北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天ビースト 2019年7月号の感想

 前号の感想サボってしまいました……。今後はがんばります。がんばるもんでもないけど。
快楽天ビースト 2019年 7月号

『ヨルノトバリ』こっぺ

 フルカラー4ページ。学校では大人しいと思われてる子が夜になると男を捕まえて云々。
 髪型も衣装(制服)も同じで、ネクタイを外して胸元を開いただけの変化なんですが、ガラッと印象が変わるのが面白いですね。学校での描写は小さな1コマのみですが、あれがあることの意味は大きいと思います。
 学校で大人しくしているのがストレスで、その発散としてイケナイコトを始めてしまった、みたいな話だと思ったんですが、案外そうではなくて。女の武器を利用して男を手玉に取るのが楽しくて仕方がないって話なんですよね。この心理というか、学校では女として評価されてないけど……という反動。もちろん決してホメられた行為ではないんだけど、その心理はちょっと理解できるかもなぁ。そこが彼女にリアリティーを与えていて、本作の魅力になってるのだと思います。
 てか、路地裏で制服のままやるのが危なっかしくてハラハラしますねw おっぱいだけ出して、タイツは破いて挿入なので驚くほどに色彩豊かなのが嬉しいです。タイツの破き方も意味なく穴があいてたりして、タイツと肌のコントラストが楽しいんですよね。夜道なので基本は暗く、本作の中で唯一と言っていいほど鮮やかな赤がクライマックスに登場するんですが、それが……というのも面白いですw

『出会いは16年前』平間ひろかず

 年の差幼馴染。ケンカしながらも仲良し……と思ったらヒロインの方がマジギレするので笑った。もちろんそれ込みで仲が良いんですが、一度暴走してしまうと互いに止められないどころか加速していってしまうのが微笑ましい。
 経験の有無という差が良いですよね。二十代後半のヒロインが高校時代に初体験したらしいんですが、年の差があるのでもどかしいんですよね。彼はその頃から好きだけど、手を出せるわけもなく。そのまま彼女が恋人を作って経験をしてしまう。単純に経験アリのヒロインが童貞を可愛がる話でも御馳走なんですが、そこに昔からの淡い恋心があり、ヒロインの初体験を巡る葛藤が絡んでくる。 “その…昔の彼氏さんと比べて…” とか最低極まりない発言なんですが、男の方はどうしてもそこが気になってしまう。その気持ちは分かるし、嫉妬であり、あの頃から好きだったという蓄積。
 ヒロインがリードする形で挿入に至るんですが、徐々にケンカではなくなり、互いにデレ出すのが最高。その好きの気持ちを露わにするのもヒロインの方が先で、という関係性も良い。互いに好きを隠さなくなったら挿入中に思い出話するくだりもめちゃくちゃエロかったですね。会話と行為が一致してなくて、そのギャップがとにかくエロい。エロが盛り上がると対等な関係になるんですが、事後だとまた彼女の方が上に立ってきて、という機微も良い。告白を促すラストも最高でしたよね。男が情けなく見えなくもないんですが、実際は2人の気持ちが通じ合ってて、ああ言えばこう言うというのが2人の間で完全に分かり合えてるということだと思いますし。

