよりも強いw その後も思ってたよりもエロにオープンだと明らかになる展開も楽しいし、それが同時に「思ってたよりヤベェ」という深淵を覗くような感覚でもある。序盤のカラオケでの場面でヒロインの乳首がくっきり浮いてて「下着してねぇのかよ」とか思ったんですが、下着はした上で乳首が浮くという納得の展開になるのも最高でした。伏線だったのかw
 童貞くんはまさに「竿」という扱いで、主導権が一切ない。とはいえ、2人で彼を責めまくる、みたいなSM的な話でもないのが特徴的。何なら彼は良い奴っぽい感じもあって「おいしい思いできて良かったな」とか思うんですが、セックスの中心に彼のチンコが常にあるわけではないんですよね。2人が盛り上がるとちょくちょく彼のことは放置した状態で2人だけで始めてしまう。既存の百合カップルがチンコを外注しただけ、という感じがすごい良かったです。実際にもこういう関係あったりするんじゃないかしら。とか想像してしまう。
 2人それぞれに挿入。1人目は中出し。2人目は直前に抜いて2人に顔射。通常のエロ漫画だったらここで終わると思うんですが、そこからの5ページ、ヒロイン2人がいつも通りのセックスを始めてしまう。射精がセックス終了の合図、というのは男性中心的な発想でしたね。賢者タイムの関係もあって男は連続でやり続けるのは不向きだけど、女性同士だったらお構いなし、というギャップも感じられて良かったです。単にヒロイン2人だけでやる完全百合の話よりも百合感が強調された気もします。女性2人の3Pだったら最後は2人でチンコを挟んで……とか想像してしまうんですが、「チンコは満足したからもういいや」と放置されるラストがとにかく意外で、そこがホント良かったです。

『仮面の奥の表情』葵奈太

 職場で高校時代の元カレと出会う。今は仕事バリバリだけど、高校時代は彼に甘えまくりのか弱い乙女で、というギャップが魅力的であり、そのことを知ってる彼に強みがある。彼に敵わなくて終始動揺させられまくりで、セックスに至れば甘々なノリになってしまうヒロインがとにかく可愛いんですが、komifloのコメ欄で彼にクズ疑惑出てるので笑いました。読んでる際は全然考えてませんでしたが、言われてみればちょっと納得もできてしまうかもw 特に前半の強引なアプローチが危ういバランスというか、確かにホレ直しても大丈夫なのか? みたいなハラハラも感じるかも。そっから2人が驚くほど甘い関係に戻るというか、ヒロインがコロッと落ちてそのギャップが可愛いんですが、このコロッの二面性がとにかく大きいので少し心配にもなるというか。まぁ、気心が知れた相手なのでセーフなんだと思いますがw
 葵奈太先生、前に巫女の作品もやってましたが、女性のスーツ姿は巫女と同じくらいコスプレ的な魅力あると思うので、本作とてもありがたいです。脱ぎのグラデーションがすごく細かくて、20ページの読切なんですが、その中に何段階も違いがあるのが最高でした。最後に着直して、髪を結う姿があるのも超可愛い。
 完全に乙女に落ちてしまったヒロインが最後に再びかっこいい姿を見せるんですが、その決めポーズが可愛すぎる、と劇中で指摘が入るのも笑いました。たしかに可愛いw “もう一回やって” とありますが、漫画の場合はもう一回やらなくても見返せるんだよなぁ……という親切設計。


 終わり。今週は珍しく読切が2本もあるので満足感がかなり高めだった気がします。前後編にするかどうかの判断ってどういう基準なのだろうか、と少し気になります。ページ数? 切れ目のあるなしも大事だったりするのかしら。
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