北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#79 の感想

 リニューアルだよー。紙版だとオマケが付くよー。
gohomeclub.hatenablog.com

COMIC X-EROS #79 2019年 8月号

「表紙」みちきんぐ

 おおっ、かっこいい。文字がない。雑誌の表紙とは思えないレベルで文字がない。快楽天やビーストがリニューアルすることでゼロスの存在意義が問われてる側面もあると思いますが、この表紙でその答えは明確ですね。ゴージャス感が違う。

『すりぃぷらぁにんぐ』あきのそら

 前編。最初に前編と明かされるワクワクってありますよね。普通の作品だと話が盛り上がっていくとクライマックスを感じ、嬉しいと同時に終わりの予感も感じるんですが、前編だとそれがない。「まだ続く」という担保。
 扉がガッツリあるんですが、やっぱ扉は良いよね。本編と地続きのタイプの扉なんですが、それでも明確に主人公の中で妹を性の対象として一歩踏み越える瞬間を描いてる。ちょうど扉を境に「もう我慢できん」になってるんですよね。
 んで、寝てる妹に悪戯。最初は自分が気持ちよくなる悪戯だったのが、徐々に妹を開発するようにシフトしていく。単なる悪戯ではあるんですが、明らかに開発したあとのことを想定してるっぽいのが不気味で良い。最初は「やっちまった」だったけど、途中からは計画的なニュアンスが混ざってる。
 冒頭の場面で雑な『スマブラ』の場面が描かれて笑ったんですが、案外それにも意味があって。開発が進んだ妹がゲーム中に気持ちよくなった際、 “もう軽く触れるだけでポンポン飛んじまうようになったぞ” というセリフに繋がる。うまい!! 数ある対戦ゲームの中でもこのセリフが成立するのは『スマブラ』くらいなんじゃないかしら。
 本作で2回あるコマの枠外が黒くなる演出が不気味で効果的だったと思います。主人公は割とフランクな感じで睡姦に及ぶし、あまり罪の意識もなさそうなんですが、この枠外が黒くなる場面の不気味さが彼の心の中に広がる闇を表現してて雰囲気あります。明らかに越えてはいけない一線を越えたという実感があるんですよね。

『キャンパスライフ』さんじゅうろう

 妹を睡姦する作品の次は寝てる先輩に襲われる話。対照的で面白いですね。男が女を襲うのは同じなんですが、本作は女性視点の物語で、しかも寝てる(酔ってる)男に攻められる。この設定だけでも面白いんですが、『すりぃぷらぁにんぐ』の直後にあることでより魅力が増したと思います。単純に人気作家を前の方に並べただけだとは思うんですが、出来すぎた偶然ですね。
 話の構図としては寝取りなんですよ。そこに酒というアイテムが加わるんですが、主人公は未成年なので酒を飲まない。酔わないので意識を失わない。それでいて飲み会で疎外感もちょっとあるんですよね。それが先輩カップルに対する疎外感とも通じてる。
 そんな先輩を家に送ると、酔って意識を失った先輩が彼女と勘違いして迫ってくる。主人公は寝取る側なのに被害者でもある、というめちゃくちゃ不思議な構造。そこで衝撃なのは “またユキ先輩と間違えてる…” 。「また」かよぉぉ!! 本作36ページと大ボリュームなんですが、とにかく物語の構造、語り口がうまいんですよね。情報の開示の順番がめちゃくちゃ巧みで、まず最初で「初めてじゃないのか!!」と驚かされる。酔ったまま襲う先輩はクズだけど、それを受ける主人公もむしろ喜んでるフシがあって……というのがもう最初から面白すぎるw
 ぶっちゃけ、この酔った先輩とやる場面だけで読切1本が完結してもおかしくないレベルだと思うんですが、そうはいかない。本作の物語は3つに分割するのが適切だと思うんですが、ここでまだ1/3。2/3は先輩カップルが起きた状態でセックスするのを主人公が壁越しに聞く。それをヘッドホンで拒絶するんですが、それが彼女の心理表現として見事でしたね。
 からのクライマックス、3/3パート目。いつものように飲み会帰りで……と思ったら先輩起床。なんでや、と思ったらウコンドリンクとヨーグルトが出てくるので笑いました。効果絶大かよ。今度から真似するわw ここで「たまたま肝臓の調子が良かった」で済ませないのがクレバーなんですよね。なぜそれが起きたか、の理屈をしっかり用意する。ロジカルで良いですねぇ。
 んで、ついに意識のある状態で結ばれるんですが、あれだけ憧れてた “ちゃんと見つめ合ってしてんのかな…” を成し遂げないんですよ。ここは意外であり、納得もありましたね。今まで相手が寝てるという精神的な余裕の上で成立してたので、その前提が崩れるととてもじゃないが冷静でいられない。寝てる先輩を一方的に見る関係だったのが、「見られる」という要素が出てきて、それに耐えられない。
 最後、ゴムの数で先輩の方が「初めてじゃないのか?」と疑問を持って、ハッキリとした答えをもらわずに作品が終わる。このバランスも見事だったと思います。話をロジカルに展開させるのが本当にうまかったですね。読み返してみると、1/3パートでしっかりゴムを使ってるのを印象的に見せてるんですよね。連載ではない長尺のエロマンガの醍醐味をこれでもかと詰め込んだ傑作だったと思います。