『トリプルヘブン』kakao

 『メディカルヘブン』『リスキーヘブン』に続く3話目。ヒロインの名前が東西南北という『いちご100%』方式を採用してるんですが、1話目が西(本妻)、2話目が南(浮気)。んで、3話目はまさかの北東同士参入の3Pなので笑った。そう来たか。「どうせ1人ずつだと思ってたろ」と作者にあざ笑われてるようです。
 てか、西が本妻で、東が「私の方が前から好きだったのに」となってるのはやっぱ『いちご100%』ですよね。東西南北の名前だけだったら偶然もあり得ますが、ここまで来るとさすがに狙ってると言えるのではないか。西に嫉妬した東が寝取る、ということで『いちご100%』で描かれなかった逆襲のようにも見えるw
 んで、浴衣で3P。脱ぐ順番や脱ぎの度合いがそれぞれ違うので二度おいしい。どちらも脱ぎの場面が本当に美しいんですよね。洋服にはない魅力を感じる。
 東野さんは西澤さんに嫉妬してたはずなのに、プレイの最中には北山さんにも嫉妬する。嫉妬心が強いというか、独占欲が相当強いんでしょうね。ちょっと怖くもあり、気持ちの大きさを感じるようで悪くない気もしますw(当事者だとまた印象違うはず) 東野さんも北山さんもどっちもどっちでネジ外れてるような感じが楽しいんですね。それぞれ方向性は違うけど、間違いなくおかしい。
 てか、3話もあるのに本妻(彼女)である西澤さんは1回しかやってないので不思議なシリーズですね。西澤さんの復権を見たい気持ちもありますが、もし続くなら4人全員登場する贅沢も想像してしまう……

『彼女と水着に着替えたら』紅村かる

 タイトル、「彼女が」じゃない時点で面白い。エロの具体的な内容は変わらないんですが、「彼女と着替える」の方がエロさが増すような気がする。
 水着と日焼け跡は流行りすぎてもはやデフォルトみたいな印象もありますが、本作は男の日焼け跡もあるのでちょっと面白かったです。タイトルが「彼女と」なのも納得ですね。考えたこともない、てか意識したこともなかったけど、男も日焼け跡って出来るのかw(当たり前)
 ピッタリした水着描写がエロい。この部分を丁寧に描いたし、脱ぎもゆっくりと描いててテーマに誠実だと思います。個人的には “えっ こ 股間? なんも無いよ” “…無いのがエロい” の場面が超好きです。自分でも気づいてなかったけど……てかそもそも私そこまで競泳水着へのフェチはないつもりだったんですが、ちょっとチャンネルが開いたというか、読んでて「たしかに無いのがエロい!!」と雷に打たれました。おっぱいやチンコは明確に「ある」ものだけど、その逆もエロい。
 軽くオチがつくラストも良かったですね。盛り上がりすぎて本来の目的を忘れちゃった感。青春だなぁw

常陸中さんは断れない』一ノ瀬ランド

 おおっ、快楽天でカラー短編だったやつがビーストにてまさかの。これは嬉しい。単なる連載やシリーズとは違った味わいがあって良いですね。こういう方法もあるのか。
 快楽天の方であったエロ下着も出てくるのが嬉しいです。時系列だと本作のが先になるのかしら。このエロ下着は初めてみたいな感じでしたが。本作が2人の関係の始まり及びエロ下着の始まりを描いていて、すっかりエロが日常となったのが快楽天の方の短編、ってことなのかな。おそらく。
 快楽天の方ではラストに「断る」ことでオチがつくんですが、本作のラストでは「断らない」を通り越して「欲しがる」オチなのも最高でした。物語的な感動、ヒロインとの関係性の変化は当然こちらの方が濃いですね。快楽天の話がこの後日談だとすると、こんだけデレたあとにあの断りをしてたのか、可愛い奴め……みたいな印象も生まれます。この2本セットの構成は面白かったなぁ。エロ以外では表情から感情が読みとりづらい常陸中さんの心に触れられるのが本作のラストなわけで。快楽天の方が焦らしの役割だったようにも感じられますね。

『となりのレイコさん』Shingo.

