北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC HOTMILK(コミックホットミルク)2020年7月号の感想

https://livedoor.blogimg.jp/comic_hotmilk/imgs/1/b/1bcb9cd8.jpg

 久々です。今月は書けるぞーと思ってたんですが、いつの間にか月末になってしまいました。
 てか、前回書いたの2月号……サボりすぎ……

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『いとこツガイ』MAMO

 フルカラー8ページ。親戚のおっちゃんに好き勝手される。親戚付き合いの呪縛みたいなものはありますよね。ちょっとあの人苦手だなぁと思っても誰にも言えずに会うしかない、って状況だと割と誰でも当てはまるんじゃないかしら。それのエロ版ですね。
 間接的に離婚したという情報が入ってくるのも親戚ならではの距離感でリアル。同情ではないけど、何か感情が動かされるあの何とも言い難いニュアンスがすごい良かったです。
 フルカラーならではの日陰描写も圧巻でした。野外になるんですが、単なる変態プレイというよりは「家の外」というのが物語的にも意味深ですよね。
 フルカラーですと、ヒロインがイク場面でうっすら集中線が入る……のかと思ったらその集中線が「ずぢゅん」と文字になってるので感動しました。漫画表現としてめちゃくちゃ面白いし、フルカラーならではの魅力も感じる。カラー漫画にそこまで馴染みがないのでモノクロに色が付いただけ、みたいな雑な認識になりがちで恥ずかしいんですが、本作は目が覚めるような迫力がありました。

「HOT LOVE NOVEL」シノ ICHICO

 水泳部。というか母乳。一気にフィクション度の高い設定がぶっ込まれたんですが、意外なほどに良い話。普通に良い話なので驚きました。母乳設定なので荒唐無稽に飛躍するのかと思ったら、むしろヒロインの内面に入り込んでいくような展開。先生との交流を通じて悩みが解消する、ってめちゃくちゃ正しく教師の仕事じゃないですか。セックスしてるからダメなんだけどw

『崖っぷち恋唄』牡丹もちと

 頼りになってかっこいい女上司が実は結婚できなくて悩んでる。2ページ目、最初のめくりの衝撃が最高でしたね。正直この時点で「好き!!」となってしまった。リアルで切実な悩みなんだけど、その悩み描写がコミカルに描かれてくのでバランスが良い。タイトルが出るコマのまま進んだらちょっと落ちすぎてしまう。目に入るものすべてが悩みを刺激してくる感じとか心理表現としてもリアルだったし、その姿を誰にも見せれず……という孤独感。
 からの部下と遭遇。偶然にしちゃ出来すぎなんですが、彼は最初から狙ってた……は人聞き悪いかw 好意を持っていた。ヒロインが仕事一筋だったことを悩むんですが、その仕事中の姿をホメてくれるのとかちょっと感動しちゃいますよね。それだけじゃなく底辺まで落ちきった自己肯定感をすべて救済してくれるような熱烈アプローチが良かったです。「徐堂くんイケメンやん」とも思うんですが、それと同時にヒロインに対して「よかったねぇ……」としみじみ感じてしまう。コミカルな描写もあったからこそ彼女の感情表現がすべて全方位的に見尽くしたような感覚すらあり、その感情の流れでグッときてしまう。
 最後の最後にヒロイン最大の悩みである「年齢」について言及するようなオチがつくのがまた最高でしたね。だから追いかけてきたのか! と納得もするし、これから良い1年になりそう、と余韻にも繋がる。