『いっしょにSwimmy!』森島コン

 シリーズ2作目。特徴としては語り手が新ヒロインに移行してる点。間男ならぬ間女的なポジションなんですが、陰湿な感じはなく、可愛い雰囲気を維持してたのが良かったと思います。むしろヒロインの性格的に前作の方が陰湿だったと言えるかもしれないレベル。本作で “同罪だよね” と言及はされるけど、基本的には享楽的な雰囲気ですよね。
 そんな新ヒロインのなつき先生、ビッチで2人の関係を壊す感じになるのかと思いきや、意外と優しい。3人が揃ってセックスが始まった際、フェラも挿入も初めてはめぐみ先生に譲る。さらには自分への挿入はアナルですよ。「アナルは浮気じゃない」とは言いませんが、めぐみ先生とは競合しない別のもので満足するという一線は重要だったと思います。言うならば、既存の2人をそれぞれ誘惑して性的に加速させる、そそのかす(小)悪魔のようなポジションだったのでしょう。めぐみ先生が控えめな性格だったので、そこにハッパをかけるような役割で良かったですね。
 オチ。めぐみ先生の真実で笑った。スイミングスクールという限定的なシチュエーションしか描かれてこなかったからこそのトリックですね。これは見事だわ。ギャグとしてもそうだし、めぐみ先生となつき先生という本来なら対照的で仲良くなりようがなかった2人が豪くんを通じて繋がる、買い物に行くようになる、というのが何だかドラマチック。

『知らないアソビ』守月史貴

 子供の頃、守ってあげてたいじめられっ子と再会したら女の子だった。別に男だから仲良くしてたわけではないけど、めっちゃ意識してしまう、という情けない男の心理が最高です。主人公の自分のが立場が上で、守ってやってると思ってた心理的牙城が一瞬にして崩壊するのが楽しい。この同性と異性で大きな一線を引いてしまう感じが子供っぽくて可愛いんですよね。男女の関係として仲良くなろうとしてるヒロインの方が実は遙かに大人な思考をしている。
 そんなヒロインがやたら積極的に迫ってくるんですが、この積極性が本作のテーマになってくる。冒頭の場面でも語られますが、自己主張できないのはミジンコ野郎。なので、積極的なヒロインに振り回されるようにエロに発展する話ではあるんですが、要所要所で主人公が「言う」んですよ。ただの受け身では終わらない。そこがすごい感動的でしたね。誘われたから、ではなく彼も好きだから彼女を抱く。ただ、それと同じくらい「言えない」場面も出てくるのでそこがギャグ的に楽しい。見た目はヤンキーっぽいんですけどねw ただ、基本的に彼の心情がメインで描かれる作品ですが、要するにこれと同じことがヒロインの中でも起きてるという話ですよね。彼女も決意してるわけですので。彼女の心理についてはある程度想像させる作りになってたのが良かったと思います。
 あんだけ互いに照れてたのにやってることは壮絶なのでそのギャップで笑うんですが、それが「バレる」というオチに繋がるのも良かったです。まぁ、あんなところであんだけ大きな声出してたら仕方ないw