 透明感のある美人とかよく言いますが、本作のレイコさんはマジで透明。序盤の幽霊ギャグ、ホラーギャグみたいなパートも超好きです。エロ抜きでもめっちゃ魅力的なキャラクター。
 全体的にライトな印象はあるんですが、しっかりと「あっこれ死ぬかも」となってるので話としてはホラーですよね。ラストにちゃんと微笑ましいオチが付くとはいえ。このダメだと分かっていてもエロに抗えない感じ、射精すればするほど死に近づいてる感覚がね、すごくエロいんですよ。気持ちよすぎて意識が遠のいたり、最終的に気絶しちゃうこととか、そういう話ってあると思うんですが、それに近い。近いというか、その究極系。吸血鬼に血を吸われるとか、サキュバスに絞られるとかもそうですけど、生命力を吸い取られる感じ、絶対エロいと思うんですよ。知りませんけどw それが本作では陰の雰囲気が漂う幽霊なのでまた味わい深いです。
 幽霊設定とエロが合致してた名場面としては、レイコさんが服を脱ぐところ。いや、正確には服が消失するんですが、この服が透明になって消えていくコマがめちゃくちゃエロくもあり、美しい。普段は下着もしてるけど、先に消したのかな、とか想像できる感じも良いですね。あと、ラストページでセックスが終わったらそそくさと服を着てるのも良かったです。相手が気絶したから仕方ないとはいえ、結構サバサバしてるw 服を着る手間がないとああなるのかな、みたいな説得力もありました。主人公が全裸のままなのでギャップもおかしいですね。てか、このラストページの主人公、チンコが無修正だ。やったぜ(デフォルメだよ)。

『VSメスガキ』ろてり

 先生が生徒のギャルに終始ナメられる。冒頭の場面でヒロインがロリポップ舐めてるのが象徴的ですよね。主人公はああなる運命だったわけで。
 とにかく先生が瞬殺されるのが楽しいし、もちろんそれがエロい。攻められてるときに「ヒメちゃん」呼びになるのがおかしいですよね。先生の威厳をかなぐり捨ててるw そんなヒメちゃんに手玉に取られる話なんですが、肝心なのはタイトルにもある「VS」でして。要するに挑むけど負ける、という点が素晴らしかったと思います。SM的な主従関係でもないし、ツンデレとのカップル関係でもない。挑むけど負けて悔しい、けど超気持ちいい大好き、という相反する感情の反復横飛びが本作の肝。屈服させられる感覚が良いですし、彼女が楽しくなってきてる感じもとても魅力的。完全にヒロインが上位なんですが、可愛がってたり、優しいというニュアンスがあるのが特徴的ですね。この関係性がすごく良いです。ちんちんはクソ雑魚だけど、タマタマはつよつよなので何度も抜きがあってエロシーンの盛り上がりもすごい。勝つためにドーピングしてタマタマを強くしてるんですが、結局のところ負けを増やしただけで負けをより明確にしただけという物語的にも面白いし、エロマンガでよくある「どんだけ出るんだよ」という問題をクリアしてるのもうまい。

『むちむちオナドル発情中♡』藤ます

 表紙連動。表紙イラストがそのまま本編に出てくるのが面白いですね。ビーストは本号がコンビニ売りの最後なんですが、コンビニ売りなので表紙で乳首は出せない(あとセーラー服もアウトらしい)んですが、アイドルが自撮りをSNSにアップしてるという設定なので乳首を出せないことに意味があるんですよ(セーラーはアイドルの衣装)。ギリギリで出さない、というのを劇中のキャラクターが意図的にやってるわけで、それがビーストの表紙として描かれてる。これ見事だよなぁ。淫語全開で勢いがすごい作品ですが、意外とめちゃくちゃクレバーなことをやってのけてる。表紙を本編に組み込む上でこんなやり方があったとは。

『インカンください!』山芋とろろ

 印鑑をカタカナにしただけなのにエロしかイメージ出来なくなる。すごいw
 ということで、印鑑の代わりに違うインカンをする話なんですが、突飛な設定世界の中で当たり前に行われるエロ、という感じが良いです。明るいのもそうですが、ズボンのチャックが後ろまでぱっくり開くのとか超面白いですよね。ものすごく合理的というか、あり得ない仕事なんですが、仕事着としての説得力を感じる。
 本作がさらに面白いのは物語の部分で、まさかのラブストーリーとして結構感動させにくるので驚きました。荒唐無稽な設定を楽しむ作品かと思ったら途中からすげぇ良い話。ちゃんと「宅配」を物語の重要な展開に組み込んだのもうまいですよね。
 そんな仕事の関係から恋人になる話なんですが、恋人としてセックスするようになるとヒロインの帽子が外れるんですよね。あの帽子こそが彼女の仕事の象徴というか、スイッチのオンオフとして表現されてるわけで。ここすごい良かったですね。彼女の顔が今までと違った印象に見える、という効果もあったと思いますし。