『放課後Threesome!』ムサシマル

 姉妹と3P。主人公は姉が好きで、妹は主人公が好き、姉は……ということで自体が動き出す。甘酸っぱい三角関係になりそうなんですが、ホレた弱みというか、ホレられた人が優位に立つことになり、姉の思うがままに3Pに発展する。序盤は妹との反発しながらエロに流れていき、そのグラデーションが非常に魅力的なんですが、姉が参加して一気に飛躍。ここで作品の雰囲気、ジャンルが変わる感覚が楽しかったです。女性が2人との3Pってヒロインを並列に扱うのが一般的だと思ってたんですが、本作はイビツ。出番としては妹の方が多いんだけど、場を支配してるのは姉の方。とはいえ姉にも挿入するのが親切設計。最初やらないのかと思ったw
 冒頭、主人公が呼び出される口実として「白鳥踊り」が出てきて、ちょっと面白すぎるくらいなんですが、新たな脅しの動画を撮るというラストを迎えるのもキレイな構成だったと思います。本編が終わったあとの2人が見たい!!(本作だと3人)と余韻の残る作品は名作だと思うんですが、本作もそれ。余韻というほど上品じゃなく直接的なエロへのワクワクなんですがw

『彼女のハケグチ』綺月さい

 大学生の授業中。生徒同士の距離感、机と席の構造、自由度などの意味で高校とは根本的に違いますね。本作だとまだ慣れてない大学1年の話なので、人間関係でも出来てないという土台も効いてる。ワケの分からない変人が当たり前にいる感じとかも大学っぽさとして好きです。もちろんあんなエロは身に覚えないですが「なにこの人!?」みたいな人がすぐ近くにいる感じは分かります。それのエロ変換って感じですね。変な人に捕まるという意味ではサークルとか宗教の勧誘とも近いものがあるかもしれないw とにかく右も左も分からない状態での出会いの場。
 そっからずるずると談話室(意味深w)に引きずり込まれていく。ここの悪魔の誘惑感、主人公の理性が解けてなくなっていく感じがリアルですよね。エロ漫画の醍醐味だと思います。
 そのまま学内の至る所でやるようになり、さらには大学を飛び出しホテル。最終的には冒頭の教室へと戻る。同じ教室だけど、主人公は大きく変わってしまっていて、そのことがヒロインとの位置関係、ヒロインの扱いに現れている。エロだらけで構成された作品なんだけど、最初と最後が整うことで物語としてキレイに成立してしまうのは見事だったと思います。

『やっぱりさらに彼女は増長する。』おじょ

 続編。なんですが、冒頭のツイストが効く展開は続編と知らなくても楽しめると思う。時系列を整理して語るとまぁ普通だけど、情報を出す順番を入れ替えることでオモシロが発生する、というのは漫画の良さだと思います。まぁ、漫画というか物語エンタメ全般か。てか、プレイの趣が前作と大きく異なるのでどっちにしても「そうなるの!?」という驚きは発生する作りだと思います。
 その驚きが「ごめんなさい」プレイ。SM的な支配関係になったと言ってしまえばそれまでなんですが、ごめんなさいプレイというワードの魅力ですよね。そのプレイのことを考えると、冒頭のギャグ展開が、彼女がこうなることを期待してやったのではないかと思えてくる。主人公がSで支配してるようにも見えるけど、ヒロインのごめんなさい顔に心を乱されてるのも事実なので、そもそもの起点はどちらなのか分からなくなりますね。SMの奥深さというか、変態の底知れなさを感じるw

『続々・ちょぉそこん人 ワシのエロ漫画を見ちゃってぇや!!』神楽もろみ

 猛烈にくどいタイトルも3作目。てか、方言ネタが連続しますね。「○○弁だ!」と即答できる人が羨ましいです。
 今までは漫画家の雑用のお手伝いという感じだったんですが、今回は取材。屋外に出るのでちょっとしたデート感もあるのが良いですね。元からセーラー服なんですが、1枚纏う。ビジュアルに変化があるのも嬉しい。俄然可愛いので驚きました。
 んで、メインテーマとしては遠隔バイブ。ヒロインの表情がこれでもかと変わり続けるのが本当に魅力的で、シリーズ最高峰だと思うんですが、バイブにまつわる心理描写もすごいリアルで良かったです。意識しすぎて “なんか動いた気がしたけど………” と何もないタイミングでビクッとする感じとか最高でした。このプレイではあるあるネタなんだろうな、という説得力。遠隔バイブ責めされたことないですけどw 知らない世界を覗き見て理解できる(した気になれる)というのは物語のかなり根っこの部分の強みですね。そのエロ版なので当然変態プレイの話になるw
 からの屋外でそのまま。遠隔バイブのくだりもそうなんですが、バレそうでバレない……ではない。明確にバレるw ここが大胆で驚いたんですが、通報されてないし、捕まってないのでセーフという意味では究極のギリギリだったのかもしれません。子供たちのくだりは「いやダメだろ」と笑ったんですが、そもそも本シリーズのタイトルである『見ちゃってぇや』のイズムだと思うと納得もいきますね。エロ漫画のモデルがあの子であり、あのプレイですので。あの子供たちに見せつける気概で漫画を描いているのでしょう。
 からのオチ。「ペアリングなんてマセちゃって可愛い!!」と思ってたらガチもガチの代物なので笑いました。いや、本気なのは嬉しいけど出費が痛すぎるw