『Secret Face』軽部ぐり

 ダブルメガネ夫婦。専業主夫とテレビで論客として名を馳せる弁護士の妻。2人ともメガネで、2人ともメガネが反射して瞳が見えないビジュアルにギョッとするんですが、読み進めると分かるのは「夫だけが知ってる妻の魅力」という点。この一点を際立たせるための設定であり、メガネでしたね。この設定がマジで素晴らしかったと思います。夫婦でも恋人でもいいけど、世間的な評価は低いかもしれないけど自分にとっては世界一魅力的なパートナー、という感覚はあるじゃないですか。その実感を描く設定が最高。この感じすごい分かりますよね。俺にとって世界一の美人なんだから世間からどう見られようとどうだっていいんだよ、むしろ魅力がバレてない方が好都合、みたいな心理。ただ、ちょっとみんなにも知ってほしい気持ちもあったりして。「俺だけが知ってる」という優位性に酔いたいけど、「どや俺の嫁可愛いやろ」という心理もゼロではない、みたいな感じ、誰にでも生じるものだと思うんですよ。それをものすごくマンガチックにデフォルメすると本作になる。その妻の二面性をメガネのオンオフで表現したのも簡潔かつ適切ですし、夫の方は最後までメガネがキープなんですが、これは要するにヒロインにとっては「私だけが知ってる世界一のイケメン」という意味でもありますよね。同じ弁護士事務所出身ですので。互いに理想の相手であり、理想の夫婦なんだろうな、という関係性の魅力がバッチリだったと思います。てか、軽部先生、題材の振り幅やばいっすね。若者カップルとか可愛い系が続いてたと思うんですが、急にすごいギャップのあるヒロイン(夫婦)持ってきて驚くし、それが文句なく魅力的なのですごい。

『ラブミーティーチャー!』つかこ

 先生が大好きな黒ギャル。童顔で可愛い系なのでたまたま日焼けしてるだけかも、とも思ったんですが、しっかりギャルなのが良かったですね。 “オタクきもいなーとか思ってたけど…” とかなかなか辛辣なので笑いました。そんな彼女が先生にだけは、という良さですよ。ホレた弱みと言いますか。
 デフォルメも適時入ってきて表情がコロコロ変わる感じがめちゃくちゃ可愛い。それが好きな人に対して真っ直ぐになってるヒロインのキャラクター表現にハマってるので、ページを進めれば進めるほどに彼女に魅了されていく。それが「生徒に手を出すなんて」「そもそも三次元に興味ないし」という先生の心理にも重なる。彼女の魅力で拒絶する気持ちが徐々に氷解していくんですよね。あんなに可愛く懐かれたらそりゃホレるわ!! と読んでて納得というか、謎にキレそうになるw 先生にはトラウマがあって(デカチン)、それを優しく受け止められる、という部分も良すぎますね。こんなんされたらもう折れるしかないだろ、という説得力w

『隣のパンストお姉さん』いづれ

 隣のお姉さんを覗いてたらバレる。覗いてる場面が少しダークで迫力あるんですが、バレると即謝りに行ってカラッとしてるのが印象的。基本的には素直な子なんだけど、エロに夢中になって別のスイッチが入ってしまってた感じがして良い。素直な子なのでお姉さんの方がなぜか満更ではない気分になり、と展開していくのも面白いですね。やっぱ悪いことしたらちゃんと謝るのが大事だわw(教訓)
 一度は触れもせずに解散したものの、互いに我慢ができなくなる。ここで「匂い」がキーになってくるのが良かったですね。女性の部屋の匂いもそうですが、男の子の匂いにお姉さんの方も当てられちゃってる。タイツもそうなんですが、少年がパンツを穿いたまま刺激されたり、イッたりするのが多いんですよね。それが匂いでもあり、互いに表に出せずに溜め込んでる性欲、という表現でもあると思います。パンツやタイツを脱いだりずらしたときの、匂いがむわっと広がる感じが2人の性欲が徐々に解放されてく話と合致してる。最後まで蒸気の表現が印象的な作品でしたが、マンガという媒体には乗っかるはずのない匂いを想像させるのに効果的だったと思います。

『堕ちろ!ねっとり指南!~その2~』変熊

 変熊先生2作掲載とかいうすごい企画になってるんですが、その1本目。ゼロス#70に掲載されてる作品の続編。ツンデレな娘と性的にどうかしてる(ホメテル)母親の話。娘は娘でツンデレの度合いが過剰なんですが、母親の前ではただの常識的なツッコミ役に見えてくるから楽しい。
 晴れて娘と付き合うようになったけど、母親との関係がなくなったわけでもなく。セックスするの了承してたけど(既におかしいw)、彼氏が開発されてて様子がおかしい。
 分かりやすく特定の誰かの視点で語られるタイプの作品ではないんですが、強いて言えば前作は母娘に振り回される圭介が主人公だったと思います。が、本作だと彼はすっかり毒されてしまってるw ので、娘のツッコミによって話が進行する感じになってますね。もうまともな語り手として機能しなくなったかつての主人公、泣けるw
 前作もそうなんですが、この母親、自分の性欲を満たすために圭介を利用してるという感じではないんですよね。もちろん異常なまでの性欲の持ち主でそれ故の暴走ではあるんですが、彼に対する気持ちもある。 “自分の動作一つでけいちゃんが敏感に反応してくれるのよ?” とか支配欲でもあるけど、かなり好きなフレーズですね。特に娘が過度なツンデレで愛情表現を積極的にするタイプではないので、母親の方にもまともな面はある……と錯覚しそうになるw もちろん娘の方が断然まとも寄りではあるんですけどね。そのチグハグさが楽しかったです。