『華乱忍法帖 ~かすみ開花~』加山紀章

 前号のビーストの感想書けなかったんですが、最も「書けばよかった……」と後悔したのが本作の前編。めちゃくちゃ面白かったんですよ。断トツ。能力バトル漫画の始祖は『甲賀忍法帖』とか『伊賀の影丸』とか言われますが、本作は完全にそれ路線なんですよ。本格忍法漫画、忍法バトル漫画の中のエロがある回、と言われても全然成立するレベル。1人に1つの特殊能力があり、それらが対決したりチームを組んだり作戦を立てたり。それがたまたまエロな直結する能力だった、というだけですね。しかもエロと関係ない能力まで出てきますし。本当に面白かった。
 んで、その後編。要するに忍者のヒロインが主君を殺すようにエロで支配される話で、まぁ快楽堕ちって言っちゃえばそれまでなんですが、そこまでの積み重ねが丁寧だから説得力や話の面白さが段違いなんだよなぁ。主君とついに結ばれることになるんですが、それがもう悲劇の始まりに過ぎなくて。肉体だけではなく心も支配されてしまったという表現が良いんだよなぁ。それがまさかの忍法帖としてコーティングされえるから最高です。特殊能力みたいなもんですのでさぞ気持ちいいんだろうなと思わされますし、怪しげな雰囲気も良いですし、臭いや体温などを想像させる描写がちょくちょく入ってくるのもエロを立体的に感じられて秀逸。
 komifloのコメ欄で「ハッピーエンド面してて草」と言われてて、その通りだと笑ってしまったんですが、要するに彼女視点の物語だから、彼女が本当に堕ちきってしまったらハッピーエンドの雰囲気になるのが適切ということですね。あそこでハッピーエンド面してるのが読者の印象とチグハグで、その差異が不気味で良い。
 すごい作家もいるもんだなぁ、と思わず調べてしまったんですが、過去に一般で単行本も出してるような方だったのですね。こんだけ面白いのも納得ですわ。

『ひかげちゃん』夏桜

 ヒロインの好きが暴走して告白する話。なんですが、面白いのは完全に彼女目線の話であると同時に、彼側のモノローグも語られるんですよね。 “つい勢いでOKしちまったー!!” とかなるのがおかしいんですが、2人がそれぞれ間違ってるw 陰キャのヒロインが積極的で、陽キャの彼が消極的、というのも対照的で面白いです。彼が徹底的に受け身で、流されるまま話が終わっていくんですが、要するにそれだけ彼女の方が暴走してるわけで。
 彼女はとにかくこの決めつけが激しいんですね。陰キャ陽キャと決めつけて誤解を重ねていく。一度思い込むとそれで頭がいっぱいになり、他のことを考える余裕がなくなる。告白が成功してからも常に「自分」を中心に物事を考えてるのが窺えます。ぶっちゃけ危うい存在だと思うし、彼女の将来も少し不安になりますw なんですが、そんだけ夢中になって真っ直ぐ突き進んでる様が可愛く見えるのもまた事実でして。この彼女のキャラクター、そして逆に自分がなさすぎる彼のリアクションが本作の魅力。彼女がコンドームを取り出してら彼が “準備万端だぁ!!” となる場面とか爆笑してしまいました。ちょっと息がピッタリな印象もあって、デコとボコでこれはこれでナイスカップルなのか? とか思えてもきますし。