『喉奥のススメ』宮部キウイ

 最近の宮部作品はとにかくフェラが凝ってて最高なんですが、本作はフェラを物語に落とし込んでるのが秀逸でした。今まではたまたまフェラ(クチ技)がうまい女の子の出てくる話だったけど、本作はフェラを修得する話。友達を師匠にしてフェラを修得し、彼氏に披露し成功する。努力、友情、勝利ですねw
 そんな師匠となる友人のメイちゃんが直接エロには関わらない(見せ場は少しある)のにやたらキャラ立ってて最高。 ラグビー部全員穴兄弟にした”パンチラインすぎてホレましたw 「全員喰った」とかじゃなくて「穴兄弟にした」って表現が最高すぎる。
 修行中にヒロインの顔がブスになるのも好きなので本番でもあの顔なってほしかった気もしますw そっからメイちゃんのペニパンで実践練習するのも良かったですよね。そして、その横で我関せずとカラオケを独りで楽しんでるユカちゃんの存在感。メインテーマではないものの、3人揃っての女子グループ感がとても魅力的でした。それぞれ個性が立ってて好きです。まぁ立ちすぎてて「なんで仲良くなったんだよ」という気もするんですが、実際の友人関係って案外そんなものですよね。
 んで、本番。例によってフェラ描写は最高なんですが、本作の場合はドラマが乗っかるので「成長したな……」と妙に感動も覚えてしまうw
 フェラに気を取られすぎて巨乳な件を見過ごしてたのが本当に不覚なんですが、脱ぎの場面であまりのデカさに衝撃を覚えました。あの巨乳が第一の武器にならないなんて贅沢すぎる……。下着込みの巨乳感も見事でしたし、それがあるから下着を外した際の垂れる感じもより生々しく感じられました。

『弟育で姉活!』似せ

 おねショタ。派手な雰囲気のある姉と、可愛いショタ。なんだけど、蓋を開けてみたら印象が逆転する。このショタが悪魔的な雰囲気のあるプレイボーイなんですよね。この意外性が良かった。「ショタ可愛い~」とか思ってると1ページ目から混乱するw
 そんなショタの悪魔性が魅力なんですが、それが根っこを辿れば姉への歪んだ愛情がある。姉も “弟がこうなってしまったのは私のせい…だと思う” と反省してる。この引け目、そして2人の複雑な関係性が本当に良かった。ショタものって基本的に脳味噌とろけながら思考停止で可愛い可愛い言って終わる作品なイメージあるんですが(だから好き)、そこにカウンターパンチを食らわせるような物語が良い。世間には決して見せられない2人だけの世界、その孤立した世界だからこそ歪みが増長し続けてしまった、という関係性はおねショタというテーマにふさわしい内容だったと思います。
 弟が攻めで姉は振り回されるだけ……とも言い切れない。弟がエロに走った発端には姉があるので、姉がエロに乗り気になってくると弟が動揺し始める。悪魔的に姉を誘惑し、姉が陥落する話かと思ったら、そこからさらに弟の印象が反転する。弟があんだけプレイボーイでありながら「ショタ可愛い」というツボもしっかり押さえてるのがホントありがたいです。