『あなたの表情』桐原湧

 小さな中華料理屋の娘と常連の話。決してハデなタイプではないヒロインと7つ下の常連、この雰囲気がめちゃくちゃ良い。薄幸感もある美人と驚くほどの好青年、この2人が順調に関係を深めていくのが見ててもうニヤニヤですよ。よくよく考えると何の障害もない幸せしかないドラマなんですが、語り手であるヒロインが自信なさげなモノローグを入れるので嫌味にはならない。長年好きだった気持ちが爆発して告白した直後にガバッと襲いかかって……なんて話でもないんですよね。すごい着実にデートを重ねていく描写がしっかり入るのが良い。意外と珍しいんじゃないですかね。1ページあるかないかの違いなんですが、本作においてはこれがめちゃくちゃ大事だったと思います。勢いではなく、行くべくしてラブホに行き、結ばれるべくして結ばれる。
 ヒロインの方が年上だけど、そのことが少しコンプレックスにもなっているので、セックスの際も彼女が童貞くんを優しくリード、とかではない。彼の方が積極的に動くけど、たまに “大人っぽくなったと思ったけど 今はちょっと男の子の表情してる” となるのが良いんですよね。彼にとってのヒロインは子供の頃から憧れてるお姉さんなわけで。この2人の関係性が良いんだよなぁ。

『快感デート♡』東雲龍

 komifloのコメ欄見るまで気づかなかったんですが、続編。ストーカーの女の子を返り討ちにしてセフレになる『快感アプローチ』の続編。衣装もシチュエーションも全然違うから気づけなかった……くそぅ……
 ということで、海。彼の用意したエロ水着からの始まって、終始彼の一方的な攻めが描かれて「ひでぇ彼氏に捕まったな」とか最初は思ってたんですが、続編だと思って読み返すと印象が一変しました。前作に比べれば大人しいというか、変態カップルの高度なイチャイチャにしか見えないんですよw てか、エピローグとかマジ微笑ましいですよね。前作もギャグっぽいオチではあったんですが、本作はより「幸せそうで何より」と暖かい気持ちになるというか。

『Twin Tube』KANZUME

 双子で、エロ配信。どちらも単独では割とあるテーマだと思いますが、それが両方となると珍しい。同じ家の隣の部屋同士でそれぞれが配信やってるってすごいw
 双子でどちらもエロいのは間違いないんですが、キャラクターもエロの方向性も対照的なのが面白かったです。姉はごりごりのビッチ系で配信ではチンコを取っ替え引っ替え。妹はオナニー専門でニッチ系。エロ配信によって得る快感がそれぞれ理屈は違うんだけど、ちょっと納得できる感じなのも良かったです。1本のチンコを用意してそれを視聴者のチンコに見立てるか、贈ってもらったバイブで間接的にセックスを味わうか。
 2人の配信がが競争意識を持って過激化していくのも楽しいんですが、クライマックスは互いの正体に気づいてからの合同乱交。配信ということもありマスク着用で男の方は完全にチンコ要員という感じなんですが、それぞれのファンということでウェーイとオタクと二極化してるのが楽しい。2人のヒロインが互いのファンに手を出すことで双子でマウントを取り合う、という展開が見事なんですよね。オタクくんがビッチに瞬殺されるのも情けなくて笑えるんですが、隠キャ妹とウェーイたちってのも意外な組み合わせで良かったですね。ウェーイは軽い気持ちでホメてくるので、案外ハマってしまう。あれか、ホストクラブにハマってしまう女性の心理かw 水と油かと思ったらこれはこれで意外と……となるのはマジ良かったですね。「言われてみれば!」と納得できるからすごい。
 ということで、ファンを制圧した姉の勝利……かと思ったらオタクくんが意地を見せるのでちょっと感動してしまったw 姫を囲うオタサーがビッチに荒らされるような構図だったと思うんですが、姫への忠誠心を守ったあのオタク、偉いぞw
 最終的に達成した視聴者数4519人は、シコとイクってことでいいのかしら。ああいう数字見るとつい語呂合わせを考えてしまいます。最後にも数字は出てきたんですが、あれも……?