『デリガール』黒輪

 ガールがデリバリーしてくれたのかと思ったら、ガールがデリバリーされてきた話。
 ギャルのマリコ嬢が仕事をきっちり済ませようと迫ってくるのが面白いし、キャラクターの魅力。最初は “お金もらえるならいっか…” と言っていたんですが、そこから悪戯心なのか誘惑し出すのがめちゃくちゃ良いんですよね。相手が意識してるのを見抜いたので面白がり始める感じがリアルで。仕事だから、だけではなく彼女が楽しんで前のめりになってる感じが素晴らしいです。別のデリバリーだと誤解したことから始まったのが効果的ってことですおね。単なるデリヘルとしてだったらここまで面白くはなかったでしょう。互いに気持ちの齟語があって、それを彼女側からすり合わせようとして……という変遷が楽しい。
 んで、男の方がノリノリになって彼女が受けに回ると “時間過ぎてる” と本来の仕事を盾に断ろうとするのも面白いですよね。関係性の変化がデリバリーという1つのネタを多角的に描くことで表現される。ラストでも再び食事のデリバリーの約束になるんですが、今度は仕事としてではなく……というのがうまい。

『うす紅色の面影』ベコ太郎

 帰省したらかつての彼女の妹と出会う。姉に彼氏と紹介されたときから恋心を抱いていて……という冒頭から切ねぇなぁオイ。最高やんけw 年月を経てかつての姉にそっくりになったんですが、髪型がツインテールで幼さも感じさせる。髪型で区別させる意味もありつつ、印象の違いも生んでて面白いです。
 かつての姉の部屋で “お姉ちゃんの代わりになれませんか” って切なすぎてもうw 最低の発想だし、絶対に良くないんだけど、そんだけ思い詰めるにも理由はあるのが最後に分かるのがなぁ。ゴムを拒絶するくだりとか姉への対抗心あるよなぁ、とか文字で説明されなくとも伝わってくる感じがねぇ。単なる背徳感とかだけじゃないいろんな感情がゴチャゴチャになりますね。
 ツインテールが姉との区別になってたと思うんですが、セックスが終盤になると、髪がほどけていくんですよね。姉の代わりとして非常に危ういし、 “好きって…言ってください…!” の場面で姉の顔がフラッシュバックする感じとか、それでも好きと答えてしまう感じとかすごいよなぁ。てか、元々ヒロインの髪はショートだったわけで、姉への対抗心として、彼に好かれるために髪を伸ばしたってことなんでしょうねぇ。この自分を捨てちゃってる感じが危うくもあり、その変化が成長と言える気もする。いろいろ考えさせられるって言ったら変ですけど、いろいろな感情が読んでて湧いて素晴らしかったです。

QUEEN武将武

 家出少女モノって割と一大ジャンルだと思うんですが、本作はその逆……と思ってたらすごい展開になる。正直驚きすぎて笑ってしまいました。途中までは完全にそのジャンルの王道の流れだったからなぁw
 てか、タイトルがどういう意味かと思ったら、何のことはなくド直球に女王様だったのですね。職業としての女王様だけど、今回家出少年を捕まえてアレコレしちゃうってことは本当に好きでその職業に就いたんでしょうね。もしくは仕事を通じて目覚めてしまったという感じか。
 少年の方が可愛くてその時点で最高なんですが、彼の家での言い分がなかなか子供じみてる。そこが物語的にかなり面白い。そこに付け入れられるというか、「そんなに言うなら大人にしてやるよ」的な。彼がまともな理由で家出してたところで助かったかは怪しいですが、あの言い分が最後の一押しになってしまったのは間違いないでしょうね。イラつかせたのか、捕まえるのに都合がいいと考えた、とかそこらへんの理由なんじゃないかしら。