『続・お姉ちゃんに内緒事』ぬくぬく

 続編。今号のホットミルク的にはおねショタ(姉弟)再び。『弟育で姉活!』のショタは男として完全に覚醒した状態ですが、本作は逆。女装である。ありがてぇ。
 前作では友人の弟があまりに可愛くてちょっかい出しちゃう話でしたが、本作では姉が参戦。弟くんが変態だったのには原因がある、と前作の補完をするような内容になってるのが良いですね。「あの姉の元にいたらそりゃいろいろと歪むよな」と納得してしまうw
 女性が2人で互いに対抗するような話なので、セックスの中心は常にショタなんですが、主導するのは女性2人。結果的に3人が均等にそれぞれ魅力的、というバランスになってたのが素晴らしいと思います。前作の2人に1人追加、となるとバランスが崩れがち(崩すのが魅力)になりがちだと思うんですが、本作はそこが良かった。まぁ、個人的にはやはりショタが一番可愛いと思うんですがw

『白倉さんの点数は?』しょうさん坊主

 クラスの女子に点数を付けたノートが発見し、筆者にお仕置きする話。ことエロに関しては日常生活の中での見定める視点が暴力になってしまうという側面はありますよね。テーマとしてはかなり真面目というか、日常に潜む性の問題点の指摘として鋭いと思う。
 そんなお仕置き。必要なのは「弱みを握った」という事実のみで、あとは普通にエロが行われる作品も多いと思いますが、本作はそのお仕置きの内容、真の目的について痛快なオチがつくのが最高。つまりは採点。採点という行為が持つ暴力性について彼は身を持って思い知ることになる。女子に対して性的な基準でのみ評価をするのも酷い話なんですが、彼に対して評価するモノというのがそれ以上に最悪なので笑いました。あそこまで極端にデフォルメされると「勝手に採点してんじゃねぇよ!!」ということにも気づきやすいですね。やってることには大きな違いがありますが、採点の暴力性という意味では女子のノートも同じ。このエロ的な飛躍、デフォルメ、それによって物語がキレイに明瞭化する。そこが素晴らしかったです。

『気付いた後には』ねくたー

 良いタイトル。最初はまったく意味が分からないんですが、最終ページまで読み進めるとこのタイトルがしっくりくる。
 女体化もの、というか男女入れ替わりもの……ってネタバレになっちゃうんですがw とはいえ、他人に乗り移った時点で「自分の体は?」と気になりますよね。そこを疑いながら読んだんですが、あまりの変貌ぶりに気付かないまま最終ページでしたw 主人公がクラスの根暗女子の体で「こうしたら可愛いんじゃね?」と遊ぶんですが、主人公の体はもっと過激に改造されてた、というオチがすごい。
 入れ替わりものとしての魅力が物語だけではなくエロにも反映されてるから面白い。結果的に女体化した主人公を犯した男は例の根暗女子だったわけですが、自分の体だから気持ちいいところを完全に把握してる強みがあるんですよね。 “ほら……ここら辺こすると気持ち良いでしょ?” のくだりが秀逸でした。最初はヤリチンだから女性の弱いポイントを把握してるのかと思ったんですが、真相としては彼女が日々のオナニーによって見つけたツボってことですねw ひっくり返るようなオチがつく作品なんですが、読み返すと細かいネタが仕込まれてることに気付かされる。気持ち良さの説得力としても秀逸だし、それと同時に自分を犯す、という倒錯した状態、それを嬉々として実行してる彼女(根暗女子)の心理などを想像する余地がありますね。彼女は彼女でチンコが擦られる気持ち良さは初体験だったと思いますので(入れ替わりが初めてならば)、そこらへんも興味深いです。