『雑用係』楝蛙

 映画ファンの間だと最近「ナメてた相手が殺人マシンでした映画」ってジャンルがよく語られるんですが、本作もその「ナメてた相手が」のエロマンガ版ですね。楝蛙先生の前作『花ちゃん先生』(傑作)と同じ路線と言えると思います。ただ、今回のヒロインは生徒で、実質イジメを受けてるようなもんで……というのが良い。主人公もクラスでは日陰な存在だが、彼女のことを同情しつつも助けるほど甲斐性もない。ちょっと同族の意識もありつつ下に見てる感じが良いんですよね。この感じすげぇリアルですよ。そっからクラスのはみ出し者同士キレイな恋に発展していく素敵な予感もあったと思うんですよ。あったけど、違うんだよなぁw
 地味で、いじめられてるような子がエロいはずない、という思い込みからのギャップが本当に楽しくて。単に性欲溜め込んでるってだけではなく、やってることが完全にビッチなんですよね。イメージに反してガンガン攻めてくるから最高。完全なワンサイドゲームだし、 “今までの男子で一番かも…” とまで言われちゃうのも良い。恋心のようなものを抱いたところで到底手に負える相手ではない、という感じですね。そっから「雑用係」で物語にオチがつくのもキレイでした。上下が逆転するんですが、これはこれで最高のポジションだと思いますw

『Large⇆Small』ヨシラギ

 ツルペタと結婚したが、今では巨乳。そこで若返り薬を使って……夫の方が若返る。そっちかいw
 正直ですね、イメージで出てくる奥さんの若い頃、ツルペタ時代がめちゃくちゃ可愛いんですよ。もちろん巨乳の今も素敵なんですが、エグい身長差とか超良いです。なんですが、夫のショタ化はこれはこれで可愛いのでオールオッケーですw 2人の上下関係が肉体の変化によって完全に逆転するとか良いですよね。クール決め込んでるけどあっさり巨乳に敗北するショタ夫、良いぞー。おっぱい大好きになっちゃうのも良いですよね。おっぱいにすがるショタは良い。絵面として良いw 子供っぽい表情になる場面とか可愛いし、それを見て悦に浸る巨乳妻も可愛い。

『ママハン』七尾ゆきじ

 ママをハントする話。ふざけたタイトルだと思ったらごりごりのレイプなので驚きました。ハント対象がママなので、当然ハントする側は息子世代ってのが闇深いですね。数で迫るし、その成果を報告しあうサークル? コミュニティーがあるっぽいんですが、同級生の母親を当たり前のように抱けるのが複数人いるのがすごいw 1人でも驚くやつだと思うんですが。その前提として狂ってる感じが不気味で良いですね。女性なら誰でも襲っちゃうような話ではない。学校の母親限定。コレクション感覚っぽいのがねぇ、イヤですねぇw
 前に襲った母親との映像を見せる、という犯行の導入も不気味で良かったと思います。最初は状況が飲み込めないでいるけど、よく考えたら映像の中で襲ってるのは今隣にいる2人で……という感じ、こえぇw そのあと実際に襲われる際、映像を撮られるんですが、おそらく次の犯行の際にその映像が使われるんでしょうね。数珠繋ぎというか。細かい背景は何も分からないまま物語が進行していくんですが、意外とレイプが始まるのは遅いんですよね。助走の部分がねっとりと描かれてるのが印象的でした。時限爆弾はカウントダウンしてるときが一番怖い、みたいな効果ありました。

『お嬢様の秘密の息抜き』さつきあしゃ

 お嬢様と召使い……なんですが、召使いが可愛い。女の子かと思った。てか、よく見ると短パンなんですが、スカートのようにも見えますよね。そこが可愛くて最高ですw 何の説明もなく女装してるのではなく、過度に可愛いので錯覚してしまうだけ。
 そんな召使いがあわあわしたり、もじもじして可愛いんですが、途中で豹変するので笑った。猫かぶってたのかよw 攻守交代するんですが、小さい体で支配してくるのが良いですね。同時に振り回される側になったお嬢様も魅力的です。
 攻守交代したらお嬢様は全裸になるけど、ショタの方は脱ぎきらない、というのも2人のパワーバランスを反映してるようで面白かったです。あと、単純に服の残しが可愛いですw(感想そればっかか)