『エロングセミナー』山石18

 合コンに言ったら大学の講師がいて、彼女がキャバ嬢をやってたことがバレる。それをネタに彼女を脅して……という話なんですが、よく考えると脅しのネタとしては正直弱いですよね。知られたくはないだろうけど、バレたところで直接の被害はそれほど大きくない気がします。お前それで行けるのと思ったのか、という甘さであり、キャバ嬢の迷惑な輩をいなすスキルなめんな、という展開になるので痛快。直前の『QUEEN』もそうですけど、ヒロインのキャラクターが反転するような話ですね。『QUEEN』は一瞬で豹変するのが楽しいんですが、本作はゆっくりと変わっていくのが見所だと思います。隠していた本性が徐々に露わになっていく感じですね。本作の方が「ナメてた相手が実は……」の物語としての痛快さは高い。
 前半は男2人が脅して近づき、そして無理矢理迫るので完全にレイプなんですよ。読みながら「そっち系か」と身構えるんですが、にしてはヒロインが “もう仕方ないなぁ” “1回だけだよ” と折れるのが早いんですよね。快楽堕ちではまったくない。快楽が始まる前から受け入れてる。直後に相手のチンコを見て “おっきいね” と言う余裕。さらには “もしかして初めて?” とリードまでし出す始末。なんなんだこの話は……と頭が混乱してくるんですが、その徐々に露呈していくヒロインの本性がとにかく楽しい作品。キャバ嬢で体は売ってないみたいなこと言ってましたが、にしては場慣れしててすごいw なんで無理矢理迫られてるヒロインが童貞をリードする話になるのか。相反する水と油みたいな話なのになぜかキレイに混ざってるw

『Look at me!』大山樹奈

 迷い猫を通じて仲良くなった2人の話。猫ちゃんが可愛いぞ。ちくわちゃんもっと見たい!! がそれだとエロが見れないジレンマ。
 てか、そんなちくわが恋のキューピットになる話なんですが、恩人に対してひっかくとかなかなか酷いことしますねw 「なに帰ろうとしとんじゃボケ」みたいなことだったのだろうか。気まぐれが猫の魅力だとは分かってますが、「飼い主が見つかったらお前はもう用済み」と言われてるようで悲しいw けど、可愛いから許せてしまう。
 ヒロインが猫に嫉妬してきて、それ自体が猫的で可愛いんですが、本作で特徴的なのがエロが始まっても猫がいるんですよね。直接コマに入ってくる描写少ないですが、明らかに猫に見守られながら体を重ねることになる。気まずくないのかよw とか思ってたら、最初の射精のキッカケが猫なので笑いました。あくまでも我慢してたのが気を取られて出ちゃったという話なんですが、ヒロインに挿入しながら猫ちゃんを見ながら射精したと考えるとなかなか危ういw(もちろん違いますよ)

『アナルマゲドン』火鳥

 尻ーズ最終話。映画ポスターの完コピしてるので爆笑してしまいました。ブルースウィリスに怒られるぞw
 アナルアスリートなら何でもアリな前半もすごいんですが、小ネタの詰め込みがいつにもなく濃密。持てるアナルギャグをすべて出し切った感がある。
 かと思えば、そっからまさかの感動路線にシフトするので驚愕。それが「なんちゃって」ではなく、マジでちゃんと良い話なんだよなぁ。尻ーズにおいて一貫して描かれてきた後崎さんの母への愛の渇望というのが最後に見事な形で着地するので完璧。そっから尻ーズの過去キャラが一気に出てくるくだりとか良いよなぁ。集大成感w

「読者ページ」

 扉イラストが齋藤山城守之彦先生なんですが、サインがめちゃくちゃかっこいいので驚いてしまった。そこかよ、という感じですがマジで超かっこいい。

「次号予告」

 本号でコンビニ売りが最後ということで、次号よりリニューアル。コンビニで買ってた人は手間が増えるとは思いますが、パワーアップするということで悪い話ばかりではないのではないでしょうか。失楽天は隔月刊行になるのでまた話は別ですが。

「WEEKLY快楽天告知」

 7.7から毎週更新するらしいんですが、マジすか。コンビニで買ってた層をkomifloに誘導したいのかな。
 komifloで先行配信で、秋頃より各電子書店で配信開始予定ってのは謎です。秋になったら7月からの分一気出しするのかしら。
 個人的には「ブログどうしよ……」となるところなんですが、掲載が7作くらいだったら、意外とすんなり行けるかも……って今まで遅れまくってるので説得力ないんですが。まぁ、感想書く方向で様子見。
forms.gle

 アンケート。面白かった作品3つですが、『VSメスガキ』『華乱忍法帖』『インカンください!』かな。3つ目がかなり悩みました。てか、今号マジでどれも良かったです。
kitaku2kitaku.hatenablog.com