『姫、手中に収めたい。』雨宮ミズキ

 オタサーの姫オタサーの中で姫に興味がなく寡黙にゲームに打ち込み続ける水原……とここまで聞くと「絶対に振り向かせてやる」的な奮闘記を想像するんですが、それを通り越して水原のことが大好きなので意外。その理由が単純で手フェチというのも良かった。ゲームをやるその手に夢中、という話の流れがキレイ。オタサー、姫、ゲームを続ける水原と話が無駄なく移動していき、主人公(姫)の感情が見る見るうちにスパークしていく。水原の手とは別に元々男性向けオタク文化が好きでサークル入ったらしいのですが、姫化したのは水原に振り向いてほしかったから、みたいな感じなんですかね。
 とにかく主人公の心理、オタク特有の思い込んだら暴走してしまうような心理が魅力的な作品でした。オタサーの姫ってどうしても荒唐無稽な存在に思えてしまうんですが、「彼女もただのオタク」と最初に提示されることで、「たしかにオタクってこういうとこあるよねw」と納得できてしまう。暴走する彼女の存在に説得力を感じてしまうとキャラクターの魅力がグッと増しますよね。ヒロインの魅力で言ったら今号でも屈指のレベルだったと思います。おかしな話ですが、姫である彼女にちょっと感情移入もしてしまうというか。
 んで、手フェチ。これがまた良かった。指フェラが象徴的なんですが、彼女視点でいったら彼女の変態的な願望を満たす主体的な行為なんですが、男目線で見たら「指舐められてエロい」ですよね。手なので触る行為にはほとんど出てくるのも大きい。「おっぱいを触る」は男の願望として定番のものですが、同時に彼女にとっては「憧れのあの手で愛撫されてる」でもあるわけで。この二重構造がエロ作品としても効果的だったと思います。

『たえこちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第17話。本作、1話におけるページ数が増えてエロさが増したと思うんですが、今回はエロに向かうまでの助走パートが最高でした。作品が進むに連れ、インフレのようにアブノーマルな関係が加速していったんですが、そのおかしな日常を平和な日常として語り合ってる序盤が良い。常識で考えたら変なことを極めて日常のこととして語ってるギャップ。そこから徐々に意識するようになって……というグラデーションも最高。序盤の段階ではこの2人で至るとは思わなかったなぁ。互いに日常的なエロを客観的に語ることで日常が新鮮さが増す、みたいなことだと思いました。まさか、そのままこの2人でずるずる行っちゃうとは。徐々に意識し合うようになって、ラブホに入ってしまったら、先ほどの日常会話の内容を踏まえたエロへの入りになるから最高。さっきは幸せな日常として話してたノロケと同じことを浮気として再現してしまう。この「ダメだけどもう止まんない」という心理がものうごいリアルで良かったです。

『むつ姉のお尻が破れた』Dr.P

 特にエロ漫画だとパンツルックの女性は珍しくてそれだけで「良いね」とテンション上がるんですが、そこからタイトルの通り破ける。すぐに「これがやりたかったのかw」とオチがつく感じが良かったです。破けた裂け目が、日常生活にぽっかりと空いたエロという異世界に続く穴のようでもありますね。もしくは主人公の理性の糸。破けた隙間から見るお尻が可愛い!! というフェチがそのまま物語に合致してるのが良い。
 komifloのコメ欄で破けた状態のままやれよという人がいて言わんとすることも分からんではないんですが、いざ「やるか」となった際にちゃんと脱ぐってところに初々しさが現れてるようで別の魅力があったと思います。「もう後戻りは出来ねぇ」と覚悟を決めたというか。
 てか、ノー乳首のまま作品が終わるので、かなり攻めた作品、作者のこだわりが強く出た作品なのは間違いないと思います。「お尻がメインだからおっぱいはいらない」というストロングスタイル。個人的には女性のシャツ、ブラウス姿がとても好きなので、大喝采でしたw