『ちゆなか アフターケア』fu-ta

 ゼロス前号掲載の『ちゆなか』の続編。ページが短めでエピローグみたいな雰囲気もありますかね。ナースとのイチャイチャの話だったんですが、本作では院外で私服。続編として変えてくるのもそうですし、特別ではなく日常的な関係になったという感じも良いですよね。当たり前ですが、ナースと付き合ってデートするようになったらナース服ではないわけですので。
 ラブホでやりたいことを思いっきりやる、というのも前作と対照的。前作は事故的に巡り会って、その場でやったんですが、本作は当たり前のこととしてデートとして、エロいことをするつもりでラブホに行く。非日常から日常ですね。ただ、エロとしては加速してるんですがw
 結局病室に戻ってしまう、というオチは割とベタではありますが、その経緯が特殊なので笑った。ちゃんとセックスの内容に沿った逆襲で、それが思わぬ事故に繋がる。寝起きでアレは怖いわw
 てか、シリーズモノとして、地味にドクターが再登場したのも嬉しかったですね。あの「おやおや」感好きですよw

『友達のおねえさん』ababari

 タイトルの通りなんですが、友達の姉という距離感いいですよね。身近な年上の異性であり、可愛がってもらう口実もあって、けど緊張もあるし友達の手前彼女との繋がりがメインになることもまずない。そんなヒロインとひょんなことから2人きりになったら、襲われる。そっちかーw 14才のサッカー少女の姿がこれはこれでめちゃくちゃ可愛かったんですが、そこから随分と変わった姿で再会したら、見た目以外もすごいことになっていたw
 てか、主人公が変わらずショタ全開で可愛いんですよ。友達のお姉さんに憧れる主人公の気持ちも分かるけど、あんな可愛いショタに思いを寄せられてどうにかなってしまうヒロインの気持ちも分かってしまうw いや、彼女はかなりの魔性っぷりを発揮するので感情移入とか寄せ付けないタイプでもあるんですけどね。それだけ主人公が可愛いのですよ。
 サッカーで失った自信をヒロインを抱くことで再び勝ち得るというショタが大人になる成長の物語でもあるんですが、ちょっとダークな感じがちらつくのが味わい深かったです。友人への嫉妬が、セックスを通じて優越感に変わる感じとか、良い話でいいのか? みたいな後ろ暗さがありますね。
 そんな複雑な感情が最も現れてるのがクライマックスの射精の場面。ここがマジ最高で。右ページで左向きの構図で射精するんですが、それがそのまま左ページに繋がっていって、放たれた精子が思い出の14才のほのかさんの顔に覆い被さる。精子でサッカー少女との思い出が上書きされる。これめちゃくちゃすごいでしょ。エロマンガの持つ無限の可能性を感じる……

『搾精大好きコスパシェリーちゃん』柚子まち

 komifloのコメ欄見たら作者が全レスしてるのでマジ驚きました。こんなの初めて見たw すごすぎる……
 エロ同人作家が売り子をしてくれた有名レイヤーと。この手のイベントの、特にレイヤー側の事情が分からないんですが、年齢制限とかあるんですかね。あるんだとしたら単に見た目がロリなだけ。
 サキュバスの格好をしてて、実際もサキュバスさながら……という感じなんですが、グラドルとしてプロとしての活動もしてるらしく天上人感もある。この浮き世離れ感が「ホントにサキュバスなんじゃね?」という感覚を補強してるようで良かったです。
 とはいえ、本作の見所といえばやはり終盤やってくる左右対称のコマ割り。あれはマジでビビりましたね。見開きで目に入ってきた際のインパクトがすごい。すごすぎる。読んでて「ウソだろ?」とマジで声が出たレベルです。しかも、それが1回きりじゃないんですよね。「左右」の対象があったと思ったら「前後」もあって、横に寝そべったヒロインを映す「前後」をページの下部で見せたりもする。マンガという表現媒体で自由に遊び回ってる感が最高。実験的な表現にちょっと感動すら覚えたレベル。

『ぎゃるしん! -雲散霧消-』池瀧玩具店

 シリーズ最終幕。今までは男性主人公がギャルのパンデミックに翻弄される話が多かったと思うんですが、今回は女性主人公。初回以来になりますかね。クライマックスにふさわしい作りだったと思います。ギャル化してない主人公がギャル化した社会に翻弄され、飲み込まれていく話。ミイラ取りがミイラになるような話なんですが、それはギャル化のウイルス(?)とは関係なく人間の作ったセックスカルトによって、というのが良い。ゾンビ映画とかもよくあるんですが「本当に怖いのは人間」的な感じですね。
 そこで出てくるのが前作で描かれた宗教。セックスカルトですね。前作だと目的があまり見えなかったのですが、今回「男性の激減」という現象が語られたので、男性の独占が目的だったと分かる。あの社会で男性を独占したらすごい権力になるよな……という設定の掘り下げが面白いんですよね。もうちょっとしたSF的な楽しさでもあるというか。チンコがドラッグ的でもあり、チンコによる快感が神によって与えられた何か、とか言っちゃえば宗教として絶大なものになるのも納得。

『楽しい記録』変熊

 変熊先生2本目。決してハデではないけど魔性を感じるヒロイン。事情も分からず困っているところを助け、彼女との距離が近くなったら我慢できなくなってしまい……という不気味さ。彼女から何かをするということは全然なく、すべては主人公の方からアクションを起こすんですが、本当にそれは彼の意志と言えるのか、みたいな。男が勝手にどうにかなっちゃう感じ、リアルですよね。気づいたときにはもう抜け出せないほどに魅了されちゃってる。ファムファタール的な魅力と言えると思います。
 んで、彼女の闇が明らかになって話が大きく動く。これが彼女のミステリアスな雰囲気、何とも言えない性的な魅力の根拠にもなってるのが良いですよね。
 主人公は過去の男たちとは違う、主人公との間には愛がある、と思えて安心もするし、ハッピーエンドのような気もするんですが、不気味さは最後までなくならないどころかむしろ大きくなってるのが良かった。彼女が襲われてるようで襲わせていたんじゃないか、みたいな余地が残るんですよね。 “心の綺麗な洋一さんが私の色に染まらないかなって” というセリフが彼女の真意に最も近いと思います。男に影響を与えるのを喜びとしている、みたいな。だからこそその変遷を記録してるんじゃないですかね。
 本作、よく読むと途中で語り手(モノローグ)が交代してるんですよ。終盤になると洋一はほとんどセリフもなくなってる。彼の意志が彼女によって支配されてる感がありますよね。すごい不気味で、彼女に染められてるような感覚が非常にエロい。

『馬飼女子の出した答え』鹿成トクサク

 ゼロスがリニューアルしたので獣姦アリになったのかと一瞬ビビりましたw
 そんな冒頭からギャグ的なやり取りが楽しい。セリフ回しもそうですし、テンポも良くてそっちが主の作品でも全然通用するレベル……と思ってるとエロがしっかり特濃なので驚きます。どちらも中途半端になるのではなく、どちらも全力でその振り幅が魅力ですね。とか思ってたら最終的には良い話にもなるので驚きですよ。あそこから感動的になるのかw かと思ったら気絶オチがギャグ的でもあって……と振り幅すごい。やっぱこういう反復横飛び的な作品好きですね。ジャンルミックス的というか。ただ、そのギャグ的な気絶オチが恋人という新たな関係性になった2人のイチャイチャの話題として消化されていくラストも素晴らしかったですね。笑えると思ったらイイハナシダナーと展開していく。

『お姉ちゃんといっしょ』ミナギリ

 『友達のおねえさん』に続いてお姉ちゃんきたー!! とのんきに喜んでたらすごい話になっていくので驚きました。外部的な事情によって年齢感に変化が生じる話だと『Large⇆Small』とも通じるんですが、全然違いますよねw 本作は事故によるもので、医者による見解も出てくるのでトンデモ設定としてのんきな味わいではない。この言っちゃえば重い設定なんですが、絵として展開されるのは紛うことなきおねショタなので……というギャップですよ。設定を忘れそうになるほどおねショタとして魅力的なんですが、ちょくちょく思い出させられる暗い設定がスパイスとして効いてくる。ここが面白い作品でしたね。体だけが大人になっていく姉と身心ともに大人になっていく弟のすれ違い。弟だけが姉に性を感じるようになってしまって……とか後ろめたさや罪の意識が最高。