『我、イケメンで候。』和久津ゆうたろう

 イケメン至上主義なギャルに復讐する話。超常的な現象によってオタクくんが変化するという意味では『気付いた後には』とも近いかもしれない。ただ、本作の味噌としてはあくまでも「復讐」。イケメンになることでギャルが手のひら返したように近づいてくるんですが、それでも復讐心が途絶えないのが偉い(?)。第三者視点ではギャルのイケメン贔屓がみっともないのは分かるんですが、いざ自分がイケメンになっておいしい思いをしてしまったらその問題意識を忘れてしまいそうなもんじゃないですか。私だったらギャルの誘惑にそのまま溺れる自信がありますw
 ということでイケメンパートはあくまでも前フリ。本作で大事なのはブサメンに戻ってからの復讐。ハメ撮りで脅して関係を持ち、イケメンの際に得た経験を元にギャルを徹底的に攻めていく。対面座位の最中にイケメンのときにやった対面座位の様子がカットインする演出が最高でした。イケメンに甘えるのと、ブサメンに憎まれ口を叩く対比なんですが、それだけではなく、よく見ると現在(ブサメン)の方がギャルが強く喘いでるんですよね。前回得た経験を元にそれ以上の快感を与えてる、と明確に違いが分かる描写になってるのがうまい。イケメンよりもブサメンの方が気持ちいい、と彼女に叩き込むのが彼にとっての最大の目的なんですが、それを端的に示してて見事。ここで語られる中に出すか外に出すかという2択がそのままラストシーンに向けた助走になってるのもうまい構成ですよね。

『慟哭の檻』唄飛鳥

 第2話。前回はスカがあって衝撃だったんですが、今度は小の方でまた衝撃のプレイになるのでした。そんな酷いこと毎回よく思いつくなw ある意味一貫性はあるので次回はどうなってしまうのか、と気になってしまう。
 冒頭、ワケも分からないままエロが始まって、絶頂すると時間と場所が移る、という構成は前回と同じなんですが、前回は「一週間前」に時間が戻り、今回は時間が進む。夢じゃなくて続きだった、と絶望するラストの展開が秀逸だったと思います。よく考えると、事件の真相についてはまだ特別分かってないのが怖いですね。まだまだ続くw
 エロパートに関しては、洗濯バサミとローターのコンボが衝撃でした。ものすごく突飛なエログッズを使うのではなく、ありきたりなものを組み合わせることで悪魔的な効果を生む、というのが良い。ありきたりなアイテムだからこそ、こうしたらどうなる、というのがリアルに想像できますね。まったく知らない世界でしたが、男でも乳首で同じことやったりするのだろうか……

『洗女』ねこあか

 「○女」シリーズってことになるんだろうか。怪談チックなネーミングですが、特にそういう話ではない。エロの方向性も全然違うから面白いですね。本作は徹頭徹尾ヒロインが強い。最後の最後に明らかになる事実がまたさらに彼女の優位性を強める内容なので最高でした。彼女の心を1ミリも動かせてない、と知るオチ(そのことすら主人公は知らないw)。
 美容室。シャンプーしてもらうときに胸が当たってドキドキ、という男の願望ですね。そこから驚くほどアッサリとエロ展開に繋がっていくんですが、大オチでその真相が明らかになる、という構成が良い。歯医者でもそうですけど、男の客が意識してそわそわしてるのがバレバレってよく聞くじゃないですか。胸にタオル入れてるんだけど、それに気づかず勃起してやがる、みたいな。それと同じで女性からの「エロいこと考えてんのはお見通しなんだよ」というカウンターパンチをエロ漫画的な飛躍をもって描く。エロが発生してる以上、どんな真相だろうと男的には満足ってことになっちゃうんですが、そこに何も知らない男の間抜けさというスパイスを加えたのが良い。たしかにエロを享受したので彼のことは羨ましいんですが、それと同時にオチですべてがひっくり返る衝撃も色あせない。女性はたくましかった、というオチは逆に言うとエロを享受することに後ろめたさを感じる必要がないってことでもあるので、そういう意味でもカラッとした後味で好きです。
 んで、シャンプー台プレイ。場所としての制限がきついんですが、それ故の魅力がありましたね。個人的には目をふさいだ状態のままの挿入、からのキスってのが最高にアガりました。目隠しのまま耳にフーッと息を吹きかけて彼女にとっての本題を切り出すんですが、要するにそれだけ重要な場所なのでそこが男の理性がとろけるプレイってことですよね。男が「まんまと」なのでオチを踏まえてから読み返すと笑ってしまいますw