『ソープのすゝめ』よこしま日記

 冒頭5ページの怒濤の展開、情報量でのっけからやられたw よこしま先生、過去に『農家になります!』でも怒濤のオープニングぶちかましてましたが、最初の1-2ページ目のめくりが良いよなぁ。ここでとんでもないギャップを見せて読者の意識を鷲掴みにしてくる。そっからさらにとんでもないテンションで話が飛躍していき、1ページ目に戻るので最高。
 ものすごいギャグっぽい印象でもあるし、所詮は勘違いなんですが、彼女の努力は本物だし、その行為と気持ちは何よりも尊いものですよね。笑えはするけど、同時に感動的でもあるし、とりあえず目の前がとにかくエロい。各所に振り切れてるので楽しいw
 ちょくちょく彼女の心境が語られるのも努力した結果を感じられて良いですよね。 “勉強した通りだ 「自然なシックスナインの誘い方」” とか笑ってしまいます。彼の方は自分の意志で攻めてるのかもしれないけど、彼女の手の上で踊らされてるw
 おそらく童貞と処女であろうカップルなんですが、最初から特濃ソーププレイなのでおかしい。ただ、これがエロマンガでよくある「処女なのにうますぎる」みたいなツッコミ(野暮ではある)への解答にもなってますよね。ちゃんと練習してきたんだよ、というヒロインの決意が眩しいw

『地味な後輩が俺のサークルでコスプレ売り子してくれた件』赤城クロ

 序盤の同人誌における売ることに執着していいのか問題が地味に面白かった。エロ、しかも作品とは関係ない売り子のエロに頼らないと売れない状況ってのはつらいw まぁ、作家が売ることに気にせず描いても売り子がエロければある程度は読んでもらえるんだから悪くない話なのかもしれない。
 んで、後輩がコスプレしてくれる。特徴的なのは男の方もコスプレするんですよね。「一緒にやるぞ」という体裁。からの後輩がごりごりのエロ系で来るというギャップ。先輩の申し訳程度のケモミミが情けなくて可愛いw コスプレやるっつってもあんなのしか出来なかったんですね。
 作品の内容は関係なく作品が売れていくのも喜んでいいのか怪しいし、けど後輩はエロくて身体的に反応してしまうし……という葛藤がおかしい。先輩が作家気質全開のめんどくさいキャラクターなので、いちいち思い悩むんですよね。あの生きづらそうな性格が後輩のエロとのギャップで良い。
 コスプレ中に乳首出ちゃってる描写も面白かったんですが、第二ラウンドとしてトイレでやるのが個人的には熱かった。ここでコスプレを脱ぐんですよね。もちろんコスプレも良かったけど、この2人のキャラクター的にはコスプレではなく、いつもの姿で、というのが良かったと思います。そこで通りすがりのモブたちがコスプレの話をしていて、それを聞いて我慢できなくなるのも心理として面白い。コスプレがエロいというよりも、先輩と恋人で普段からヤリまくり、と言われてる点が彼女に刺さる。これが意外かつ「言われてみればそうかも」と納得できる。コスプレを通じて彼女が自信を得る話だったとも言えそうですね。なので、最終的にコスプレをやめて売れない日々に戻る、というオチも分かる。ギャグっぽいオチですが、2人の関係性は決定的に変わったので以前とは明らかに違いますよね。

『ビッチのたしなみ』ミカリン

 苦学生(司法試験)と隣人のビッチ。ひょんなことから2人が繋がる話ではなく、もう過去に1回やってるのが意外でした。やったことあるからこそ隣から聞こえる声が生々しくて集中できない。そりゃ無理だわw
 法律相談みたいな話から始まったのに “慰謝料払って!!” とエロパートが始まるので笑った。慰謝料のくだりが無茶苦茶すぎるんですが、その点こそが2人のギャップとして端的ですね。エロまでの助走が異様に短いのが「これがビッチか」という説得力w
 昨晩は最後までやらずにセフレを追い出したからビッチは欲求不満で気分も高まってる。初めてのときはゴムしたけど、今回はナマ、という話の展開がエロに還元されてくのも見事だったと思います。そのナマの件がラストでオチとして「さすがビッチ」となるのも良かったですよね。てか、ピル飲んでるのに以前やったときはゴムを着けたのが気になります。彼の方が生真面目さを発揮して着けたのか、ビッチが勉強のためと着けさせたのか。どっちもあり得そうかなw

「読者コーナー」

 新しく始まった陰毛コラムが面白かった。陰毛だけでそこまで語れるのか……
forms.gle

 アンケート。面白かった作品3つなんですが、『キャンパスライフ』『Twin Tube』『友達のおねえさん』にします。優勝は『友達のおねえさん』です(優勝なんてシステムはない)。
 一番エロかったの。上の3つを除いて考えると『あなたの表情』かな。
kitaku2kitaku.hatenablog.com