『腐った姉があらわれた!』えびふらい

 おねショタ。さらに、まさかのコスプレも追加なので熱い。マジ熱い。弟くん可愛すぎる。エロに関しては姉がノリノリなんですが、弟は弱みがあるので言いなりになってしまう。この仕方なく、という表情から満更でもない表情の移行が可愛かったです。ショタの充実ありがとう……
 脅しにも近い形で姉が攻めるんですが、エロにとろけて素直に甘えてくる弟の姿に逆に姉の優位性が崩れていき、我慢できずに挿入。正直これでもうお腹いっぱいだし、普通に考えてここで作品が終わっても不思議じゃないんですが、なんと、まさかのコスプレ投入。脅しで始まった関係なんですが、コスプレに関しては弟くんが自らの意志で、サービスとして勝手に着てくる、というがまた熱いですね。クライマックスの先にもう一つ、とんでもない山が待ちかまえてるので読んでてガッツポーズでしたw 脅しという体裁が徐々に薄れてただ、2人の快楽のためだけに、とシフトしていく感じも素晴らしいですね。2人とも完全にハマっちゃってる。読者としても「そりゃハマるだろうよ」と納得しかない。本当にありがとうございます……

『変身スイッチ』ジョン・K・ペー太

 断面図描写の極北。断面図にインパクトを感じてしまうんですが、話的にちゃんと意味があるのが面白いですね。「どの穴か」がメインテーマの作品ですので。無表情ヒロインの外見と内面のギャップという意味でも面白かったです。
 ハードすぎる変態プレイなんだけど、2人のキャラクターとしては実に漫画チックな味付けなので作品全体としての印象はカラッと楽しいのも独特のバランスで良いですね。セックスファンタジーの楽しさを追求してるというか。終盤、彼氏的にはやっぱり普通の穴でフィニッシュを迎えたいんだけど、そうすると彼女が “…オナラしか出ない…” と元の表情に戻るのも笑いました。笑ったんだけど、彼女のキャラクターの魅力の本質(変身)を改めて再確認してからクライマックス、という流れは大事ですよね。アヘ顔がデフォルトの子になってしまったらそれはそれで味気ない。エピローグの面接も迷惑すぎてマジ笑ったんですが、あれも0から100へと一気に変身してしまうところに魅力があるわけですよね。

『ゲノム』古賀亮一

 例によってハチャメチャなんですが、意外とパクマンが大人しいので笑った。 “1コマ目より状況が悪くなってるんですが!!” とかマジ好き。正体が分かったところで何も事態が改善してないw
 梅雨突入でジメジメしてきたので、なっちゃんの脅威は決して他人事ではないよな……とギャグ漫画から教訓を得ました。気をつけようと思いますw

コアマガあほすたさんあほすたさん

 愛人。愛人ビジネスって感じでしょうか。かなりシステマチックに成立してるのが衝撃でした。そして、その金銭的な規模ですね。金額を考えれば当たり前なのかもしれませんが、セックスのハードルが低いというか、デフォルトという感じに「知らない世界すぎる……」と震えました。どんな世界なのよ。下手なエロ漫画より全然荒唐無稽な世界というか。

『母性天使マザカルカノン』一億年惑星

 第32話。ステイホーム中のカノンちゃん、メガネでマジ可愛い。表情がそれほど動いてないフラットな感じが逆にレアで魅力的というか。
 ステイホームあるある。変な趣味を追求しがち。カノンちゃんがエビ動画にハマり、それがクライマックスを迎えることで我に返る。ラストページの緊張と感動からの爆発が最高でしたね。カノンちゃんの動画マジ見たいわw

「読者ページ」

 出張所の方の話題で申し訳ないんですが、復活して本当に良かったです。ボイスドラマも月に一度のお楽しみですが、言うてもあのお喋りが聞きたいのですよ。何とか再開し、続きそうなので安心しました。ツイッターの凍結ネタは被害を考えたら深刻なんですが、笑ってしまう……


 終わり。久々に感想書けて良かったです……って月末になってしまったんですが。
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 最後にアンケート。面白かったと可愛いが『崖っぷち恋唄』で、ヌけたが『腐った姉があらわれた!』かな。その他おねショタ作品も入れたいんですが、今号は『崖っぷち』がかなり好きです。
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